3月末は2010年の第一四半期の締めに当たる重要な節目であり、本邦勢にとっては2009年会計年度の年度末という節目でもあります。3月のアノマリーとして円高ドル安になり易いと言うのはその為なのですが今年は本邦勢の動向も今ひとつのようで金融市場は主に海外要因で動いていると言う印象です。
海外要因と言うのは主にギリシャ救済問題に揺れる欧州の材料でしたが、ここへ来て急速に台頭してきたのが米国の金利上昇というカードです。
先週は米国で水曜日に5年債、木曜日に7年債の入札がありましたが、水曜日の5年債の入札結果が弱く、その後もダラダラ売られる流れとなったことで最近の金利上昇バイアスが一気に強まった感じです。木曜日の7年債はそれよりは幾分マシでしたがやはり入札後も売られると言う状況は変わりなく市場ではスワップスプレッドがマイナスになる状態(スワップ金利よりも同期間の米債利回りの方が高くなる状態)が大きく注目されました。
このチャートでも米債の利回りが急上昇していることがわかると思います。上から青が30年のモーゲージ金利、赤が当初5年間固定でその後毎年金利を見直すモーゲージ金利(5/1 ARM)、そら色が10年債利回りです。
10年債利回りの急騰が目を引きますが今のところモーゲージ金利(住宅ローン金利)への波及は限定的ですので実体景気が悲鳴を上げる事態にはなっていませんが長期買うすると影響拡大は不可避であり、先週後半はこの懸念を織り込む形で引けにかけて米株市場が日中の上昇を全戻しして引けるという不穏な動きもありました。
今のところ総合的に見ると米金利上昇は為替市場の米ドル支援材料となっています。元々欧州混乱でドルは強かったのですが、先週は米ドルと同様に対欧州通貨で上昇していた円が売り込まれる動きがあり、その引き金となったのも今回のドル金利の上昇でした。
USDJPY DAILY
入札結果への感応度が明白ですね。最後に地味な陰線を出しているのが金曜日ですが、その前の2本の大陽線は5年債、7年債の入札の悪かった水曜日、木曜日です。90円当たりでふらついていたドル円は一気に93円を目指す動きとなりました。
円安の動きの継続性はここからの大きな注目点です。
特に海外勢は円に対して非常にベアですね・・・・