2012年9月16日日曜日

And JPY Heard Him Right?

前項でも触れていますが、今回のQE3の購入対象がモーゲージ債だったことから米国債の長期ゾーンに売りが入り、長期金利が上昇しています。為替市場では円高圧力が後退しており、ドル円の反発にも米国の長期金利上昇が一役買っているという見方もあります。

実際には複合的な要因のはずではありますが、この日米長期金利差が持続的な拡大傾向を強めるならば、円の上昇圧力が減少するのは事実でしょう。
USDJPY DAILY ⇒ 円高圧力後退へ?











米ドルは、このように対円では反発しながら英国ポンドやユーロ、スイスフラン等に対しては随分下落しているので、結果としてこれらの通貨が対円で随分と大きい上昇を記録しています。
EURJPY DAILY ⇒ 大上伸!












GBPJPY DAILY ⇒ GBPも追随











このように、円高圧力に一服感という感じですが、9月は明らかにVolatilityが上昇傾向ですので、どこかで米株市場などに大規模な利益確定売りなどが出てくれば一気にRisk-Offの流れとなる可能性もあれば、米国長期債市場が雪崩的に崩れる展開があれば長期金利上昇などと言っていられませんのでドル円も大反落するリスクも残ります。

取り敢えずはバーナンキ議長がしっかりと仕事をして、JPYもそれを正しく聞きましたと言うところではないでしょうか。

What Bernanke Delivered.

FOMCによるこのタイミングでのQE3発動は歴史的なイベントになるでしょう。

Recapしておくと、ポイントは二つあります。

1 Fed Chairman Ben Bernanke announced a number of policy changes to stimulate the US  
  economy. 
  He initiated purchases of agency mortgage-backed securities, starting Friday at a total of
      US$23B through the end of the month and then at a rate of US$40B per month.

2 This measure put into effect immediately would be good for an open-ended period.
  Buying would continue until the employment market has shown desirable improvement.

1のポイントは、QE3の購入対象が米債ではなくモーゲージ債であるという事。これで米債市場の長期ゾーンに売りが入って長期金利の上昇を引き起こしています。そしてこれがドル円の反発上昇の要因と一つと考えられています。また購入規模は月間$40billionです。

2のポイントは、この措置がOpen-endedである事です。期限を定めていないのです。
 更に、この潜在的に無期限となるオペレーションを終わらせる条件と言うのが今や米国経済の最大の懸案事項となった雇用上情勢に顕著な改善が確認できるまでと言う事になっています。

物価の安定、過度のVolatilityの抑制、国際情勢への配慮・・・・・これらが過去の金融政策決定のパラメータでしたが、今回明確にストレートに雇用情勢を持ってきたことは歴史的なイベントとなったと思う所以です。

また細かい事ですが、上記で、Until the employment market shows desirable improvement.では無く、Until the employment market has shown desirable improvement.としているところも重要で、一定期間持続的な雇用情勢の改善が確認出来て初めて解除すると言う姿勢を明確にしています。

完了形の効能ですね。

The Dead Cat came Back Alive.

いやいや・・・・ユーロの反発は凄いです。

対ドルで1.29レベルまでの戻しは想定内と見ていましたが、1.30を超え、1.31台にまで駆け上がる動きは圧巻でした。
EURUSD DAILY ⇒ トレンド転換との見方も












ユーロの上昇は対円でも実に見事です。100円台回復の後、102円台の攻防にまで戦局を押し戻す大躍進です。
EURJPY DAILY ⇒ 最後に大陽線











その他の主だったユーロクロスも確認しましょう。
EURAUD DAILY ⇒ 調整後にSolidな陽線











EURCAD DAILY ⇒ これも高値引け











9月はヘッジファンド勢も第3四半期の締めに向けてポジションを拡大すると言うよりは既存ポジションの縮小バイアスが強まる時期ですから、この時期の逆襲は従来ポジションの解消バイアスを一気に高めているものと思われます。

Now the Shoe is On the Other Foot?

