先週は月末・月初の需給要因や米雇用統計などの材料が注目されましたが、今回も市場を大きく動かしたのは突発的なイベントでした。
経済指標や中央銀行の政策決定会合のような予定されていたイベントに対しては事前予想比の良し悪しが材料になりますが、突発的な事象に対しては市場参加者に備えが無かった分イベントそのものに大きく反応するということになります。
今回のイベントは11月30日(水)に起きた次の2つの事象でした。
(1)欧州懸念により欧米の銀行を中心にドルの資金調達が困難になってきていた事を受けて、日本・米国・EU・英国・スイス・カナダの主要な6つの中央銀行が協力して資金繰りを 助けると発表しました。
(2)中国が金融引締めから金融緩和に転換し、預金準備率の引き下げを発表しました。
この動きを受けてそれまではリスク回避方向に動いてきた金融市場が一気に反転する流れになりました。更に金曜日の米雇用統計でも11月の雇用情勢に改善の兆しが読み取れる内容であったために週半ばからの流れを断ち切ることなく越週しています。
週末には改めて複数の格付け機関がスペイン格下げを準備しているとの噂やイスラエルとイランの緊張等が伝えられており、最後は少々楽観ムードにも調整的なバイアスが掛かりましたが、どうやら年内は大きな危機は回避された可能性が高まっていると思います。
主要通貨ペアの動向を整理しておきます。
通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDJPY↑ 60.59 57.42 +317 +5.23%
②AUDJPY↑ 79.59 75.45 +414 +5.20%
③NZDUSD↑ 0.7773 0.7390 +383 +4.93%
④AUDUSD↑ 1.0210 0.9708 +502 +4.92%
⑤GBPNZD↓ 2.0020 2.0864 -844 -4.22%
⑥GBPAUD↓ 1.5261 1.5892 -631 -4.13%
⑦NZDCHF↑ 0.7151 0.6866 +285 +3.99%
⑧EURNZD↓ 1.7216 1.7891 -675 -3.92%
⑨AUDCHF↑ 0.9395 0.9030 +365 +3.89%
⑩EURAUD↓ 1.3122 1.3623 -501 -3.82%
上昇サイドでの登場はNZDとAUDのみで、回数も5回ずつでした。
下落サイドはJPY,USD,GBP,CHF,EURが2回ずつ。
要するに変動上位10ペアは全て南半球クロスの上昇であり、NZDとAUDが他の主要通貨に対してタンデムに上昇したと言う動きでした。