先週前半は、格付機関Fitchが2012年中のフランス国債の格下げは無いと言う見通しを示した事でEURが反発し、当分世の中が混乱しない見通しとなったことから株式市場なども堅調な動きとなっていました。
これが奇しくも13日の金曜日のBlack Fridayに発表された別の格付機関S&Pによる欧州9カ国の格下げにより市場の流れは大きく転換する羽目になりました。以下に内訳を整理しますが、こちらはフランスの格下げを含んだ内容であり、更なる警鐘として欧州14カ国の見通しをネガティブとしています。
フランス :AAA → AA+(1段階の格下げ)
オーストリア:AAA → AA+( 〃 )
スロベニア :AA- → A+( 〃 )
スロバキア :A+ → A( 〃 )
マルタ :A → A-( 〃 )
イタリア :A → BBB+(2段階の格下げ)
スペイン :AA- → A( 〃 )
キプロス :BBB → BB+( 〃 )
ポルトガル:BBB- → BB( 〃 )
フランスとオーストリアは最上位のAAAから陥落、キプロスとポルトガルは"投機的水準"という扱いになります。(ドイツ・オランダ・ルクセンブルク・フィンランドはAAAを維持しました。)
因みに他の主要国は
米国 :AA+
日本 :AA-
中国 :AA-
英国 :AAA
ギリシャ:CC
という状況ですが、財政的には余裕のある国は無いと言って良いので、格付機関による突然の格下げにより、ネガティブセンチメントが何時何処に飛び火するか全くわからない状況です。
兎に角、特に欧州にとっては記録に残るBlack Fridayとなりました。