2011年7月31日日曜日

Fear-Driven Market is already here.


VIX指数の推移⇒先週後半で急騰!!














やはり金融市場全般のVolatilityが上がってきましたね。
遂に長期間低位安定を続けてきた米株のVolatility=VIX指数も先週後半に急上昇しています。


米国の10年債券への資金の雪崩れ込み方は異常とも言える状況でしたが、お陰でドルの長期金利が大幅に下落しました。米国の債務上限問題は最悪シナリオとしては米国のトリプル安を招くとの見方が根強いのですが、先週は取り合えず株式やREITなどから世界中で最も流動性のある米債市場に資金の大移動が起きたと言う事になるでしょう。

2011年の後半は2008年以来の恐慌的な相場が来る可能性が無視出来ません。

原子力問題なども然りですが、今試されているのは政治家や当局者たちの資質であり、下手に政局優先のような動きをしていると世界経済が本当に破綻に向かう事になりかねません。米国の債務上限引き上げ問題への民主党、共和党の意味の無い綱引きを見ていても日本の政局の末期的な症状を見ていても危機意識は強まるばかりです。

投資家として、一市民として、歴史の証人となるかもしれないここからの数ヶ月にしっかり対応していきましょう。

Top FX Movers Last Week.

先週もリスク回避モードが上昇。前週の南半球(AUD,NZD)から先週はCHFとJPYに勢いがシフトしています。

      通貨ペア    先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①CADCHF↓0.8214    0.8629     -415      -5.05%


②USDCHF↓0.7856    0.8186      -330     -4.20%

③EURCHF↓1.1311    1.1748      -437     -3.86%

④GBPCHF↓1.2903    1.3342      -439     -3.40%

⑤CADJPY↓80.35      82.81        -246      -3.06%

⑥AUDCHF↓0.8631  0.8883       -252     -2.92%

⑦NZDCHF↓0.6904  0.7078       -174     -2.52%

⑧NZDCAD↑0.8393 0.8188       +205    +2.44%

⑨USDJPY↓76.75     78.52         -177     -2.31%

⑩AUDCAD↑1.0498 1.0280      +218    +2.08%

上昇通貨としての登場回数は CHFが6回,JPYが2回,NZDとAUDが一度ずつでした。
下落通貨としての登場回数は CADが4回,USDが2回,EUR,GBP,AUD,NZDが一度ずつとなっています。

主役が南半球からCHFとJPYに移った格好ですが、実は先週両者のクロス取引となるCHFJPYは前週の95円台から97円台まで上昇(CHF高円安)となっており、如何にCHFが圧倒的な強さを発揮したかがよくわかります。

先週は米債の買われ方や株やREITの売られ方も顕著であり、非常に要注意な動きであったと考えるべきでしょう。

2011年7月24日日曜日

Gold and Silver moving way up high.....

Paperマネーへの不信感から元祖マネーである貴金属の上昇が続きます。

Goldは1オンス当たり$1,600超えが騒がれましたが、丁度英国ポンド(GBP)でもGBP$1,000超えとなるキリの良い水準でもあったことで英米で特に騒がれていた感じですね。

GOLD DAILY











節目となる$1,600あたりでは少し足踏みしていますが調整が入れば遅れ組の買いが入る事になりそうです。大きな下落は難しいように思われます。

Goldの上昇にも反応薄だった時期を経てどうやらSilver価格も立ち上がってきた感じです。
Silver Daily











株式市場の反発を見ていると明らかに下落を主導した金融株の反発はLagしており、逆にGold Stock,Silver Stock等がしっかりと投資資金の受け入れ口になっている事がわかります。

貴金属調整のタイミングは8月2日となっている米国の債務上限引き上げ交渉期限でしょう。最終的には収まるt頃に収まるのだと確信しているのですが、ここまでのオバマ政権と議会、民主党、共和党の交渉経緯はあまりにも志の低いものだと言う失望感がぬぐえません。

日本の政界よりは無茶苦茶マシですけれど・・・

Colours of the Week.

