米雇用統計明けの動きが注目された先週の金融市場ですが、株式市場の軟調は目を引くものの、IMF・世銀の年次総会などを淡々と消化して全体的には動きの少ない週となりました。
IMFが7月に出した経済見通しを早くも下方修正しました。2012年の世界GDPの伸びを3.5%⇒3.3%に、2013年の伸びを3.9%⇒3.6%に下げています。
世銀も東アジア太平洋地区の成長予測を下方修正し、中国経済の減速の影響は甚大であり、今後も加速するリスクにも言及しました。
更にS&Pがスペインの信用格付をBBB+⇒BBB-に引き下げて、同国の国債をジャンクボンド一歩手前としています。
上述の通り金融市場はこれらの材料を淡々と消化したイメージで、株式市場の軟調以外は為替市場でも特段大きな変動は見られていません。
以下、先週の主要通貨ペアの週次変動です。
通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①EURJPY↓ 101.61 102.51 -90 -0.89%
②GBPAUD↓ 1.5701 1.5836 -135 -0.86%
③AUDCHF↑ 0.9542 0.9462 +80 +0.84%
④GBPJPY↓ 126.00 126.89 -89 -0.71%
⑤CHFJPY↓ 84.04 84.61 -57 -0.68%
⑥EURUSD↓ 1.2956 1.3031 -75 -0.58%
⑦AUDCAD↑ 1.0021 0.9964 +57 +0.57%
⑧AUDNZD↑ 1.2528 1.2459 +69 +0.55%
⑨EURNZD↓ 1.5862 1.5946 -84 -0.53%
⑩EURCAD↓ 1.2691 1.2750 -59 -0.46%
上記通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ AUD(4回),JPY(3回),USD,NZD,CAD
下落通貨 ⇒ EUR(4回),GBP(2回),CHF(2回),CAD,NZD
CAD,NZDはトレンド無しで、一旦AUDが反発に転じたのと株価に連動したクロス円の下落によりJPYが強かったと言うイメージです。下落サイドはやはり欧州通貨が目立っています。値幅は今ひとつですが、方向自体は材料通りといったところでしょうか。