2011年7月10日日曜日

Precious metals are back on track.

日米欧が壮大な非伝統的な実験に踏み出す中で貴金属相場が再び注目されてきました。2011年前半の大き目の調整は終了したと言う見方が増えてきましたね。


GOLD DAILY

SILVER DAILY

欧州の周縁国では緊縮財政による生活水準切り下げを要求された格好の有権者達のデモが繰り返され、米国では経済指標の振幅が大きく景気動向も米ドルの方向感も中々定まりません。鍵を握る住宅市場と雇用情勢において前者は低迷を続けており、後者はジキルとハイドの如く市場を煙に巻き続けています。

先週も木曜日のADPの数字は強く、金曜日のNFPは弱いと言う状況でした。

●7/8(木)

6月ADP全国雇用者数(米)21:15
前回 → 3.8万人(修正 +3.6万人)
結果 → +15.7万人

これは予想外に強い結果で金曜日の雇用統計も強い内容が期待されたのですが・・・・

新規失業保険申請件数(米)21:30
前回 → 42.8万件(修正 43.2万件)
結果 → 41.8万件

これも失業保険の申請が減少しているのですからまずまずですね。

●7/9(金)

6月非農業部門雇用者数(米)21:30
前回 → +5.4万人(修正 +2.5万人)
結果 → +1.8万人

6月失業率(米)21:30
前回 → 9.1%
結果 → 9.2%
これではどんでん返しです・・・

結果的に週末もドル売りにはなりませんでしたが、欧州も米国もこのような状況ですので貴金属と為替市場ではCHFやJPYが上昇ポテンシャルに載り始めた可能性が出てきました。

ECB's 2-way theory is under a cloud.

それにしても先進国経済が夫々に行き詰まり感を強めて新興国への期待が強まる中で米国、欧州、日本が夫々違ったアプローチを取ってきた事は興味深いところです。ある意味においてはリスク分散を図りながらの壮大な実験が進行中というところでしょうか。

日本は課題先進国として様々な苦悩を抱えています。人口減少と少子高齢化のトレンドを転換させる有効な手も無いままに天災にも見舞われ、今原発事故への対処と言う重い十字架を背負い始めました。経済的にもバブル崩壊後のデフレ傾向は継続したままであり異例処置だったはずの金融緩和状態も常態化しています。

米国はサブプライムでバブルが弾け、リーマンショックで金融立国の看板も崩壊した後は日本経済の足跡を教科書にしながら、如何に日本の様にならないように日本を真似るかという難しい作戦を展開してきました。日本通のバーナンキFRB議長やガイトナー財務長官がバブル崩壊後に来るのはデフレーションであるという確信から徹底した金融緩和とドル安容認に徹してきたのは日本を熟知しているからとも言えるでしょう。
 現在米国のカードは時間軸であるように見えますが、日本のように量的緩和をダラダラ常態化させない分短期集中的に強烈な緩和を断行してきたと言うのが所謂QE1,QE2までの動きでしょう。

欧州は両睨み作戦を展開してきました。可能であれば美味しいとこ取りをしようという作戦です。ギリシャなど周縁国支には”必要悪”として非伝統的な財政援助や緩和的な資金供給が必要であるとしながらも従前からのインフレファイターとしての仮面も被り続けると言う両面作戦です。今回も利上げを行いましたが資金市場への緩和的な資金供給は継続すると言う'構えを取っています。

ECBはMain Refinancing Rateを25bp引き上げて1.5%としました。2008年3月以来の高水準であり今後の物価上昇圧力次第では追加利上げの可能性も示唆しています。    
 この利上げ後にEURは上昇していますが、週末にかけては反落してしまっています。これは周縁国の財政難リスクが再び表面化し始めていることが背景になっています。