欧州
流石に先週も欧州の周縁国債務問題がメディアのヘッドラインの中心であり、この内容次第で市場が大きく乱高下する展開でした。結局EU首脳会談後にギリシャ救済の新たな枠組みが持ち出された事から一旦欧州売りが一服した格好です。首脳会談では欧州金融安定化基金(EFSF)のより効果的且つ柔軟な運営でも合意されています。
 ギリシャ支援は実に109bioEURという規模になりました。民間投資家の関与は引き続き自主的な参加とされていますが50bioEUR規模で見込まれています。少なくともEFSFのローンが7.5年から15年や30年に長期化されるようですので時間的猶予も大幅に拡大したと言えるでしょう。これを受けてEURは結構反発しています。

EURUSD DAILY












南半球は半端じゃなく凄かったですね。欧州混乱の一服によるRisk資産への資金還流もさることながら欧米の混乱を嫌気した地政学的な要因もありそうです。南半球においておくほうが余程安心できると言うのは確かでしょうね。

AUDは前週にWestpac銀行が出したRBAが利下げに傾くと言う予想が徐々にインパクトを失い、やがて金価格が1オンス当たり1600ドルを超えていくなどの動きを受けて大幅反発に転じました。


AUDUSD DAILY











ニュージーランドも第二四半期のCPIが予想外の高騰となる5.3%にまで急進していた事から中銀のRBNZが年内にも利上げを再開する可能性が急上昇しており、こちらも大きく反発しました。このCPIの強さは1990年以降で最高の水準です。

NZDUSD DAILY











引き続き南半球の強さは注目が必要でしょう。

Top FX Movers Last Week.

先週もなんだかんだで世の中も金融市場も結構動きました。

終わってみれば①Risk-onバイアスが反発して部分的ではありますが安全資産からリスク資産に資金が移動した絵、②RiskのOn-Offでは語れない現物資産買い、③地政学的な追い風もあっての南半球買い・・・という絵柄が混在した展開となっています。

いつものように週を通した主要通貨ペアの変動ランキングを確認してみましょう。

          通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)

①NZDCHF↑ 0.7078    0.6873     +205     +2.90%

②NZDUSD↑ 0.8642    0.8435     +207     +2.40%

③AUDCHF↑ 0.8883    0.8671     +212     +2.39%

④AUDUSD↑ 1.0842    1.0639     +203     +1.87%

⑤EURCHF↑  1.1748    1.1529     +219     +1.86%

⑥NZDJPY↑  67.87      66.74       +113     +1.66%

⑦NZDCAD↑ 0.8188   0.8055     +133      +1.62%

⑧GBPCHF↑ 1.3342    1.3133     +209      +1.57%

⑨EURUSD↑ 1.4356    1.4150     +206      +1.43%

⑩AUDCAD↑1.0280    1.0137     +143      +1.39%

上昇サイドでの登場は NZDが4回,AUDが3回,EURが2回でGBPが1回でした。
下落サイドはCHFが4回,USDが3回,CADが2回でJPYが1回となっています。

EURは予想以上の反発をしていますが、AUDやNZDの南半球通貨が大躍進していますね。

次項では少し内容を見ていきましょう。

2011年7月18日月曜日

Gold is pushing $1,600 per ounce.

週初月曜日も金は上昇しています。このまま終われば11連騰と言う事になりますが、この1オンス当たり$1,600という水準で止まらなければこのまま調整も無く$1,800狙いというシナリオが見えてきます。

GOLD DAILY⇒$1,600超えか・・・

銀や白金などの工業需要のある貴金属をアウトパフォームする金の買われ方には投資家の必死の防衛策が見えてくるようです。

各方面のインサイダー的な情報も入る会合のようなものに幾つか顔を出すのですが、世界中で政治や経済が行き詰っているように思えてきます。

米国は債務の上限の引き上げ交渉が山場を迎えていますが最悪の場合は期間限定のデッドロック状態になるかもしれません。オバマ陣営は共和党が国の財政難を政局にしていると避難していますが、実効的な赤字削減策とセットである必要がある以上債務上限の引き上げ=増税ですのでどうしても中身の議論になるのは致し方ないところです。

欧州の問題は凝りもしない二枚舌です。最早ストレステストの結果など額面通りに受け取る人の方が稀でしょう。幹部を欧州出身者で固めたIMFにしてもギリシャやアイルランドなど同胞周縁国に対するスタンスはアジアなど新興国の経済が行き詰った時に見せた厳しい対応とはかけ離れた同情的なものです。最近ではECBのトリシェ総裁までが周縁国を格下げする格付機関を批判する姿勢を示しており、身勝手甚だしいと言う気がしています。

