それとは対照的に各方面から絶賛されていたのがSNB(スイス中銀)による為替介入でした。自国通貨CHFのEURに対する容認可能最高値を明示して一気に相場を転換させた手腕は喝采を浴びたものです。
一部では、SNBのHildebrand総裁がヘッジファンドマネージャーであったという前歴を生かして見事な手際で市場とコミュニケーションを取った事が成功の背景であると言う評価も出ていました。
ところが、このHildebrand総裁の夫人が大規模介入の3週間前から個人投資としてCHF売りのポジションを取って介入後のCHF下落によって日本円換算で1000万円弱程度の収益を得ていたと言う事実が表面化したことでちょっとしたスキャンダルとなり、結局は総裁が辞任すると言う結果となりました。
総裁は夫人の行動はあくまでも個人投資であり、介入の計画を共有していた事は無いとし、SNBも総裁辞任に関係なく為替政策の方針は不変であると言う声明を出しています。
しかし市場はそんなSNBの決意を試すかのように対EURでのCHF買いを継続中であり、EURCHFのクロスレートは介入時にSNBが死守すると明言した1.20水準を視野に入れ始めたようです。
EURCHF⇒続落中で1.20を視野に! |
今週にも1.20水準の攻防が有り得ますが、SNBが下落を放置するようなケースではEURの急落に拍車が掛かる可能性がありそうで、その場合はEURUSDもEURJPYも一気に走るかもしれません。
RetailのFXトレーダーと言えば今では世界中に無数にいる訳ですが、日本の主婦達も相当参入していた時代があり(円キャリートレード全盛時でしたね)、着物トレーダーなどと言われていました。
SNBの総裁夫人は、やはりヘッジファンド出身者ですが、並みの着物トレーダーよりも余程凄腕だったと言うことでしょうか。