2010年2月28日日曜日

Behind the glory and prosperity....

最近気になっていることの一つに米国のAggressionがあります。

オバマ政権は前Bush政権の高圧的な押し付け外交の結果として米国は世界中に敵を作ってしまったばかりか友人達の一部も失ってしまったと言う反省から政権発足時から対話重視路線を前面に押し出して来ました。

当初は世界中から歓迎されて出だしは順調でした。キューバやベネズエラとの距離も縮まり、ロシアや中国とも軍縮や経済面でも歴史的な合意に達する可能性すら感じたものです。
 しかしこの対話路線は徐々に米国の影響力を削ぎ落とし、やがて中国なども全く言う事を聞かない態度を露骨に示すようになってきました。イランは堂々と核開発を継続し、北朝鮮問題も進展なし、地球温暖化問題などでは中国が新興国を取り纏める形で欧米日の意見に真向から対立してくるという事態に直面し、柔軟な対話路線の見直しと軌道修正を余儀なくされてきたのだと思います。

「舐められて終わる訳には行かない」という発言にもあるとおり、オバマ政権下の米国の攻撃的な態度は過激性すら感じることもあります。台湾への武器売却、ダライラマとの会談などは中国への反撃ですし、日本のメディアはあまり取り上げていませんが最近はイランなどにもかなり危険なシグナルを送りつけています。

所謂TOYOTA問題ですが、この問題も明らかにこの枠組みの中で考えた方が良い問題だと思っています。先週豊田社長が公聴会に招待されていましたが、そもそもこの手の問題で米国の事業を取り仕切る現地の代表ではなく外国の本社から社長を呼びつける(形の上では招待ですが)のは前例のない事だそうです。そもそも外交面でも経済面でも米国の状況が今よりも良ければここまで問題が大きく取り上げられる事は無かった可能性が高いし、また普天間問題などでここまで米国を怒らせていなければTOYOTAに目をつけられることも無かった可能性もあると思います。

昔から米国は、日本と中国が接近することを好まず、歴代政権は親日・反中(主に共和党)か親中・反日(主に民主党)のどちらかのスタンスを踏襲してきました。民主党政権であるオバマ政権は案の定発足当初から親中姿勢を取り、鳩山政権が誕生してからは明確に日本への態度を硬化させてきていました。TOYOTA問題は非常にタイミングも悪かったと言うことになります。

公聴会ですが、私は豊田社長は十分に男気を見せたと思います。一般メディアからの出演要請も積極的に受けて立っていましたが、ラリーキングライブ等にも出演した際には、「この状況を創始者であるあなたの祖父はどう見ていると思うか」などとかなり意地悪な質問も受けていました。
 私だったら、「彼はもうとっくに死んでいるので見ていないだろう」とか「私の祖父はあなたのような人ではなかった」とか言っちゃうと思うのですが、一般メディアまでこうなっちゃうと言うところが米国のどこかおかしい部分ではないでしょうか。そもそもイラク戦争にしてもサブプライム問題にしても米国の場合は車どころか国全体のブレーキが故障していた訳ではないのでしょうか。

この公聴会などを無事に終えて事態が沈静化すると見ていましたが、わざわざ公聴会の後を狙っていたかのように新しい動きが出来ました。米国トヨタの元社員で法務課に勤務していたと思われる米人弁護士が同社に問題を隠蔽する体質があったとメディアや国会議員に告発しているのです。
 この問題は収まりかけた火種に新たな薪をくべる可能性もあり、今後は具体的な問題の隠蔽事例や隠蔽の判断や支持が現地の判断なのか本社の支持だったのかというところが焦点となるリスクがありそうです。

こういう情報を告発する、たれ込む、という行為を笛を鳴らす⇒ blow the whitsle と表現することがあります。告発者、垂れ込み屋という名詞は whistlerです。
 
こういうのは怖いなーと思いながらバンクーバーの冬季オリンピックゲームを見ていたら、関連記事で面白い情報がありました。
 各種アルペン競技の熱狂の舞台となったのが The Whistler Blackcomb Ski Resort というスキー場なのですが、今私がこのBLOGを書いている時点で既に競売にかけられています。Intrawest ULCという開発業者兼所有者がバブル崩壊後の資金繰りの為に2月19日までに売却することになっていたのですが債権者の好意により流石に五輪競技開催中の競売は回避して27日まで延期されていたということです。

こちらのWhistlerが告発(?)しているのは何でしょうか? 私には最悪期は脱したかに見えている世界経済の二番底はまだ先にある・・・・世の中のDe-levrageプロセスはまだまだその課程にあるのだという事実であるような気がしてなりません。

我々は正直に真っ直ぐに生きて行きたいものですね。笛は吹いてもホラ吹くなという感じでしょうか。