2010年6月14日月曜日

Extreme  → Exhaustion → Consolidation

先週の動きは短期的な潮目の変化を感じさせる内容になっています。

欧州諸国の財政問題や民間の債務問題という闇が横たわる状況を考えれば中長期的な大きな潮流は変わり様もない位に深刻だと思いますが、金融市場に関しては一旦テーマ認識が加速度的な普及を見たことで相場観やポジショニングが一方向に偏りすぎた状態が調整され始めたと言うところでしょうか。まさにExtreme  Consolidation というフェーズに入った感じです。

1 Extreme

メジャーなメディア(雑誌、新聞)の表紙や一面は様々な社会現象が取り上げられますが、ここに取り上げられるようになるとそろそろ市場のセンチメント、ポジショニング、トレンドなどは最終段階に来た可能性が高まるとされています。政治、スポーツ、芸能など様々な候補を抑えて金融市場ネタが取り上げられると言う状態はやはりExtremeであるということなのでしょう。そしてここの所まさにそういう現象が起きているのですね。

左はNewsweek誌の表紙で、表題がThe End of The Euro ですね。

右はBusinessweek誌の表紙で、Bearが唸っています。株の下落を取り上げているのですね。

2 Consolidation

上述のようなExtremeな状況から先週の金融市場は小規模な反転を見せました。規模的には本格反転(Reversal)と呼ぶほどではないのですが、今のところは調整(Correction)とか沈静化・保合い(Consolidation)という見方になると思います。

株式市場は結構な反発となりましたが、米国のS&Pで1週間での上昇幅幅が3月来最高幅となっています。

為替市場の週を通したパフォーマンスの上位TOP10を見るとここまで売り込まれていた通貨が買い戻され、買われていた通貨が売られていた事が判ります。

      先週   前週  変化幅(Pips)  変化率(%)

USDCAD  1.0318  1.0624  -306     -2.97%

AUDJPY   77.90  75.64  +226     +2.90%

NZDUSD  0.6896 0.6702 +194 +2.81%

GBPAUD 1.7105 1.7552 -447 -2.61%

CADJPY 88.75 86.45 +230 +2.59%

NZDJPY 63.19 61.59 +160 +2.53%

GBPCAD 1.5011 1.5355 -344 -2.29%

GBPNZD 2.1071 2.1537 -466 -2.21%

AUDCHF 0.9769 0.9562 +207 +2.12%

EURAUD 1.4238 1.4531 -293 -2.06%

全体的なリスク回避バイアスにより震源地の欧州通貨以上に売り込まれていた資源国通貨がしっかり上昇していますね。このあたりは主要国、新興国の株式市場の反発にも呼応した動きであると言えるでしょう。

この動きは基本的には数日レベルではなく、数週間から数ヶ月と言う規模で継続する可能性のある動きだと思われます。株式市場のリリーフラリーがサマーラリーに進展出来るかどうかが当面の味噌と言うところかと思います。