家の中でも靴を履いている人達なので、英語圏の人達は立場や立居地を靴に例える慣用句を沢山持っています。

立場の逆転、攻守逆転、大どんでん返し・・・と言うような状況を良く The shoe is on the other foot.と表現するのですが、まさに少し前まではユーロが掃いていた靴を米ドルが履いているような展開になりました。

米ドルは対ユーロ以外でも広範な下落を続けているので、米ドルの総合指標であるDXY(ドルインデックス)の立居地を確認しましょう。どんな靴を履いているのか・・・・・ 
DXY(2011年12月~)⇒サポートラインを割り込み?

緩やかな右上がりの帯の中で振幅していたものが、豪快に下抜けしている事が明白です。

もう少し、長い目で、リーマンショックのあった2008年からの動きで確認するとどうでしょうか。
DXY(Since2008~) ⇒ 中期トレンドは横ばい?


市場ではユーロが大幅に下落して米ドルや日本円に上昇圧力が掛かる展開がメインシナリオでしたが、この2週間でこのシナリオで積み上がったポジションが一気に解消され、更にユーロが反転してまだまだ上昇するトレンド転換説に基づくポジションも出来始めているようです。

靴は本当に移動したのでしょうか? Is the bearish shoe really on the other foot now?

Stay Tuned.

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

前項の週次の動きに対して、週の需給の最後の調整場となる金曜日北米市場の最後の4時間の攻防を確認します。

 通貨ペア ↑↓ 終値    始値    変動(pips) 変動(%)
①NZDCHF↓   0.7677  0.7697   -20    -0.26%

②EURAUD↑  1.2441  1.2409   +32   +0.26%

③EURNZD↑  1.5838   1.5800  +38   +0.24%

④EURCAD↑  1.2757   1.2727  +30   +0.24%

⑤EURJPY↑   102.89   102.65   +24   +0.23%

⑥AUDCHF↓  0.9780   0.9802    -22    -0.22%

⑦AUDUSD↓  1.0550   1.0573    -23    -0.22%

⑧NZDUSD↓   0.8286  0.8303    -17    -0.21%

⑨CADCHF↓  0.9538   0.9557   -19     -0.20%

⑩USDCAD↑  0.9717   0.9699   +18   +0.19%

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ EUR(4回),CHF(3回),USD(3回)
下落通貨 ⇒ NZD(3回),AUD(3回),CAD(3回),JPY

最後の攻防ではUSDも反発傾向だったわけですが、下落サイドではJPY以上に資源国通貨の不調が目を引きますね。

Top FX Movers Last Week.

注目イベント満載だった先週ですが、欧州では注目されたドイツ最高裁がESM(European Stability Mechanism)に条件付なるも一応の合憲判断を示し、米国でもFOMCで今回は見送るかと思われたQE3を、しかも想定以上に踏み込んだ内容で実施する決定をした事から金融市場でも大きなうねりが見られました。

・株式市場は上伸。
・米国債市場では長期が売られ、長期金利が上昇。
・金、銀の価格が続伸。
・為替市場ではユーロが大幅上昇。
・米ドルは続落となるも、最弱通貨は日本円に。

総括するとそんな感じになるでしょう。細かい考察は別項に譲ります。

さて、主要通貨ペアの週次の変動上位を確認しましょう。

 通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①EURJPY  ↑   102.89       100.24      +265     +2.58%

②EURUSD ↑   1.3128       1.2814      +314     +2.39%

③NZDJPY↑      64.93        63.50        +143     +2.20%

④CHFJPY↑      84.52        82.78        +174     +2.06%

⑤NZDUSD↑    0.8286      0.8119      +167     +2.02%

⑥USDCHF↓    0.9270      0.9444       -174      -1.88%

⑦EURCAD↑   1.2757      1.2538      +219     +1.72%

⑧AUDJPY↑     82.68        81.27        +141     +1.71%

⑨GBPJPY↑     127.12      125.18      +194     +1.53%

⑩AUDUSD↑   1.0550      1.0391      +159     +1.51%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ EUR(3回),NZD(2回),CHF(2回),AUD(2回),GBP
下落通貨 ⇒ JPY(5回),USD(4回),CAD

先々週からの2週間程の動きに関しては、見事に欧米(金融)当局の大勝利と言った印象を受けます。