2012年1月30日月曜日

EUR at bay is a dangerous foe......

A stag at bay is a dangerous foe. と言う諺があるのですが、猟の際等に岸壁などに追い詰められた鹿は決死の反撃を試みる事もあるので非常に危険だと言う意味です。日本で言うところの窮鼠猫をかむという諺の英語版と言ってよいかと思います。

先週のユーロの反発は強烈の一言であり、思わずこの言葉が脳裏に浮かびました。ユーロを売る理由は枚挙に暇が無いのですが、流石にシカゴ市場の先物市場の建玉を見ても投機筋中心に積み上げてきたユーロ売りポジションは4週連続で史上最高額を更新し続けてきたところでしたのでユーロの反発が始まった後はショートカバーに次ぐショートカバーという状況になりました。

EURUSD DAILY⇒過去10日で9本陽線!!
















EURJPY DAILY⇒対JPYでも大幅上昇
















ユーロの反発過程で新たに仕込まれたショートポジションも有った筈なので、阿鼻叫喚のショートカバー大会となりました。

週末はEURUSDが1.32台でしたが、短期モメンタム勢はロングメイクに動き始めているようです。少しロングの仕込みも始まっていると言う意味では減速や反落の可能性も否定出来ません。

EURJPYも100円をしっかり回復したわけですが、2週間前には97円台などで困っていた本邦輸出勢の出方にも注目が集まります。

2012年1月29日日曜日

Top FX Movers Last Week.


先週の相場ですが、Fedが現状の歴史的低金利水準を2014年終盤(Late 2014)まで維持すると言う旨を明言した事でリスク資産市場広範な追い風が吹きDow工業平均が昨年の高値である$12,876に肉薄する$12,841まで上昇するなどリスク資産が堅調推移を維持する展開となりました。

注目の欧州ではギリシャ政府と民間投資家との間で続く”借金棒引き交渉”の棒引き率の合意が中々決着しないと言うマイナス材料を尻目に各国の国債入札などが順調に消化された事もあり、欧州市場全般に反発モードが維持されています。
 
金曜日には格付け機関Fitchがベルギー、キプルス、イタリア、スロベニア、スペインのソブリン格付を引き下げましたが今のところ大きなネガティブ材料にはなっていないようです。
(引下げ後の格付はベルギー(AA)、スペイン、スロベニア(A)、イタリア(A-)、キプルス(BBB-))

為替市場では欧州の反発が大きなトレンドとなりました。

      通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①USDCHF↓   0.9117    0.9341     -224        -2.46%

②EURUSD↑   1.3223    1.2933    +290       +2.19%

③NZDUSD↑   0.8237    0.8058    +179       +2.17%

④CHFJPY↑     84.00      82.38      +162      +1.93%

⑤EURJPY↑     101.38    99.59      +179      +1.77%

⑥NZDJPY↑     63.16      62.05      +111      +1.76%

⑦AUDUSD↑   1.0648    1.0484    +164       +1.54%

⑧GBPCHF↓    1.4341    1.4550     -209       -1.46%

⑨CADCHF↓   0.9104     0.9226    -122       -1.34%

⑩GBPNZD↓   1.9077     1.9318    -241       -1.26%

上昇サイドはCHF4回、EUR3回、NZD2回、AUD1回となっています。
下落サイドはUSD4回、JPY3回、GBP2回、CAD1回でした。

USD売りの流れを欧州の反発が引っ張っています。また欧州売り/資源国買いと言うクロス取引の解消も出ているのでEURやCHFの反発がAUDやNZDをも抑制していると言う印象になっています。

2012年1月23日月曜日

Another Conflicting Signals for Investments.

