最近は欧州の周縁国ソブリン問題や世界経済動向を巡る楽観と悲観が殆ど週替りで一進一退を続けているような相場展開なのですが、先週も後半から終盤にかけて悲観的な材料がより大きく注目される展開になりました。
欧州周縁国ソブリン問題においては、ギリシャ救済の経済的負担を誰がどれだけ背負うのかと言う議論の中で個人投資家にも一定の負担を求めるのかどうかという点について当局者からバラバラの発言が出ている事や木曜日のECBの政策金利決定会合において7月利上げのMagic Wordとなる"Vigiance"という文言が使用されていたものの今後のインフレ見通しが予想以上にTameなものであった事でユーロは大き目の反落をしています。
一方欧州とは対照的だったのがニュージーランドでした。中央銀行(RBNZ)が今後の引き締めサイクル入りを強く示唆する声明を出した事からNZDが大きく上昇しており、先週のBig Gainerになっています。
では先週の動きをランキングで並べてみましょう。
通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①GBPNZD↓1.9397 2.0126 -729 -3.76%
②EURNZD↓1.7196 1.7929 -733 -4.26%
③AUDNZD↓1.2820 1.3128 -308 -2.40%
④EURJPY↓ 115.16 117.47 -231 -2.01%
⑤EURUSD↓ 1.4349 1.4630 -281 -1.96%
⑥NZDCHF↑ 0.6920 0.6796 +124 +1.79%
⑦EURCAD↓ 1.4057 1.4301 -244 -1.74%
⑧AUDJPY↓ 84.53 85.99 -146 -1.73%
⑨AUDUSD↓1.0534 1.0713 -179 -1.70%
⑩AUDCAD↓1.0319 1.0471 -152 -1.47%
上昇サイドでの登場回数は上述通りBig GainerとなったNZDが4回であとはJPY,USD,CADが2回ずつ登場しています。
下落サイドは政策金利決定会合が事前予想ほどHawkishではなった事でEURとAUDが大きく負け越しており4回ずつ登場しており後の2回は GBPとCHFという欧州通貨が登場しています。
結局世の中、懸念されるほどのインフレ圧力は無いのではないか・・・という展開になっており、一時は大きくインフレ派が盛り返していた世界経済に関するインフレvs デフレという図式にも影響を与えそうな動きになっています。