格付会社Moodysはポルトガルの信用格付けをBa2(=ジャンクレベル)に引き下げました。ギリシャの支援策に民間投資家の関与が含まれていることにも強い懸念を示しています。市場にはアイルランドの追加格下げの観測も根強く、先週はポルトガル、アイルランド、ギリシャのCDS(Credit Default Swap)は最高値を更新し、特にポルトガルのCDSの水準は5年後の財政破綻リスクを50%以上とする水準になっています。


 普通はこういう時は利上げ等出来ない訳ですが、今の欧州の両睨み作戦(2-way theory)においては、”それはそれ、これはこれ”という割り切りが起きていると言う事でしょう。


EURUSD DAILY

市場はこの2-way作戦に振り回されていますが、徐々にこの2-wayの状況自体を問題視し始めていると言う気がします。

Top FX Movers Last Week.

先週はECBの利上げ、ポルトガルの格下げ、米雇用統計のネガティブサプライズなど様々な材料がありましたので週内の金融市場は結構なSWING相場となりました。

終わってみれば依然としてSWING相場の継続と言う水準での越週となってますが、冷静に見れば世界中でネガティブなデータや懸念材料が増加している事は否定し難く、夏枯れ相場の可能性よりはVolatilityが上昇していくリスクシナリオも無視出来ないように思います。

為替市場の全体観は以下のようになりました。

  通貨ペア     先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①EURCHF↓ 1.1912   1.2309     -397       -3.33%

②EURNZD↓ 1.7015   1.7548     -533       -3.13%


③EURJPY↓   114.81  117.34     -253       -2.20%


④EURUSD↓ 1.4259   1.4519    -260       -1.82%


⑤EURGBP↓ 0.8875   0.9036    -161       -1.81%


⑥CADCHF↓0.8690   0.8841    -151       -1.74%


⑦EURAUD↓1.3258   1.3469    -211       -1.59%


⑧NZDCAD↑0.8050   0.7922   +128      +1.59%


⑨GBPCHF↓ 1.3413  1.3619    -206       -1.54%


⑩AUDCHF↓0.8984  0.9118   -134       -1.49%

上記の変動率の大きい10通貨ペアの中で上昇サイドでの登場回数はCHF4回,NZD2回でJPY,USD,GBP,AUDが一度ずつと言う結果でした。

下落通貨としての登場回数ですが EUR6回,CAD2回でGBPとAUDが一度ずつでした。

大きな反発を繰り返して市場のショートポジションを繰り返しスクィーズしながらも結局はEURが下落していくと言う大きなシナリオが進行中であるという印象が残ります。

また金曜日の北米時間朝方にに発表された6月の米雇用統計ですが、予想を大きく下回る内容であったものの金曜日の取引に関しては米ドルが大きく売り込まれる展開にはなっていないことがわかります。

終わってみれば、ECBが政策金利を2008年3月以来となる1.5%に引き上げたものの市場はギリシャ、アイルランド、ポルトガルへの懸念を強めてEURを買う動きにはなっていない事、米ドルが雇用統計の不調にも拘らず粘り腰を見せている事、クロス円での円高リスクが感じられる事、商品市場全般としては基調が崩れていない事などが先週の印象でしょうか。

いずれにしても夏枯れ相場突入のリスクは回避された気がします。

2011年7月4日月曜日

Japanese Style.

先般生まれて初めて九州に行きましたが、たまたまかも知れませんが時間調整で入った空港傍の喫茶店のトイレが和式でした。大きい用事ではなかったので助かりましたが、ちょっと驚きました。


夏休みが取れたらどこに行こうかと考えていますが、やはり地方は危険かなと思ったのですが、何と都内でも随分ありますね。最近も都内の白金駅、学芸大前駅のトイレの個室サイドが和式のみだったので驚きました。

私自身ももう何年も和式で用を足していないのですが、子供たちは全く使い方を知らないと言っています。「あー、あのFlatなやつ?」等と言っています。一応使用方法を教えておかないといけませんね。

やはり公衆トイレなどでは便座との接触の無い和式の方を好む人も多いようなので両方あって選べるのが一番良いですね。都内でも和式のみと言うところが意外とあるのには驚きました。

食器でも何でも日本スタイルは大好きですが、個人的にはトイレだけは和式が苦手です。

経済は必ずしもグローバル化しなくても良いと思いますが、トイレはグローバル化して欲しいと思う今日この頃です。

2011年7月3日日曜日

Swinging Consolidation.