ここにも悩ましいデータが併走しています。
The American Association of Individual Investors (AAII)というところが発表する Sentiment Surveyでは、足元の投資家センチメントは49%がBullishで17%が Bearishでした。

これは相当強気なデータのようです。実際にこのSurveyの過去平均はBullishが39%でBearishは30%となっています。合計が100%にならない部分はNeutralという回答になります。

一方でもう少し長めの統計ですが、株式のミューチュアルファンドからの資金流出(新規購入額を解約額が上回っている状態)は昨年の5月~12月まで8ヶ月連続で続いており、これは過去20年で最長記録の更新となっています。

株価は10月に目先の底を付けて反発して来ましたが、資金流出はずっと継続していると言う事です。今月このまま快調に株価が伸びれば展開が変わるのでしょうか・・・

現在の株価は一株あたり収益の14倍です。1年前の15倍から下落しており、これも強気のシグナルではありません。昨年の今頃は投資家は利益の15倍出しても株価を需要しましたが、今は14倍になっていると言う事です。(PER:Price Earning Ratioの話です)

短期勢はお金を引く人が多く、長期勢(Value投資家)はそろそろ買い場到来と見て動き出している感じなのではないでしょうか。4月頃までには形勢がはっきりしているかもしれません。

Dow Leads the Pack.



ある勉強会で、出席者から今の市場は二つの潮流が併走しているようだと言う話がありました。

・各国のソブリンリスク(財政事情)や金融機関をベースとした風景
・企業業績とビジネスアクティビティをベースとした風景

と言う事でしたが、前者からは悲観的な景色しか見えず、後者からはまだまだ活力を感じる事が出来るという話でした。確かにそうかも知れませんね。

先週の金融市場を牽引したのは後者の景色であり、特に米企業の業績好調を受けた米株市場は投資家センチメントを週を通して押し上げてくれたイメージです。
 特にDow工業平均は$12,700を回復して週を通して右上がりのチャートを描き、ほぼ高値引けと言う活躍でした。

Nasdaqもしっかりフォローしています。$2,800を超えていければベア戦略のSqueezeも出そうな感じですね。兎に角年初は予想比かなり積極的な投資活動がリードした格好です。

2012年1月22日日曜日

Top FX Movers Last Week.

先週の金融市場はS&Pによるフランスを含む欧州9カ国の格下げの影響に注目が集まる中で始まりました。
 
状況次第では結構な大相場になると言う思惑から欧州売りのポジショニングも極度に拡大していたのですが、クロス取引で欧州売りの裏で積み上がっていたのが資源国通貨買いのポジションでした。先週は先ずカナダ、豪州、ニュージーランドで立て続けに市場予想を下回る経済指標が発表された事でこの欧州売り/資源国買いのポジションに調整が入り、週末には格下げの影響が注目されたフランス国債の入札が2014年、2015年、2016年分で総額EUR7.965billionもの応札があるというきわめて良好な内容であったことから欧州売りポジションの巻き戻しが大幅に加速しました。

欧州の踏み止まりに加えて北米市場でも主要企業から軒並み良好な決算発表が続いており、米株市場が堅調推移を維持した事から欧州の買戻しに加えて投資家のリスク選好度が急回復したかのようなRisk-onバイアスが急上昇した格好で週の取引を終えています。

為替市場における主要通貨ペアの動向にもこれが鮮明に反映されています。

        通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①EURUSD↑   1.2933    1.2676    +257      +1.99%

②CHFJPY ↑   82.38      80.82      +156      +1.89%

③USDCHF↓   0.9341    0.9515    -174       -1.86%

④GBPJPY↑    119.93    117.87    +206      +1.72%

⑤GBPUSD↑   1.5575    1.5319    +256      +1.64%

⑥AUDJPY↑    80.72      79.41      +131      +1.62%

⑦AUDUSD↑  1.0484     1.0320    +164      +1.56%

⑧NZDJPY↑    62.05      61.09       +96        +1.55%

⑨NZDUSD↑  0.8058     0.7941     +117      +1.45%

⑩CADJPY↑   76.05       75.17       +88        +1.16%

上昇通貨の顔ぶれはCHF,GBP,AUD,NZDが各2回ずつで、EURとCADが一度ずつでした。
下落通貨の内訳はUSDとJPYが5回ずつとなっており、Risk-onバイアスが鮮明と言う印象が残ります。

投資家はまだ欧州を諦めていないと言う動きの週でしたが、今週以降はその市場センチの持続力がポイントになります。

2012年1月16日月曜日

Better Than a Kimono Trader.