将来は世界共通の大問題となる少子高齢化や資源不足に対処しながら自国通貨高にも潰れない課題先進国としての日本への投資が増えて余計に円高になっていますが、ここはとにかく政治が酷いですね。
 それに最近は空席の目立つ大相撲名古屋場所を見ていると、どこか欧州などとも共通点があるような気になってきました。非常に残念ですが問題の隠蔽体質ですね。
 八百長というのは残念ながら大相撲の歴史の中で常に存在していたもののはずです。一部には興行という性格上それを必要悪とする意見すらあります。地方巡業の取り組みは大半がそうだし、上位力士のトーナメントにしても怪我をしないように無理をせずに取っていると言う意味で既に真剣勝負とは言えません。米国の新聞記者のように様々な不可解なデータ(既に勝ち越している力士と7勝7敗の力士が千秋楽に対戦した再の後者の異様に高い勝率など)で示さなくても暗黙の了解的な部分は皆に有ったのではないでしょうか。
 一部力士の薬物使用問題などの捜査の中でそれが表に出てきたところで急に一部の力士達だけに責任を被せてトカゲの尻尾切りの様なことをした事はかえって協会の信用を落としてしまった様にに思います。また多くの関取が調査に非協力的であった事も大相撲の病巣の深さを露呈していました。また本場所中は出勤(?)した力士が支度部屋に入るところで携帯電話を預かると言う茶番もファンを馬鹿にした話です。誰が当日に支度部屋同士で八百長の交渉をするものでしょうか。これまでの八百長でもちゃんと前日には段取りは出来ていたはずです。

今後日本の大相撲がスキャンダルがキッカケで消滅した韓国相撲のようになっていくのかどうか非常に心配していますが、このような何も信用できないような世相の中で金価格が上昇していくのはこれまた仕方の無い事なのかもしれませんね。

金は元々価値の根源ではありますが、今の買われ方はちょっと寂しい上昇であると言うお話でした。

Gold and Silver : Back on track to SHINE.

欧州中心にリスク回避モードが強まり、米国ではQE3の可能性まで登場した事で先週の貴金属価格も圧巻の上昇と言う印象でした。

GOLD DAILY

Gold価格はこの日次チャートの通り10連騰。2週間負けなしという勢いです。

SILVER DAILY

銀価格は9勝1敗ですが、勢いと言う意味では全く負けていませんね。

今年前半は調整局面入りしていた貴金属価格は調整終了で再上昇というシナリオが見えてきたようです。

Taking Europe to Task again.

欧州が繰り返している周縁国の救済を演出しては回復を装う"Extend and Pretend"作戦が金融市場から見透かされ始めたような展開になってきました。

先週は金曜日に一つの山場となるストレステストの結果発表がありギリシャ2行、スペイン5行、オーストリア一行の計8行が”不合格”という結果となりましたが、市場は寧ろそれ以前の一連の格下げに反応したという印象でした。

CDS市場のスプレッドが拡大しギリシャからスペイン、イタリアというより規模の大きい経済への混乱拡大が懸念される中で格付機関のFITCHがギリシャの信用格付をCCCに下げた上で同国の債務不履行リスクを”Real Possibility"と表現した事、同じくMoody'sがアイルランドの格付をBa1に下げた事で欧州周縁国のソブリンリスク問題が再燃した格好です。

EURは乱高下を繰り返しながら基調は着実に下向きになってきました。

EURUSD DAILY
このチャートの通り市場の米ドル不信も手伝ってEURは対ドルでは時折反発していますが、対CHF や対JPYでは結構なベアトレンドになっています。


EURCHF DAILY
  対CHFでは新安値更新中です。
EURJPY DAILY

対ドルで80円割れ定着の円高ですが対EURでもこの通りです。

とにかく欧州のExtend and Pretendという作戦は市場の評価を得られていませんね。

2011年7月17日日曜日

Top FX Movers Last Week.