前項の通り先週はギリシャ問題が短期的なクライマックスを迎える中でギリシャ議会が無事に78bioEURの緊縮財政案を通過させた事でEUが段階的に実施してきた110bioEURの資金援助の第五次放出が確定的となり同国の7月、8月分の債務の繰り延べに目処が立った事から金融市場も大きく反応してきました。

リスク回避バイアスの後退は劇的で、米株を例に取れば先週はDowで5.4%、S&P500で5.6%もの上昇と言う実に2009年7月以来となる大幅上昇を記録しています。

欧州は今後ギリシャに対して85bioEUR規模の追加融資を最終決定する予定ですが、詳細の最終決定が予定されている7月11日までにPrivate Investorsからの30bioEUR規模の自主的な参画が予定通り確保出来るかどうかが次の山場になるでしょう。

市場の一部には早くもギリシャ問題一服後はECBが金融引き締め路線に回帰するのではないかと言う思惑も出始めているのですが、個人的には短絡的とも感じるものの先週は6月のCPIが2.7%とECBがターゲットとしている2%を大きく上回る中で金融市場はギリシャ等周縁国問題を理由に年内のECB利上げ可能性の織込みを70%割れ水準まで落としてきている事を材料にEURのロングメイクに動く勢力もあったようです。

EURの正反対の状況だったのがGBPで非常に弱い動きをしていましたが、BOEのハト派的なバイアスが更に強まっている事もあってGBPは暫く下値を探る展開となる可能性が高そうです。

Big GainnerとなったのがCADでした。カナダのCPIが実に8年振りとなる3.7%にまでJUMPしてしまった事で中央銀行であるBOC幹部からも警戒を強める発言が相次いでいます。BOCのインフレターゲットも2%が上限なので3.7%は放置出来ないと思うのは当然なのですが、年内にも25bpの利上げを2回は行うのではないかと言う思惑が急上昇しています。

それにしても足元のConsplidationは双方向へのSWINGがとても大きいですね。

Top FX Movers Last Week.

最近はRiskのOn-Offが殆ど週替りの攻防となっており、大抵の通貨は相対的な強弱が複数週に跨らずに反転しているような印象です。先週も殆ど前週(先々週)の動きの寄り戻しと言う感じでした。

         通貨ペア   先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)

①CADCHF↑0.8841      0.8418    +423      +4.78%

②AUDCHF↑0.9118      0.8730    +388      +4.26%

③EURCHF↑1.2309       1.1818    +491     +3.99%

④CADJPY↑ 84.25        81.32      +293     +3.48%

⑤NZDCHF↑0.6994      0.6762    +232     +3.32%

⑥USDCAD↓0.9578      0.9880    -302      -3.15%

⑦AUDJPY↑ 86.94        84.31      +263     +3.03%

⑧EURJPY↑ 117.37      114.06     +331     +2.82%

⑨AUDUSD↑1.0763     1.0487     +276     +2.56%

⑩GBPCAD↓1.5388     1.5765     -377      -2.45%

変動率の大きい上位10ペアの内訳は上昇通貨としての登場でCADが4回,AUDが3回,EURが2回でNZDが一度となっています。下落サイドでは前週に最強だったCHFが4回,JPYが3回,USDが2回でGBPが一度登場しています。

値幅も結構大きかったですね。先週はギリシャ問題が短期的なクライマックスを迎えたものの結果的に追加救済措置の目処が立った事からリスク回避バイアスが一気に後退した格好ですね。株式や商品市場の反発も大きくCADやAUDが気を吐く流れとなっています。