テクニカル分析の世界では日本の発明であるロウソク足は世界標準の一つとなっており、元々米相場の予測に使用され始めたコンセプトに欧米勢も様々なコンセプトを付加しています。一目均衡表なども注目度は上昇していますがやや概念が複雑な為かロウソク足ほどの市民権は得ていないようです。
さて、ロウソク足には一本のロウソクの形状を見る場合と数本のロウソクの束を分析する場合などがありますが前者の注目点の一つに髭が長くて実体部分が小さいものが出てきたら要注意と言うものがあります。小さい実体部分に縦に長いヒゲが刺さったような感じになるのでハンマーなどと呼ばれることもありますが、私はぱっと見た感じからDragnfly(トンボ)と呼んでいます。
週末には週次のチャートを色々見るのですが、丁度今注目度の高い欧州通貨のチャートでこの状態が沢山出ていることに注目しています。
ちょっと見てみましょう。
先ずはEURUSDの週次チャート。もう4週間もこの状態で、トンボが4匹並んでいます。
EURUSD WEEKLY
USDCHFでもやはりトンボが4匹で短いながら実体部分が陰線なので赤トンボとなりました。
USDCHF WEEKLY
GBPUSDでは尻尾の長い赤とんぼ。
GBPUSD WEEKLY
EURGBPのクロスでも出ています。
EURGBP WEEKLY
EURCHFはSNBのゲリラ介入で怪我人も多く、赤十字と言う感じですね。
EURCHF WEEKLY
上ヒゲ、下ヒゲが長くなると言うことは週内での高値も安値も騙しだったという事です。また実体部分が短いと言うことは始値と終値が同水準で結局トレンドは出ていない気迷い相場になっていると言うことなのですが、このトンボ君はレンジ相場であればトレンドが出る直前、トレンドが出ている時であればトレンドの小休止或いは反転前の踊り場で出ることが多く、トンボ君を見つけるとその後に直近の高値や安値をBreakした方に仕掛けていくと大きな波に乗れることがあります。
チリで地震が起こると日本にも津波が来るように、今ここにいる蝶の羽ばたきが起こした微細な空気の動きが地球の裏側でハリケーンや台風にまで発展することもあると言うのが有名なバタフライ効果ですが、チャートの世界ではトンボ(Dragonfly)も相当な注意信号であるということになります。
大相場を正確に予見できれば連戦連勝でしょう。トンボのメガネが欲しいと感じる今日この頃ですね。