先週は完全なリスク回避モードの動きとなりました。

欧州⇒市場の不安を拭い切れずにCDSスプレッドも拡大。周縁国の格下げの動きも活発化。

米国⇒バーナンキ議長の議会証言初日でQE3の可能性を示唆。二日目に火消し発言。

豪州⇒欧州危機の影響懸念等を理由に主要金融機関がRBAの利下げサイクル開始を予想。

と言うような背景が中心ですが、結局安全資産が上昇し、リスク資産が下落する動きとなっています。安全資産というのは貴金属と通貨ではCHFとJPYが中心ですね。

では先週の主要通貨ペアの変動ランキングを見てみましょう。

         通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①AUDCHF↓0.8671    0.8984    -313        -3.61%


②EURCHF↓1.1529    1.1912    -383        -3.32%

③AUDJPY↓84.11       86.57      -246        -2.92%

④USDCHF↓0.8139    0.8352    -213        -2.62%

⑤EURJPY↓111.94     114.81    -287       -2.56%

⑥GBPCHF↓1.3133    1.3413    -280       -2.13%

⑦AUDCAD↓1.0137   1.0348    -211       -2.08%

⑧USDJPY↓  79.09     80.66      -157       -1.99%

⑨EURCAD↓1.3473   1.3739    -266       -1.97%

⑩NZDCHF↓0.6873    0.7008    -135      -1.96%

上昇サイドに登場する通貨はCHFが5回,JPYが3回,CADが2回でした。
下落サイドはAUDが3回,EURが3回,USDが2回でGBPとNZDが一度ずつの登場です。

CHFの強さは圧巻で先週も対USD,EUR,GBPでの最高値を更新しています。久し振りにスイス金融当局からもCHFの独歩高的な状況に対する強い懸念の表明も出ているので要注意ではありますが既存の材料から判断すればCHFの上昇余地はまだまだあると思われます。

やはり今のところ2011年後半戦はVolatilityが上昇してくると言うシナリオが当たっているように思います。前半戦が地上戦だったとすれば後半戦は空中戦の予感がしますね。

2011年7月10日日曜日

Precious metals are back on track.

日米欧が壮大な非伝統的な実験に踏み出す中で貴金属相場が再び注目されてきました。2011年前半の大き目の調整は終了したと言う見方が増えてきましたね。


GOLD DAILY

SILVER DAILY

欧州の周縁国では緊縮財政による生活水準切り下げを要求された格好の有権者達のデモが繰り返され、米国では経済指標の振幅が大きく景気動向も米ドルの方向感も中々定まりません。鍵を握る住宅市場と雇用情勢において前者は低迷を続けており、後者はジキルとハイドの如く市場を煙に巻き続けています。

先週も木曜日のADPの数字は強く、金曜日のNFPは弱いと言う状況でした。

●7/8(木)

6月ADP全国雇用者数(米)21:15
前回 → 3.8万人(修正 +3.6万人)
結果 → +15.7万人

これは予想外に強い結果で金曜日の雇用統計も強い内容が期待されたのですが・・・・

新規失業保険申請件数(米)21:30
前回 → 42.8万件(修正 43.2万件)
結果 → 41.8万件

これも失業保険の申請が減少しているのですからまずまずですね。

●7/9(金)

6月非農業部門雇用者数(米)21:30
前回 → +5.4万人(修正 +2.5万人)
結果 → +1.8万人

6月失業率(米)21:30
前回 → 9.1%
結果 → 9.2%
これではどんでん返しです・・・

結果的に週末もドル売りにはなりませんでしたが、欧州も米国もこのような状況ですので貴金属と為替市場ではCHFやJPYが上昇ポテンシャルに載り始めた可能性が出てきました。

ECB's 2-way theory is under a cloud.

それにしても先進国経済が夫々に行き詰まり感を強めて新興国への期待が強まる中で米国、欧州、日本が夫々違ったアプローチを取ってきた事は興味深いところです。ある意味においてはリスク分散を図りながらの壮大な実験が進行中というところでしょうか。

日本は課題先進国として様々な苦悩を抱えています。人口減少と少子高齢化のトレンドを転換させる有効な手も無いままに天災にも見舞われ、今原発事故への対処と言う重い十字架を背負い始めました。経済的にもバブル崩壊後のデフレ傾向は継続したままであり異例処置だったはずの金融緩和状態も常態化しています。

米国はサブプライムでバブルが弾け、リーマンショックで金融立国の看板も崩壊した後は日本経済の足跡を教科書にしながら、如何に日本の様にならないように日本を真似るかという難しい作戦を展開してきました。日本通のバーナンキFRB議長やガイトナー財務長官がバブル崩壊後に来るのはデフレーションであるという確信から徹底した金融緩和とドル安容認に徹してきたのは日本を熟知しているからとも言えるでしょう。
 現在米国のカードは時間軸であるように見えますが、日本のように量的緩和をダラダラ常態化させない分短期集中的に強烈な緩和を断行してきたと言うのが所謂QE1,QE2までの動きでしょう。