2011年の日本の大規模介入は合計14兆円規模と言われていますが、随分と批判的な見方もされてきました。

それとは対照的に各方面から絶賛されていたのがSNB(スイス中銀)による為替介入でした。自国通貨CHFのEURに対する容認可能最高値を明示して一気に相場を転換させた手腕は喝采を浴びたものです。
 一部では、SNBのHildebrand総裁がヘッジファンドマネージャーであったという前歴を生かして見事な手際で市場とコミュニケーションを取った事が成功の背景であると言う評価も出ていました。

ところが、このHildebrand総裁の夫人が大規模介入の3週間前から個人投資としてCHF売りのポジションを取って介入後のCHF下落によって日本円換算で1000万円弱程度の収益を得ていたと言う事実が表面化したことでちょっとしたスキャンダルとなり、結局は総裁が辞任すると言う結果となりました。

総裁は夫人の行動はあくまでも個人投資であり、介入の計画を共有していた事は無いとし、SNBも総裁辞任に関係なく為替政策の方針は不変であると言う声明を出しています。

しかし市場はそんなSNBの決意を試すかのように対EURでのCHF買いを継続中であり、EURCHFのクロスレートは介入時にSNBが死守すると明言した1.20水準を視野に入れ始めたようです。

EURCHF⇒続落中で1.20を視野に!















今週にも1.20水準の攻防が有り得ますが、SNBが下落を放置するようなケースではEURの急落に拍車が掛かる可能性がありそうで、その場合はEURUSDもEURJPYも一気に走るかもしれません。

RetailのFXトレーダーと言えば今では世界中に無数にいる訳ですが、日本の主婦達も相当参入していた時代があり(円キャリートレード全盛時でしたね)、着物トレーダーなどと言われていました。
 
SNBの総裁夫人は、やはりヘッジファンド出身者ですが、並みの着物トレーダーよりも余程凄腕だったと言うことでしょうか。

EUR is Testing Lower...........

EURは結局全面安という流れとなって年初から厳しい展開に晒されています。
過去2年は欧州は序盤戦を無難にクリアしても5月の連休中にボロが出ると言う展開でしたが、今年は2月、3月に周縁国債の大量償還などもあり年初から慎重な見方が圧倒的に多いと言う事情もあるのでしょうか。

EURUSDは、金曜日に週のレンジの高値、安値を両方付けてから安値引けした格好です。
EURUSD⇒13日の金曜日に大反落。
















EURJPYでもイメージは同じです。
EURJPY⇒金曜日に大反落。最早100円も遠い・・
















EURJPYは100円割れが長期定着のリスクが上昇しており、一方で輸出企業の採算レートは100円~110円と言うレンジに集中している感じですので100円レベルは相当に売りオーダーも並ぶと言う状況になっていると思われます。

EURに持続的な反発材料が見当たらない状況下ではJPY側に売り材料が出て来ない限りEURJPYの大幅反発は見込めない感じです。

日本の財政を世界や格付会社がどう見るのか・・・・・やはりそこが今年の大きなポイントになりそうですね。

2012年1月15日日曜日

At the Mercy of Downgrades : Another Black Friday.

先週前半は、格付機関Fitchが2012年中のフランス国債の格下げは無いと言う見通しを示した事でEURが反発し、当分世の中が混乱しない見通しとなったことから株式市場なども堅調な動きとなっていました。

これが奇しくも13日の金曜日のBlack Fridayに発表された別の格付機関S&Pによる欧州9カ国の格下げにより市場の流れは大きく転換する羽目になりました。以下に内訳を整理しますが、こちらはフランスの格下げを含んだ内容であり、更なる警鐘として欧州14カ国の見通しをネガティブとしています。

