先週は前半から株式市場なども持ち直す展開に投資家センチの改善が指摘されていましたが、欧州債務問題の再燃と期待を裏切る米国雇用統計を受けて終盤に崩れる悪い展開となりました。結局多くの株式市場が週足では陰線引けとなりました。
木曜日にギリシャ政府から総額100bioユーロの救済スキームの条件となっている財政赤字削減目標を達成出来ないと言う話が出てきた事で急に市場の雲行きが怪しくなったのですが、慌てた独仏やIMFがギリシャに10日間の猶予を与えて体制の立て直しを準備させて9月15日から具体的な議論を再開すると言う事でお茶を濁していますが、これを受けてギリシャ国債の2年物の利回りは一時47%台という水準に跳ね上がりました。
金曜日は米国の雇用統計でしたが、こちらも予想を裏切る内容となりリスク回避バイアスに火をつける結果となりました。
8月のNFP(非農業部門雇用者数)は+9万人の予想に対して±0となり、前回発表の7月分も発表されていた+11.7万人を+8.5万人に下方修正し、どさくさに紛れて(?)6月分まで+4.6万人から+2.0万人に落としています。8月の失業率は9.1%で横ばいでした。
主要通貨の動向も日替わりレンジのようでしたが、終わってみれば週足ベースでは以下の通りリスク回避色の強まる流れで終わっています。
通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①GBPCHF↓ 1.2781 1.3189 -408 -3.19%
②EURNZD↓ 1.6743 1.7232 -489 -2.92%
③EURAUD↓ 1.3342 1.3707 -365 -2.74%
④CADCHF↓ 0.7998 0.8203 -205 -2.56%
⑤CHFJPY↑ 97.38 95.01 +237 +2.43%
⑥USDCHF↓ 0.7881 0.8059 -178 -2.26%
⑦EURUSD↓ 1.4203 1.4497 -294 -2.07%
⑧EURJPY↓ 109.05 111.12 -207 -1.90%
⑨GBPNZD↓ 1.9116 1.9469 -353 -1.85%
⑩EURCAD↓ 1.3989 1.4213 -224 -1.60%
上昇サイドでの登場回数はCHFが4回,NZDが2回でAUD,USD,JPY,CADが1回ずつでした。
下落サイドでの登場回数はGBPが2回,EURが5回でCAD,JPY,USDが1回ずつでした。
USDとJPYは両サイドで1回ずつ登場しており、全体としてはレンジで横ばいと言う流れだった事が判るでしょう。SNBの沈黙もあって安全資産としてのCHFが復権過程にあるようです。下落サイドではやはりEURですね。変動の大きい10ペアのうち半分の5ペアがEURの下落でした。
9月もやはり欧州、米国に目が行きますね。欧州も時間稼ぎしか出来ていないし、米国はこの雇用統計を受けて20日からのFOMCでQE3の話が出る可能性も出てきたと指摘されていますが、実際に1日の予定を2日間に延長すると言う発表がありましたので余計に思惑が先行している状態です。