と言うことで、現在為替市場ではAUDに強い上昇モメンタムが出ているのですが、この通貨を扱う上で非常に面白いクロスの一つにAUDNZDがあります。
これはそのAUDNZDのDailyチャートですが、8月から続いてきたベアトレンドが綺麗に上方にブレイクしているのが判ります。
為替市場では暫くの間AUDよりもNZDの方が強く、AUDNZDというクロスで見ると振幅しながら落ちていくと言うベアトレンドになっていました。世界経済がスッキリしない状況下でニュージーランドが7年ぶりに財政黒字となる等、NZD優勢な状況になっていましたが先般の豪州の利上げやAUDと相関の強い金価格の上昇などが追い風となって形勢が逆転してきました。
このクロスには思い出があるのですが、かつて誰もが見ている主要通貨ペアであるドル円、ユーロドル、ユーロ円などに全くトレンドが出ずにVolatilityも帝位安定というつまらない年がありました。多くの市場参加者が為替に関してはパフォーマンスが低調でしたが市場のVolatilityが低いと言うのが共通した言い訳になっていました。
そんな時に米銀の友人からそこのProprietaryデスクで通貨取引でその年に100億円規模の収益を稼いだ人がいると教えて貰いました。よく聞いてみるとまさにこのAUDNZDというクロスの巨大なポジションをずっと転がしていたと言うのです。ほとんど銀行と言うよりはヘッジファンドが持つレベルのサイズであり、一時的には大きくマイナス方向に数字がブレたりもしたようで決して平坦な道のりではなかったようですが結果的には長期に及ぶトレンドをしっかりと持ち切って上述のようなProprietary収益を計上したとの事でした。
There is always a bull market somewhere.
といつも強調しているのはMad Moneyという米国の投資家向けの人気番組のメインキャラクターであり個人投資家のグル的な存在であるJim Cramer氏ですが、まさに通貨市場にも無数のクロスが存在する訳でどこかにトレンドは出ているものなのかもしれないと痛感した事を覚えています。
それ以来このクロスに興味を持つようになりましたが、実際に時として大きなトレンドが出ることがあり個人的にもちょこちょこ手を出すようになりました。
私はかつて結婚してハネムーン先を選ぶ時にも人気のあった豪州を検討し、そこのツアーが満杯だったので隣のニュージーランドにしたという経緯があるのですが、このように多くの人にとってはこの両国は似た者同氏の隣人という認識ではないでしょうか。
しかし正確には似て非なる者同士の隣人というべきで、豪州は工業国、資源国というイメージが強いのに対してニュージーランドは工業というよりも酪農業という印象で資源はあるのですが金や石炭などの価格上昇に敏感に連動するのはAUDなのです。
丁度鳩山首相が国連で大見得を切って話題となった二酸化炭素の排出について豪州は当然工場からの産業排出が主要因なのに対してニュージーランドは何と最大の二酸化炭素廃出要因が家畜のゲップという位の違いがあるのです。これはギャグではなく実際に日本の各商社は家畜のゲップを減らす為に胃薬の入った飼料を開発しては熱心にニュージーランドに売り込む競争を繰り広げています。国策として二酸化炭素排出量の減少に取り組むのは目に見えているからです。
と言うことでAUDNZDの上方モメンタムに注目と言うお話でした。
あまり長く書くとToo much でので、ゲップが出ないうちに終わります。