フランス  :AAA → AA+(1段階の格下げ)
オーストリア:AAA → AA+(   〃    )
スロベニア :AA- → A+(   〃    )


スロバキア :A+ → A(   〃    )
マルタ   :A → A-(   〃    )



イタリア :A → BBB+(2段階の格下げ)
スペイン :AA- → A(   〃    )
キプロス :BBB → BB+(   〃    )
ポルトガル:BBB- → BB(   〃    )

フランスとオーストリアは最上位のAAAから陥落、キプロスとポルトガルは"投機的水準"という扱いになります。(ドイツ・オランダ・ルクセンブルク・フィンランドはAAAを維持しました。)

因みに他の主要国は
米国  :AA+
日本  :AA-
中国  :AA-
英国  :AAA
ギリシャ:CC

という状況ですが、財政的には余裕のある国は無いと言って良いので、格付機関による突然の格下げにより、ネガティブセンチメントが何時何処に飛び火するか全くわからない状況です。

兎に角、特に欧州にとっては記録に残るBlack Fridayとなりました。

Top FX Movers Last Week.

先週は全体としてはSWING相場でした。またもや序盤戦の動きが終盤にひっくり返されるような展開となったところも多く、為替市場ではユーロが一旦反発後に大きく下落して越週した格好でした。

        通貨ペア ↑↓先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①EURNZD↓  1.5929    1.6286    -357       -2.24%

②NZDUSD↑  0.7941    0.7803    +138      +1.74%

③NZDJPY↑   61.09      60.06      +103      +1.69%

④GBPAUD↓ 1.4835     1.5080    -245       -1.65%

⑤EURAUD↓ 1.2276     1.2434    -158       -1.29%

⑥NZDCHF↑  0.7550     0.7453    +97      +1.28%

⑦NZDCAD↑ 0.8119     0.8016    +103     +1.27%

⑧GBPCAD↓ 1.5664     1.5854     -190      -1.21%

⑨GBPCHF↓  1.4570     1.4731     -161      -1.11%

⑩AUDUSD↑  1.0320    1.0226     +94       +0.91%

上昇サイド内訳はNZD5回,AUD3回,CADとCHFが1回ずつでした。
下落サイド内訳はGBP3回,EUR2回,USD2回,JPY,CHF,CADが1回ずつとなっています。

CADとCHFは両サイドに登場しており、通貨としてはトレンドは無い状況です。兎に角NZDとAUDの南半球通貨が上昇トレンドにあり、GBP,EUR,USDが下落トレンドでJPYは依然冬眠中と言う感じでしょうか。

ドルインデックスが上昇しているのでドルが強い印象がありますが、インデックスの構成要素は70%程度がEURのウェイトなのでEURが下落するとドルインデックスが上昇する訳ですが、EURはドル以外の通貨に対しても全面安状態なので実際の為替市場ではドルが特別強いと言うイメージではありません。

2012年1月9日月曜日

What Counts is What They Count.

欧州の混乱継続を尻目に年末から年始にかけての無視出来ない傾向として米国の指標が軒並み改善していると言う点があります。

先週末は注目の12月米雇用統計の発表がありましたが、やはりこれも改善していました。この指標はブレが大きく”裏切りの歴史”を挙げれば枚挙に暇が無いのですが今回は市場の事前予想を裏切らなかった格好です。

12月失業率 : 11月 8.6%(今回 8.7%に修正)⇒12月 8.5%
12月非農業部門雇用者数 : 11月 +12.0万人(今回 +10.0万人に修正)⇒12月 +20.0万人



いずれも強めの事前予想をも上回る改善と言えます。

失業率は、2011年の1月は9.0%で年間のピークは6月の9.2%でしたので、そこから半年で8.5%に改善した事になります。

ただし、最近の雇用データの改善はやや心配な側面もあり、数字通りのポジティブな評価だけでは終わらない気がしています。

求職期間の長期化により妥協的な就業が急増しているようです。

 求職中だった私の知人も前職よりも大幅に所得水準の低い職に就きました。
 「流石にこの状況は続けられない。何がしかでも家計にFeedしていかないと生活が破綻する」と言う連絡には深く考えさせられました・・・・・。
  従前から言われていたことですが、米国の状況は決して求職が無いと言う状況ではなくて探しているような条件が見つからないと言う人々が殆どだった訳です。私の知人のように1年以上の期間を経て生活水準を切り下げて生きていく事を受け入れ始めている人々が多いと言うのが失業率の低下、新規就業者数の増加なのだとすれば複雑な思いになります。

