米S&P500 |
中国の貿易統計が振るわなかった事もあって、短期的なリスク回避バイアスが上昇していますが、より大きな中長期トレンドに対する警戒感も大きく上昇し始めているようです。
ここ数週間で強く実感しているのですが、日欧米のG3経済の縮小を補う経済拡大が中国など新興国経済で起こり続けると言うDe-coupling論が後退して、新興国までもが減速する事で世界経済が縮小すると言うRe-coupmling論が再台頭しています。
現時点でも米Wall街などのメインシナリオは中国のSoft-landingであり、世界景気のDe-couplingだと思いますが、中国がかつての日本のように融資の総量規制的なインフレ抑制に動き始めている事が資産市場の先行きや中国経済のOver-killリスクを連想させていると言う状況です。
これをうけて最近の株式市場は”待った無し”という状況になってきました。
チャートを添付したS&P500以上に下げ足が速いのがNadsaqで金曜日の段階で2011年度のパフォーマンスがNegativeになってしまいました。比較的粘っているDowの6週間連続陰線も2002年以来の事です。
ちょっと心配なのは最近のアジア時間の値動きのパターンなのですが、海外株が下げても日経平均などが粘り腰を見せて前日比プラスで推移していてもやがて上海市場が開いて株価が下げ始めてしまい結局アジア株全般が失速すると言う展開も目立っています。
株価は短期的にはOversold状態だと思いますが、今週前半の反発があるかどうか、有った場合でもどの程度の値幅と持続力を示せるかが非常に重要です。これが弱いなら株価の下落は加速リスクに晒される事になり、為替市場にも円高、ドル高、ユーロ安、豪ドル安というバイアスを強める事になると思います。