2011年1月17日月曜日

EUR made an unusually strong statement.

先週のEURの得俵からのがぶり寄り⇒押し出しというような反発ですが、先にも書いたとおり色々な要因が背景になっています。

EURUSD DAILY : 先週は5連続陽線で大復活!!




1 週央のポルトガル国債の1.25biliionEURの大規模入札は期限が2014年と2020年の物でした。ともに良好な買い手が付いて2014年物は5.396%、2020年物は6.716%の平均利回りという応札結果になりました。この2020年物の長期のほうが7%を越えるのではないかというのが評価の分かれ目になっていたので十分及第点だったと思われます。因みに海外からの買い手は全体の80%でした。

2 スペインも同様で週末に5年債の入札をこちらは3bioEURという規模で行いましたが、平均応札利回りは4.542%と高めとなりましたがセカンダリー市場で取引されている4.6%水準と言う同国のレベルを下回る内容で無難な結果だったと言えます。

3 EFSF(European Financial Stability Facility)という欧州財政安定化の取り組みがあり、今週初には欧州蔵相会議でこの取り組みの規模の拡大が議論される予定です。ギリシャやアイルランドなどの救済を目的に欧州共同債のようなものも発行していくと言う事で、当初は国内世論で反対意見が強かったドイツの参加表明や日本が外貨準備の運用の多様化にも資するという事で投資の意向を表明するなどの動きもあり、全てがEURの押し上げ要因となりました。もともと中国も周辺国の国債を個別に購入していく方針ですので欧州内の取り組みに極東から日本と中国のサポートも加わったと言う事です。

4 これまで上昇するばかりだったCHFを牽制するべく遂にスイス中銀(SNB)が強い懸念を表明しました。SNBのVice PresidentであるThomas Jordanが、欧州連合への不安からCHFに資金が流入している事態をスイス経済に対する"Extraordinary Challenge"であるとして欧州各国に問題解決への一層の自助努力を要請しました。

5 ECBは当然金融政策は変えませんでしたが、先月のインフレーションはECBのターゲットレベルである2%を超える2.2%であった事に強い懸念を表明し、トリシェ総裁が過去の金融混乱時における物価上昇に対して金融引き締めで対抗した例があることを強調する発言をした事から欧州債Euriborの短期ゾーンに怒涛の売りが入り金利が急上昇しました。先週終盤にかけてのEURの調整なき続伸に次ぐ続伸はこの短期金利要因が大きいと思われます。

EURは結局、下落時に加速ポイントとなった200日移動平均線を回復し、直近の1.3434から1.2859までの下落の50%、61.8%、そして遂には100%以上の戻しを達成した後に小幅に反落して1.33台後半で越週した格好です。(金曜日の高値は1.3458)

EURは果たしてこのモメンタムを維持できるのでしょうか?