・結果としての就業貧困(Working Poor)の増加。

 先日TVで観た報道番組で、職には就いたけど住居が無いとか家族を十分に養えない人々の事例を見て驚きました。職に就きながら、米国における生活保護の一種であるFood Stampの支給を受けている人々が急増しているようです。私が見た事例では月に$400ほどが支給されていました。
  別のレポートによれば、今の米国では国家公務員と地方公務員にFood Stampを受給している家計を加えると実に全米の全家計の50%を超えると言うデータがあるようです。

こういう背景があることを考えれば雇用統計以外の指標の改善も同様の背景を背負っている可能性もあり、ストレートに投資意欲が改善するような展開を想定するべきではないように感じます。

標題どおり、重要なのはカウント結果ではなく実体内容であり、カウントされるもの、されないものまで見て行く必要があるということだと思います。

A New Year Risk Appetite is Consolidating.

Risk Appetiteは年始の米株買い等あちこちで少し走りすぎた感じです。ここからいきなりリスク回避モードが全開になる流れは見ていませんが、先週末に米雇用統計が良かった割には株式市場、商品市場にやや疲れが目立ったのが気になりました。

この辺りの動向はやはり今年の鍵を握るアジアの動向にも相似形で現れています。ある意味で中国や香港以上にバブル状態であるとの指摘も多いシンガポール市場からも先週後半は資金が流出する展開でした。USDSGDの交換レートもUSD上昇、SGD下落と言う動きになっています。

今週から米の主要企業の決算が発表され始めますので、足元のRisk Appetiteはその内容に大きく左右される展開になりそうです。
USDSGD DAILY ⇒週初のSGD買いは先週後半に失速。









EURJPY broke 100 threshould.

2012年はここ数年のドル円の再現フィルムのようにユーロ円が100円割れ⇒二桁定着と言う流れとなるのではないかと言うシナリオもあるのですが、年始からかなりの売られ方をしています。

1月2日の東京時間で午前3時過ぎに場外乱闘的に98円台を付けてからは一旦100円台を回復していたのですが、結局先週末は97円台まで大きく反落する展開でした。

EURJPY DAILY:98円台⇒100円台⇒97円台
















USDは当面強そうですので、足元はユーロ円の上昇可能性の鍵を握るのはドル円の動向になりそうです。
 2012年はどこかで円安方向へのトレンド転換もあり得ると思っていますが、ユーロ円が第1四半期を二桁で過ごすようだと日本経済への影響は小さいはずは無く、とても心配ですね。

EUR has its back to the rope.

2012年は結局ユーロ売りでスタートです。

Anecdotalな情報を総合すると結構中銀等の公的な勢力や国際機関系の半公的なネームがこの通貨の買いサイドで見ていると言うことなのですが、それにも拘らず結局大きく下落していると言う流れを見ていると、それ以外の多様な市場参加者が積極的に売りサイドに回っていると言う事になるのでしょう。

EURUSD DAILY⇒先週後半に大きく下落。

















2月~3月にかけてイタリアやスペインの国債が大量に償還予定であり、当然返済は困難ですので新たな国債発行により国の借金をロールする必要があります。今のところ一般投資家の応札だけでのファイナンスは困難と考えられるので相当部分を欧州中銀が引き受ける事になる可能性が高いでしょう。どうしてもこの辺りまではユーロが大逆転的な反発をする可能性は高くないのではないでしょうか。

Top FX Movers Last Week.