欧州は両睨み作戦を展開してきました。可能であれば美味しいとこ取りをしようという作戦です。ギリシャなど周縁国支には”必要悪”として非伝統的な財政援助や緩和的な資金供給が必要であるとしながらも従前からのインフレファイターとしての仮面も被り続けると言う両面作戦です。今回も利上げを行いましたが資金市場への緩和的な資金供給は継続すると言う'構えを取っています。

ECBはMain Refinancing Rateを25bp引き上げて1.5%としました。2008年3月以来の高水準であり今後の物価上昇圧力次第では追加利上げの可能性も示唆しています。    
 この利上げ後にEURは上昇していますが、週末にかけては反落してしまっています。これは周縁国の財政難リスクが再び表面化し始めていることが背景になっています。

格付会社Moodysはポルトガルの信用格付けをBa2(=ジャンクレベル)に引き下げました。ギリシャの支援策に民間投資家の関与が含まれていることにも強い懸念を示しています。市場にはアイルランドの追加格下げの観測も根強く、先週はポルトガル、アイルランド、ギリシャのCDS(Credit Default Swap)は最高値を更新し、特にポルトガルのCDSの水準は5年後の財政破綻リスクを50%以上とする水準になっています。


 普通はこういう時は利上げ等出来ない訳ですが、今の欧州の両睨み作戦(2-way theory)においては、”それはそれ、これはこれ”という割り切りが起きていると言う事でしょう。


EURUSD DAILY

市場はこの2-way作戦に振り回されていますが、徐々にこの2-wayの状況自体を問題視し始めていると言う気がします。

Top FX Movers Last Week.

先週はECBの利上げ、ポルトガルの格下げ、米雇用統計のネガティブサプライズなど様々な材料がありましたので週内の金融市場は結構なSWING相場となりました。

終わってみれば依然としてSWING相場の継続と言う水準での越週となってますが、冷静に見れば世界中でネガティブなデータや懸念材料が増加している事は否定し難く、夏枯れ相場の可能性よりはVolatilityが上昇していくリスクシナリオも無視出来ないように思います。

為替市場の全体観は以下のようになりました。

  通貨ペア     先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①EURCHF↓ 1.1912   1.2309     -397       -3.33%

②EURNZD↓ 1.7015   1.7548     -533       -3.13%


③EURJPY↓   114.81  117.34     -253       -2.20%


④EURUSD↓ 1.4259   1.4519    -260       -1.82%


⑤EURGBP↓ 0.8875   0.9036    -161       -1.81%


⑥CADCHF↓0.8690   0.8841    -151       -1.74%


⑦EURAUD↓1.3258   1.3469    -211       -1.59%


⑧NZDCAD↑0.8050   0.7922   +128      +1.59%


⑨GBPCHF↓ 1.3413  1.3619    -206       -1.54%


⑩AUDCHF↓0.8984  0.9118   -134       -1.49%

上記の変動率の大きい10通貨ペアの中で上昇サイドでの登場回数はCHF4回,NZD2回でJPY,USD,GBP,AUDが一度ずつと言う結果でした。

下落通貨としての登場回数ですが EUR6回,CAD2回でGBPとAUDが一度ずつでした。

大きな反発を繰り返して市場のショートポジションを繰り返しスクィーズしながらも結局はEURが下落していくと言う大きなシナリオが進行中であるという印象が残ります。

また金曜日の北米時間朝方にに発表された6月の米雇用統計ですが、予想を大きく下回る内容であったものの金曜日の取引に関しては米ドルが大きく売り込まれる展開にはなっていないことがわかります。

終わってみれば、ECBが政策金利を2008年3月以来となる1.5%に引き上げたものの市場はギリシャ、アイルランド、ポルトガルへの懸念を強めてEURを買う動きにはなっていない事、米ドルが雇用統計の不調にも拘らず粘り腰を見せている事、クロス円での円高リスクが感じられる事、商品市場全般としては基調が崩れていない事などが先週の印象でしょうか。

いずれにしても夏枯れ相場突入のリスクは回避された気がします。

2011年7月4日月曜日

Japanese Style.

