2014年7月14日(月)~7月18日(金)の週次ベースの簡単なReviewです。
1 Key Events.
①英国
・Bloombergエコノミスト調査
⇒34%のエコノミストが2014年内の利上げを予想。
先月の調査では12%だった数字が約3倍に上昇。
⇒依然50%のエコノミストは2015年の第1四半期での
利上げを予想。
・6月CPI⇒+1.9%(予想+1.6%,yoy)。
Core CPIは+2.0%(予想+1.7%,yoy)。
・雇用統計
⇒6月失業保険申請件数は▲36.3千件(予想▲27.1千件、mom)。
⇒5月失業率は6.5%に低下(予想6.5%)。
②欧州圏 / スイス
・ECB Draghi総裁
⇒量的緩和は欧州経済の需要に適合するもの。
⇒2012年以降の回復基調は物価安定に寄与。
⇒EUROの水準は将来のインフレ動向の主要な決定要因。
・ECB Hansson(理事会メンバー。Estonia中銀総裁)
⇒量的緩和は準備する価値有り。政策オプションの拡大は良い事。
⇒ただし現状直ぐに量的緩和を必要とするものではない。
・ECB Nowotny理事
⇒欧州圏は相当期間”New Normal”状態が継続する見込み。
⇒低成長、低インフレ、資産価値劣化、金融機関の低収益の状態。
⇒中銀による資産購入の効果は要検討。
・欧州圏 ZEW Economic Sentiment(経済信頼感)⇒61.8(予想62.3)。
・欧州圏5月貿易収支⇒+eur15.3bioの黒字(予想+eur16.0bio)。
・欧州圏6月CPI⇒+0.5%(予想+0.5%,yoy)。コア+0.8%(予想+0.8%,yoy)。
・独Bundesbank Weidmann総裁
⇒独の状況だけで判断すれば現行の金融政策は
"Too Loose"と言わざるを得ない。
⇒独は欧州のCurrency Unionのメンバーとして
全体の状況に準拠した政策判断を理解。
⇒低金利状態、積極緩和状態の不要の長期化は
回避するべき。
⇒欧州圏の危機は克服過程。各国政府に重い責任。
⇒金融緩和が財政安定ではなく追加出費に使用されるのはリスク。
・独7月ZEW Economic Sentiment(経済信頼感)
⇒27.1(予想30.0)。7ヶ月連続の低下。
⇒Current Situation Gauge(現況指数)⇒61.8(予想67.5)。
・スイス 7月Zew経済信頼感⇒0.1に大幅低下。
・IMF Lagarde総裁
⇒ECBは広範な資産購入に動くべき。
⇒インフレ期待や消費動向の押上効果に。
⇒市場は欧州経済の実態比過大評価をしてくれている。
⇒確固たる回復実現までは緩和状態の維持は必須。
③米国 / カナダ
・米6月小売売上高⇒+0.2%(予想+0.6%,mom)。
Ex-Autoで+0.4%(予想+0.6%,mom)。
・米6月輸入物価指数⇒+0.1%(予想+0.3%,mom)。
・米7月Empire State製造業指数⇒25.6(予想17.2)。
・米6月PPI⇒+0.4%(予想+0.2%,mom)、+1.9%(予想+1.8%,yoy)。
・米6月PPIコア⇒+0.2%(予想+0.2%,mom)、+1.8%(+1.6%,yoy)。
・米5月TICデータ(対米証券投資)⇒+$19.4bio(予想+$25.0bio)。
・米6月鉱工業生産⇒+0.2%(予想+0.3%,mom)。
・米FED Yellen議長の議会証言
⇒依然として高度の緩和的政策の継続が適切。
⇒雇用データの改善を認識も、依然として”SignificantなSlack”が残留。
⇒景気回復継続中。完結は相当先。
⇒雇用の完全回復が早まれば引締め時期も前倒し。
⇒2015年終盤に引締め開始の見通し。
⇒2015年末までにFFレートは1.0%に戻る見通し。
⇒金融政策はMathematicalな運営は危険。
⇒これまでも単純なMathematicalな判断が示唆する以上の緩和が
必要であった。
・米失業保険申請件数
⇒7月12日も週は302千件(予想310千件)。
⇒4週移動平均は309千件で2007年6月来の低水準。
⇒7月5日の週の継続申請者数は2.51百万人。
こちらも2007年6月以降の最低値。
・米6月住宅着工件数⇒893千件(予想1.02百万件)。
・米6月建設許可件数⇒963千件(予想1.04百万件)。
・米 Fed Beige Book
⇒5月半以降6月末まで期間で全12地区で経済活動の拡大を観測。
・加 BOC7月金融政策決定会合
⇒金融政策維持。政策金利1.0%据置き。
⇒インフレ2%到達は予定より早まるも今後数年間は
同水準でのレンジ推移を予想。
⇒世界景気の減速により内景気も若干の減速を見込む。
⇒経済は2016年半ばに"Full Capacity"へ。予定より若干後ずれ。
⇒今後の政策バイアスは中立。
・加6月CPI⇒+2.4%(予想+2.3%、yoy)。コアも+1.8%(予想+1.7%,yoy)。
・加5月卸売売上高⇒+2.2%(予想+0.6%,mom)。
④日本
・日銀7月政策決定会合
⇒金融政策維持。追加緩和示唆せず。
⇒来年中のインフレ2%到達予想も維持。
⇒2014年の成長予想を1.1%から1.0%に引下げ。
⇒2015年、2016年は1.9%と2.1%予想で据置き。
・日銀6月政策決定会合議事録
⇒ウクライナやイラクの地政学リスク上昇を懸念。
⇒回復基調継続と判断。CPI減速は一時的。
⑤豪州 / ニュージーランド
・豪RBA7月会合議事録
⇒メンバー間に先行き不透明感強まる内容。
⇒緩和策が需要創出に寄与。
⇒鉱工業の減速と緊縮財政の影響は未知数。
⇒引き続きAUDの高水準に懸念。
・NZ 第2四半期CPI
⇒+0.3%(予想+0.4%,qoq)、+1.6%(予想+1.8%,yoy)。
⑥中国
・第2四半期GDP⇒+7.5%(予想+7.4%,yoy)。
⑦地政学リスク
・ウクライナ ドネツク地区でマレーシア航空民間機撃墜。
・米国がEUと共同で対露追加制裁を発表。露の国営大企業が対象。
・欧州も露の公共セクターへの新規投資を凍結。
2 金融市場
①株式市場 / 債券市場
・株式市場は安定推移。債券市場は上昇バイアス継続(金利低下)。
・週末に下げるも日経平均は15,215.71円で越週(先週15,164.04円)。
・Dow→$17,100.18、S&P500→$1,978.22、Nasdaq→$4,432.15。
・週次でDowは+0.9%、S&P500は+0.5%、Nasdaqは+0.4%。
・米10年債利回りは2.49%(先週2.52%)。
・米30年債利回りは3.29%(先週3.34%)。
②商品市場
・地政学リスク上昇に神経質な展開。
・原油価格は反転上昇。バレル単価で$103.01で越週(先週$100.73)。
・貴金属は今週小幅に反落。オンス単価で$1,310.34で越週(先週$1,337.76)。
③為替市場
・米ドルは対欧州通貨で堅調に推移。
・地政学リスク上昇により円上昇バイアスは継続。
・受給から101円台Lowはしっかりサポートされて推移。
・指標悪化でNZDが最弱通貨。