日本では相変わらず福島~茨城あたりを震源とする震度6レベルの余震が続いており、東京でも震度3~4程度の揺れを記録する事が珍しくないのですが福島第一原発の状況とともに世の中全体が少しずつ落ち着きを取り戻してきているように感じます。同原発の事故の深刻度が1986年のチェルノブイリ原発の事故と同じ最高ランクのランク7にまで引き上げられましたが、現在までの放射性物質の放出量はチェルノブイリの10%未満であり、今でも様々な対策が進行中ということで特に国内では冷静な反応になっています。(海外勢は少しリスク回避とレパトリ想定の円買いをしていますが)
日常生活でも過剰な自粛ムードは後退しており、少しずつ社会生活も正常化に向かい始めていますが被災地の状況は中々一朝一夕に大幅に改善出来るものでもなく、忸怩たる思いで心からエールを送る日々です。
金融市場のほうでも先週は総じて落ち着いた展開が目立つ感じで、各市場が調整だのConsolidationだのという表現で総括される展開が多かったと思います。
為替動向としては、材料になったのが以下のような事柄だったと思います。
1 前述の原発事故の評価ランク引き上げがリスク回避バイアスの上昇とレパトリ予想の円
買いを招いた事。
2 ギリシャの債務問題が再び注目された事。
3 IMFがアイルランドを2段階格下げし、BB(ジャンク)よりも一つ上のBaa3とした事。
4 BOCの金利据え置き
5 中国の第一四半期GDPが+9.7%(年率)と好調だったが3月のCPIが+5.4%と32ヶ月振り高
水準で当局の一連の引き締め努力にも拘らずインフレ懸念が再上昇した事。
結果的に先週の主要通貨ペアの変動率上位10は以下のようになりました。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①EURNZD↓1.8033 1.8495 -462 -2.56%
②GBPNZD↓2.0404 2.0917 -513 -2.51%
③NZDCAD↑0.7665 0.7473 +192 +2.50%
④CADJPY↓ 86.59 88.67 -208 -2.40%
⑤EURJPY↓119.92 122.75 -283 -2.36%
⑥GBPJPY↓135.68 138.82 -314 -2.31%
⑦AUDNZD↓1.3210 1.3491 -281 -2.13%
⑧NZDUSD↑0.7990 0.7824 +166 +2.08%
⑨CADCHF↓0.9294 0.9480 -186 -2.00%
⑩USDJPY↓ 83.11 84.75 -164 -1.97%
上昇サイドで登場したのはNZD5回,JPY4回,CHF1回でした。下落サイドではGBP2回,CAD3回,USD2回、AUD1回となっています。
調整的な展開の中で無人の野を行く展開を続けていたAUDも一服と言う感じで、強かったのはNZDとJPYと言う展開でした。
株式、商品などは為替ほど調整的な動きにはなっておらず、先週の動きが小休止的なモメンタム調整なのか実はかなりの悪材料も出ているEURなどが反転下落する展開となるのかは今週以降の注目点となります。