先般生まれて初めて九州に行きましたが、たまたまかも知れませんが時間調整で入った空港傍の喫茶店のトイレが和式でした。大きい用事ではなかったので助かりましたが、ちょっと驚きました。


夏休みが取れたらどこに行こうかと考えていますが、やはり地方は危険かなと思ったのですが、何と都内でも随分ありますね。最近も都内の白金駅、学芸大前駅のトイレの個室サイドが和式のみだったので驚きました。

私自身ももう何年も和式で用を足していないのですが、子供たちは全く使い方を知らないと言っています。「あー、あのFlatなやつ?」等と言っています。一応使用方法を教えておかないといけませんね。

やはり公衆トイレなどでは便座との接触の無い和式の方を好む人も多いようなので両方あって選べるのが一番良いですね。都内でも和式のみと言うところが意外とあるのには驚きました。

食器でも何でも日本スタイルは大好きですが、個人的にはトイレだけは和式が苦手です。

経済は必ずしもグローバル化しなくても良いと思いますが、トイレはグローバル化して欲しいと思う今日この頃です。

2011年7月3日日曜日

Swinging Consolidation.

前項の通り先週はギリシャ問題が短期的なクライマックスを迎える中でギリシャ議会が無事に78bioEURの緊縮財政案を通過させた事でEUが段階的に実施してきた110bioEURの資金援助の第五次放出が確定的となり同国の7月、8月分の債務の繰り延べに目処が立った事から金融市場も大きく反応してきました。

リスク回避バイアスの後退は劇的で、米株を例に取れば先週はDowで5.4%、S&P500で5.6%もの上昇と言う実に2009年7月以来となる大幅上昇を記録しています。

欧州は今後ギリシャに対して85bioEUR規模の追加融資を最終決定する予定ですが、詳細の最終決定が予定されている7月11日までにPrivate Investorsからの30bioEUR規模の自主的な参画が予定通り確保出来るかどうかが次の山場になるでしょう。

市場の一部には早くもギリシャ問題一服後はECBが金融引き締め路線に回帰するのではないかと言う思惑も出始めているのですが、個人的には短絡的とも感じるものの先週は6月のCPIが2.7%とECBがターゲットとしている2%を大きく上回る中で金融市場はギリシャ等周縁国問題を理由に年内のECB利上げ可能性の織込みを70%割れ水準まで落としてきている事を材料にEURのロングメイクに動く勢力もあったようです。

EURの正反対の状況だったのがGBPで非常に弱い動きをしていましたが、BOEのハト派的なバイアスが更に強まっている事もあってGBPは暫く下値を探る展開となる可能性が高そうです。

Big GainnerとなったのがCADでした。カナダのCPIが実に8年振りとなる3.7%にまでJUMPしてしまった事で中央銀行であるBOC幹部からも警戒を強める発言が相次いでいます。BOCのインフレターゲットも2%が上限なので3.7%は放置出来ないと思うのは当然なのですが、年内にも25bpの利上げを2回は行うのではないかと言う思惑が急上昇しています。

それにしても足元のConsplidationは双方向へのSWINGがとても大きいですね。

Top FX Movers Last Week.

最近はRiskのOn-Offが殆ど週替りの攻防となっており、大抵の通貨は相対的な強弱が複数週に跨らずに反転しているような印象です。先週も殆ど前週(先々週)の動きの寄り戻しと言う感じでした。

         通貨ペア   先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)

①CADCHF↑0.8841      0.8418    +423      +4.78%

②AUDCHF↑0.9118      0.8730    +388      +4.26%

③EURCHF↑1.2309       1.1818    +491     +3.99%

④CADJPY↑ 84.25        81.32      +293     +3.48%

⑤NZDCHF↑0.6994      0.6762    +232     +3.32%

⑥USDCAD↓0.9578      0.9880    -302      -3.15%

⑦AUDJPY↑ 86.94        84.31      +263     +3.03%

⑧EURJPY↑ 117.37      114.06     +331     +2.82%

⑨AUDUSD↑1.0763     1.0487     +276     +2.56%

⑩GBPCAD↓1.5388     1.5765     -377      -2.45%

変動率の大きい上位10ペアの内訳は上昇通貨としての登場でCADが4回,AUDが3回,EURが2回でNZDが一度となっています。下落サイドでは前週に最強だったCHFが4回,JPYが3回,USDが2回でGBPが一度登場しています。

値幅も結構大きかったですね。先週はギリシャ問題が短期的なクライマックスを迎えたものの結果的に追加救済措置の目処が立った事からリスク回避バイアスが一気に後退した格好ですね。株式や商品市場の反発も大きくCADやAUDが気を吐く流れとなっています。