金融市場にトレンドがあるように、社会全般を貫くトレンドというものが存在すると思うのですが、その両者の動向がVolatilityの上昇に向かっているという気がしてなりません。
人間的にも高潔で、理想的な人生を謳歌していると思われたタイガーウッズの転落、オバマ政権の支持率急低下と諸施策における迷走振り、ケネディ家地元のマサチューセッツ州における民主党の大敗北(しかもエドワードケネディ議員の死去に伴う補欠選挙、つまりは故エドワードケネディ議員の弔い選挙でもありました)、金融混乱を沈静化させた功労者と言う評価だったはずのバーナンキ議長の辛うじての再任などはどれも数ヶ月前の様相とは様変わりしています。
日本でも鳩山政権の支持率急落と迷走振りは顕著ですが、藤井財務相の辞任や民主党の小沢幹事長が逮捕寸前まで追い詰められたり、大相撲では横綱朝青龍の唐突な引退、理事選における貴乃花親方の造反と当選など、これまた数ヶ月前には誰も想像していなかった様な出来事が多数起きています。
金融市場の様相もほとんど同じですね。新興国市場、商品市場の失速、失業や財政懸念に揺れる欧州経済(これは米国の問題を丸ごと引き取ってしまったかのようです)などを背景とした市場の混乱振りは日々の動きをフォローするのも大変と言う状況になっています。
次のチャートは上段が金価格(黒)、ユーロ(赤)、下段がドルインデックス(緑)で表示されています。
積極的な投資活動や外貨準備の分散により金やユーロが上昇し、調達通貨に格下げされたドルはひたすら値を下げると言う図式は明らかに反転し始めていることがわかります。
2009年の4月以来の金融ユーフォリアはいよいよ終焉を迎えるのでしょうか。
そもそも過剰流動性が招いた金融バブルが弾けた事による金融危機を更なる過剰流動性の強制注入により沈静化させて市場と景気を回復軌道に乗せてきた一種のモルヒネ政策にはやはり無理があったと言う事なのかもしれません。ドバイショックは沈静化すると見せかけて欧州に飛び火し、ギリシャだけなら規模も小さいという楽観論を嘲笑するかのようにポルトガルやスペインにも飛び火しています。
ギリシャ国債CDS⇒急拡大
債券暴落のポルトガル2年債利回りが急騰
資本回帰が続く米国市場ですが、ここでもリスク資産の株式市場からは資本が流出中です。以下のチャートは黒線がSP500、赤字がドルインデックスです。
冒頭に書いたとおり、金融市場を含む社会全体のUNREST、UNCERTAINTYというものが暫く我々を支配することになりそうです。
節分が終わって暦の上では春になりましたが、面白いことに東京も寒いですが、この週末はNY,東北,九州の友人達から雪の便りが届きました。
気温は下落、Volatilityは上昇と言うのがトレンドになりそうですね。