ベアスターンズ傘下のヘッジファンドのうちのハイリスクハイリターン商品であった二つのファンドが事実上無価値になったというニュースは投資元本がゼロになるという究極の投資リスクが実現してしまったと言う出来事でした。
共に今問題となっているSubprimeローンを中心とした組成商品への投資に特化していたファンドなのですが、流石に無価値と言うのはひどい話ですので、早くも一部では98年のLTCM崩壊の時のような大規模な変動が起きるのではないかという話が盛り上がっています。
ヘッジファンド規制という議論にも通じるのですが、要するに情報開示義務の無いヘッジファンドには透明性が欠けるためにこのような極端な状況にならない限り部外者には状況の把握が困難である為、今回事実上破綻した二つのファンドが特別にハイリスクハイリターンを求めて無理をしていただけなのか、或いは同じような破綻予備軍のファンドが沢山あるのかが良くわからないという不透明感が払拭出来ないという状況なのです。
感心したのは、ある人がこの状況を「氷山の一角かトカゲの尻尾かの議論」と表現していた事で今の状況を綺麗に表現出来ていると思いました。
欧州時間が始まると、ロンドンの友人がメールでSubprime問題の事を聞いてきたので、早速上記の例えを使って彼はどちらだと思っているかと言う質問をしたところ面白い回答が来ました。
私が、"We need to figure out if this is a tip of the iceberg or a lizard's tail. What do you say?"
と聞くと彼は、"I would say a tip of a lizard" と返してきました。
”氷山の一角”でも”トカゲの尻尾”でもなく、”トカゲの一角”だというのですが、それだけ見極めが難しいと言う事ですね。
今日の為替市場もゲンナリするような乱高下となっていますが、まさに”トカゲの一角”相場だからではないでしょうか。
この友人とのメールの最後には、このような記述もありました。
The problem is that this kind of aseet is bubbling stew.
You cannot tell what it really tastes like until the very end.
アセット価格のバブルをシチューの沸騰に例えていますが、確かに沸騰したシチューは冷めるまでは食せませんし、冷めたシチューは美味しくないですね。
もっともっと発想力と表現力を高めたくなってきました。