2010年3月22日月曜日

Well-Tuned EIGO. : A victim of its own success.

ある欧州系の金融機関との面談の中で、数字が出ていただけに従来のやり方に安住してしまい、その結果システム投資等のリソース拡充で後手に回ったという話の中で、彼らが自分たちのことを
"We were a victim of our own success"
と表現していたのですが、この a victim of its own success というのは自分の足元も含めて色々なものに当てはまるように思います。

サブプライム問題などに関してある米銀のCEOが、やりすぎだとは思ったが音楽が鳴り続けている間は踊り続けるしかなかったという発言をしていたのも同じ事だと思います。

今の欧州の問題、そもそもがグローバル資本主義も歴史上の様々なバブルも全てそういうことなのでしょうか。

「仲間だと思ったけど、助けてくれないのならIMFに相談するぞ。それはお前らの挫折にもなるんじゃないの?」と言って独仏を揺さ振り始めたギリシャは完全に逆切れ状態だと思うし、同国の惨状を見て前倒しで財政再建策を実施し始めた他の問題候補の国々(PIIGS)で軒並み与党が支持率を急低下させていると言う危険な状況を見ていると欧州連合や単一通貨EUROというものも自身の過去の成功の犠牲者になりかけていると言う見方も出来るのではないでしょうか。

文化発祥の地として成熟した先進国のモデルとなるような高福祉、充実した老後を実現したかに思えたギリシャは世界中から賞賛や羨みを受けた公務員の52歳定年や高額年金が故に財政を破綻させ、それを維持するが故に同じ公務員が67歳定年制となっているドイツ国民の世論が救済に反対すると言う図式には無理もないという思いもあります。最近では領収書やレシートは発行せずに消費税分の10%を値引きした商取引が横行しており、売り手にも消費者にも全く罪の意識もないという状況が報道されていましたが、ここまで来るとドイツの言い分も尤もだと言う気にもなります。

失敗は成功のもと・・・・と言いますが、成功は失敗のもとにもなりうると言う事を改めて痛感します。