先週の金融市場は物凄い値動きでしたので市場参加者はかなりドラスティックに明暗が二分されているイメージです。
とにかくEventが盛り沢山でしたが、やはり後述するSNBの驚愕の政策変更のような予定されていなかった事象が持つインパクトの大きさに改めて驚かされる展開でした。
ざっくりReviewします。
1 ECBにおけるトリシェ総裁の会見が注目を集めました。これまで周縁国債務問題等にもめげずにEURを支えてきたインフレ警戒のスタンスが消滅して中立からややデフレ警戒とも取れるようなスタンスへの変更が確認された事でEURの下支えが一つ消滅しました。またECBの主要メンバーでありECBによる周縁国の国債購入反対の急先鋒だったStark氏の突然の辞任も多くの憶測を呼びましたがECBのバランスシートの質的悪化を伴う拡大が実施される方向が確認されたとの解釈が広がりました。
2 SNB(スイス中銀)が突如CHFの対EURの交換レートに上値制限を設定すると発表して即日実施に踏み切りました。これによりEURCHFは1.1近辺から瞬時にSNBが設定したEURCHFの下限1.20を突破して1.2190まで急騰して市場は大混乱となりました。
3 Obama大統領が雇用促進策を発表しました。総額がUSD447bioにも及ぶ大規模なものですが、新規雇用、特に中小企業による休職期間が6ヶ月以上になる求職者の雇用や退役軍人の雇用などに税制優遇を適用すると言う内容でした。今のところ市場は大きく反応していないようです。
全体的には、1でEUR売り、ドル買い、2でEUR買い、CHF売り、USD買い、3でややドル買いというイメージでしょうか。以下の主要通貨ペアの変動ランキングもこれを反映した動きになりました。
通貨ペア ↑↓先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①CHFJPY↓ 87.69 97.38 -969 -11.05%
②USDCHF↑0.8830 0.7881 +949 +10.75%
③CADCHF↑0.8849 0.7998 +851 +9.62%
④AUDCHF↑0.9239 0.8390 +849 +9.19%
⑤GBPCHF↑1.4015 1.2781 +1234 +8.80%
⑥NZDCHF↑0.7251 0.6683 +568 +7.83%
⑦EURCHF↑1.2064 1.1193 +871 +7.22%
⑧EURUSD↓1.3650 1.4203 -553 -4.05%
⑨NZDUSD↓0.8212 0.8477 -265 -3.23%
⑩EURCAD↓1.3584 1.3989 -405 -2.98%
上昇サイドでの登場回数はUSDが3回,CADが2回,JPY,AUD,GBP,NZD,EURが一度ずつでした。
下落サイドの登場通貨は、CHFが7回,EURが2回,NZDが1回でした。
何かが上昇したと言うよりも兎に角CHFとEURが下落したと言う週だったと言えそうです。