2012年第一週となる先週の金融市場は年初にリスク資産がスタートダッシュ的に買われた流れから前半はリスク資産上昇+ユーロ下落と言うパターンが先行しました。中国、英国、米国と続いた製造業関連指標が良好な内容だったこともリスク資産買いを後押しした格好です。

しかし週央から徐々にリスク資産の勢いは減速に転じ、金曜日の米雇用統計が強い改善傾向を示した後も新たな追い風は吹かなかった印象です。

一方でユーロ売りは断続的に風が吹く流れは変わらずで、結局先週は為替市場でも資源国通貨が上昇し、欧州通貨が売られる展開でした。
 またスイスフランに関しては、昨年実施されたスイス中銀によるスイスフラン売り介入(ユーロスイスの交換レートに下限を設定)の数日前に総裁夫人が個人的にスイスフランを売却していた事実が発覚してスキャンダルになりかけており、これもスイスフランの足を引っ張っているようです。

先週の主要通貨ペアの変動ランキングは以下のようになりました。

        通貨ペア ↑↓  先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDCHF↑   0.7453     0.7268    +185      +2.48%

②EURNZD↓   1.6286     1.6613     -327      -2.01%

③AUDCHF↑   0.9765     0.9575    +190     +1.95%

④EURAUD↓   1.2434     1.2670     -236     -1.90%

⑤EURUSD↓    1.2718     1.2942    -224      -1.76%

⑥USDCHF↑    0.9550     0.9383    +167    +1.75%

⑦EURJPY↓     97.88       99.47      -159     -1.62%

⑧CHFJPY↓     80.56       81.79      -123     -1.53%

⑨CADCHF↑   0.9288     0.9173   +115    +1.24%

⑩NZDCAD↑   0.8016     0.7928   +88      +1.10%

 上昇通貨と下落通貨に分解すると上昇サイドはNZDが3回,AUD,USD,JPYが各2回ずつでCADが1回と言う登場回数でした。下落サイドはCHFが5回,EURが4回でCADが1回となっています。

両サイドに登場したCADはノートレンドで、南半球(AUD,NZD)に追い風が吹き、CHFとEURには逆風が吹いている状況です。USDとJPYが堅調なのも年初のリスク資産買いが中後半に失速したことの裏返しと言うイメージですね。

相対的には大方予想通りのスタートという感じでしょうか。

2012年1月2日月曜日

The New Year is Off to A Tricky Start.

2012年は少しトリッキーなスタートになっています。

もともと実質的に市場が始まるのが1月3日(火)のシドニー市場からという事だったのですが、1月2日(月)にも欧州大陸(フランクフルト)だけが開いているという状況でしたので市場が薄い中で場外乱闘的に変な動きをするリスクはあったのですが・・・

今回はそのフランクフルトを待たずして週明け早々の東京時間で言えば早朝に妙に円高の水準が取引されていたようです。

USDJPY DAILY⇒年初早朝に76円30銭レベルにタッチ。















EURJPY DAILY⇒年初早朝に98円台まで下落か
















故意なのかどうかは判らないのですが、通貨オプションのノックアウト物などのトリガー判定などもあるので何を持って正式なレンジと見なすのかが年初から議論になるのではないでしょうか。

現在の為替市場は銀行間取引と外為証拠金取引に代表されるリテールFXが併走する格好となっており、色々な基準や慣行は両者間でかなり隔たりがあります。後者の市場にも流動性の供給は前者が行っていると言うのが基本構造なのですが、本日(1月2日)についてもオフィシャルな銀行間取引の市場はシドニー、東京、香港、シンガポール、ロンドン、ニューヨークなど全て休場になっているのですが唯一フランクフルトというサブマーケットと一部のリテールFXで相場が建っているという状況です。

それにしても不穏な幕開けとなってしまいましたね・・・・

Happy New Year.

謹賀新年。明けましておめでとうございます。

今年(2012年)は、辰年ですね。皆様にとっても素晴らしい年となるように心からお祈り申し上げます。

この龍のように大きく飛躍・飛翔出来ますように!!