先週の金融市場はS&Pによるフランスを含む欧州9カ国の格下げの影響に注目が集まる中で始まりました。
状況次第では結構な大相場になると言う思惑から欧州売りのポジショニングも極度に拡大していたのですが、クロス取引で欧州売りの裏で積み上がっていたのが資源国通貨買いのポジションでした。先週は先ずカナダ、豪州、ニュージーランドで立て続けに市場予想を下回る経済指標が発表された事でこの欧州売り/資源国買いのポジションに調整が入り、週末には格下げの影響が注目されたフランス国債の入札が2014年、2015年、2016年分で総額EUR7.965billionもの応札があるというきわめて良好な内容であったことから欧州売りポジションの巻き戻しが大幅に加速しました。
欧州の踏み止まりに加えて北米市場でも主要企業から軒並み良好な決算発表が続いており、米株市場が堅調推移を維持した事から欧州の買戻しに加えて投資家のリスク選好度が急回復したかのようなRisk-onバイアスが急上昇した格好で週の取引を終えています。
為替市場における主要通貨ペアの動向にもこれが鮮明に反映されています。
通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①EURUSD↑ 1.2933 1.2676 +257 +1.99%
②CHFJPY ↑ 82.38 80.82 +156 +1.89%
③USDCHF↓ 0.9341 0.9515 -174 -1.86%
④GBPJPY↑ 119.93 117.87 +206 +1.72%
⑤GBPUSD↑ 1.5575 1.5319 +256 +1.64%
⑥AUDJPY↑ 80.72 79.41 +131 +1.62%
⑦AUDUSD↑ 1.0484 1.0320 +164 +1.56%
⑧NZDJPY↑ 62.05 61.09 +96 +1.55%
⑨NZDUSD↑ 0.8058 0.7941 +117 +1.45%
⑩CADJPY↑ 76.05 75.17 +88 +1.16%
上昇通貨の顔ぶれはCHF,GBP,AUD,NZDが各2回ずつで、EURとCADが一度ずつでした。
下落通貨の内訳はUSDとJPYが5回ずつとなっており、Risk-onバイアスが鮮明と言う印象が残ります。
投資家はまだ欧州を諦めていないと言う動きの週でしたが、今週以降はその市場センチの持続力がポイントになります。