2014年6月9日(月)~6月13日(金)の週の簡単なReviewです。
1. Key Events.
①欧州圏 / スイス
・欧州圏6月Sentix投資家信頼感
⇒8.5(予想13.3)。2014年最低値。
・ECB Liikanen理事(フィンランド中銀総裁)
⇒低インフレの長期化の悪影響を懸念。
⇒先週の緩和はECBの決意と行動力の証左。
・ECB Makuch理事(スロバキア中銀総裁)
⇒ECBは必要あらば追加緩和余地あり。
・ECB Mersch専務理事
⇒ABSの購入も有効な実体経済への資金供給手段。
現在のような長期低インフレ環境でこそ有効。
・ECB月例報告
⇒喫緊のデフレ兆候は無い。
⇒複数の国で価格調整が進行中もデフレ要因ではない。
・欧州圏4月鉱工業生産⇒+0.8%(予想+0.5%,mom)。
・独5月卸売物価指数⇒▲0.1%(予想+0.3%,mom)。
・独5月CPI⇒+0.9%(予想+0.9%,yoy)。
・スイス5月失業率⇒3.2%(unch)。
・スイス4月小売売上高⇒+0.4%(yoy)。
②英国
・4月鉱工業生産⇒+0.4%(mom),+3.0%(yoy)。
年率は2011年以降で最速の上昇ペース。
・4月製造業生産⇒+0.4%(mom),+4.4%(yoy)。
・英財務省⇒長期的な経済政策が順調に機能。
成果の出ている政策の着実な継続が重要。
・4月失業率⇒6.6%に低下(予想6.7%)。
・BOE Carney総裁
⇒引締めの開始時期に関する憶測が出回っているが、市場の
予想より早期の実施となる可能性あり。
③米国 / カナダ
・米5月小売売上高
⇒+0.3%(予想+0.6%,mom)。
Ex-Autoで+0.1%(予想+0.4%,mom)。
・米失業保険申請件数⇒6月7日の週は317千件(予想309千件)。
・米5月輸入物価指数⇒+0.1%(予想+0.2%,mom)。
・米5月PPI⇒+2.0%(予想+2.4%,yoy)。
コアPPIも+2.0%(予想+2.3%,yoy)。
・加5月住宅着工⇒198千件(予想185千件)。
・加4月製造業出荷指数⇒▲0.1%(mom)。
④日本
・第1四半期GDP
⇒+1.6%に上方修正(予想+1.4%,qoq)。2.5年ぶり高水準。
⇒消費増税前の駆け込み民間消費が+2.3%と牽引。
⇒民間企業設備投資も4.9%から7.6%に大幅上昇修正。
・5月消費者信頼感⇒39.3(予想37.6)。
・4月経常収支
⇒+1874億円の黒字。黒字は3ヶ月連続。
⇒前年同月比では▲76.1%。
⇒貿易収支は▲7082億円の赤字。
1996年以降4月の赤字額としては最大。
・4月第三次産業活動指数⇒▲5.4%
・4月鉱工業生産⇒▲2.5%から▲2.8%に下方修正(mom)。
・日銀政策決定会合⇒全会一致で金融政策維持。
・日銀 黒田総裁⇒経済は概ね想定内の推移。
インフレ目標2%達成前のQQE の終了は無い。
⑤中国
・5月貿易収支⇒+$35.9bioの黒字(予想+$22.6bio)。
・IMF⇒中国は2014年の成長目標を7%にするべき。
⇒中国は景気刺激ではなく構造改革に注力を。
・5月CPI⇒+2.5%(予想+2.4%,yoy)。
・5月PPI⇒▲1.4%(予想▲1.5%,yoy)。
・5月鉱工業生産⇒+8.8%(予想+8.8%,yoy)。
・5月小売売上高⇒+12.5%(予想+12.2%,yoy)。
⑥豪州 / ニュージーランド
・豪4月住宅ローン実行額⇒±0(予想+0.2%)。
・豪5月NABビジネス信頼感⇒7(unch)。
・豪6月Westpac消費者信頼感⇒+0.2%。
・豪5月雇用統計⇒就業者▲4.8千人(予想+10千人)。
失業率は5.8%で横ばい。
・NZ中銀(RBNZ)政策決定会合
⇒2015年3度目乗り上げ。OCRを3.00%から3.25%へ。
⇒インフレ圧力の上昇を予想。
⇒物価上昇の抑制と金利水準の適正化が肝要。
・NZ中銀 Wheeler総裁
⇒将来の予想は不確定要素が大きい。
⇒中銀としてはNZDの低下と長期金利の上昇が望ましい。
2 金融市場
①株式市場 / 債券市場
・全体観は株式市場下落+債券市場堅調の図式。
・日経平均は日銀の景気楽観モードにより横ばい水準。
金曜終値は15,097.84円(先週15,077.24円)。
・Dow→$16,775.55,S&P500→$1,936.10,Nasdaq→$4,310.65
・週次ベースでDow▲0.9%,S&P500▲0.7%,Nasdaq▲0.25%。
・米10年債利回りは2.60%(先週2.60%)。
・米30年債利回りは3.41%(先週3.44%)。
②商品市場
・中東情勢懸念等によりエネルギー関連に上昇バイアス。
・貴金属も反発モード維持。
・原油価格はバレル単価で$106.80(先週$102.76)。
・金価格はオンス単価で$1,276.64(先週$1,252.99)。
③為替市場
・金利要因がメインドライバー。
利上げのあったNZDが最強通貨。
利上げ時期の前倒し観測でGBPも上昇。
GBPは対EURで19ヶ月ぶり高値水準へ。
・コモディティ市場堅調を受けたコモディティ通貨も堅調。
・ドル円はレンジ継続。101円台は固く102円台は重い。