2013年1月27日日曜日

Once-Least-Expected thing is the Hottest Trend.

標題どおりですが、まさに一時は誰も予想する事すら困難であった事象が、今や円安以上の最強トレンドになっています。

それはユーロの上昇です。

現時点で世界中のリスクテイカー達が注目し、保有もしているリスクポジションの代表は

①株式ロング、②債券ショート、③円ショート、④ユーロクロスのロング

 でしょう。そして②以外は機能しまくりですね。

ユーロは消滅か、存続するにしても大幅な減価は不可避と言うのがコンセンサスでした。それも比較的最近までそうだったとも言えます。私自身も苦し紛れに”欧州ベア、ユーロブル”などと言う相場観を述べて困惑を正当化して来ているのですが、最も想定されていなかった事象だけに従来ポジションの転換圧力も含めて物凄いトレンドを形成しています。
EURAUD DAILY ⇒ Explosive !












EURCHF DAILY ⇒ Still Looking UP!












EURCAD DAILY ⇒ Changing the Landscape.












EURUSD DAILY ⇒ Leaving USD Behind?












EURJPY DAILY ⇒ Now JPY Vows!
欧州は今足元を固める時期に入っており、主にアジアや新興国に一旦は拡張してきたビジネスプレゼンスを縮小しています。
 有体に言えば、人、物、金を本国還流させていると言う過程にある訳で、基本的にはこれが足元のユーロ上昇の引き金且つ根本原因だと考えられます。

欧州が良い訳ではないのでユーロ上昇だってそうは続くまいと言う見方も根強い訳ですが、長期不況、デフレ環境下での円高を経験している以上、ユーロの高値や上昇期間を予測する事は全く出来ないような気がします。

March of JPY-Crosses.

前項のドル円の91円と並んで一連のクロス円の復活上昇も著しいものがあります。
EURJPY DAILY ⇒ 120円回復後122円台まで上伸












CHFJPY DAILY ⇒ 遂に98円台!100円が視野に?













GBPJPY DAILY ⇒ 前回高値更新なるか?












AUDJPY DAILY ⇒ 前回高値更新に挑む

ユーロ円はもう上抜けしまいました。スイス円も98まで上昇し、3桁回帰目前です。

ポンド円や豪ドル円は先ずは前回高値をしっかり更新出来るかどうかで今後のモメンタムが決まってくるでしょう。ある意味では今週勝負と言うところでしょうか。

1月最終週の攻防に注目しましょう。

USDJPY is Taking Out 91 Mark.

90円到達後の調整局面における”振り落とし過程”ドル円の買い持ちのポジションは相当減少したと思うのですが、このペアは見事に切り返して90円を回復し、週末には一時91円をすら攻略してきました。
USDJPY DAILY ⇒ 驚くべき切り返しで91円!
なんとも美しくも強気なチャート形状です。

木曜日、金曜日に印象的な陽線が出易い感じになっており、週前半の調整局面で買えていれば後半から終盤に大き目に伸びてくるようなパターンとなっています。

テクニカルにも週の高値を木曜日や金曜日につけることで週次の形状が右上がりの山になると言う強気構造になっています。

2012年の太宗を70円台で過ごしたドル円は、80円でも85円でも90円でも止まる事は無く上昇軌道を維持出来ています。95円や100円で止まる保証はどこにもありません。

前項の株式市場と同様に、予想外の水準にまで到達する可能性を秘めた強気相場が始まっていると言うシナリオを持っておく事が望ましいと思います。

2013: TheYear of Snake or Stock?

2013年は、世界のあらゆる分野で根本的な"あり方”や価値観、トレンドの変化が起こり得る、或いはその鼓動が感じられ始める年になのか・・・・そう言う気がしています。

株式市場の堅調は、多くのエコノミストやテクニカル分析者の予想をぶっちぎる形でトレンド形成を確固たる物にし始めています。
US Stocks ⇒ 年初からぶっちぎりで右上がりトレンド












EU Stocks ⇒ 強気相場に回帰へ











UK Stocks ⇒ これもかなり来てますね・・・

世界的に株式市場は上昇相場に入ったと思うべきでしょう。そしてアベノミクスへの期待もあって日本株への期待も特に海外から強まっている状況です。

私の知っている海外の株式ファンド多くは特に香港株と日本株が過小評価度が高いと分析しているので世の中が平穏である限り(ここがリスクですが・・・)日本株の復活は大復活と言うレベルにまで到達する可能性もあると見ています。

株式にお金をシフトする時が来ている。それは間違いないのでしょう。

Top FX Movers Last Week.

先週の金融市場は、世界的な株式市場の上昇、日銀政策決定会合後の日本株や円の乱高下、利上げ期待の後退によるCADの大幅下落、指標悪化によるAUDやGBPの不調等が目立つ展開でした。

終わってみれば調整後の円安トレンドの復活振りやEURの強さが際立った印象を残す週となっています。

    通貨ペア ↑↓  週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
EURCAD1.3531   1.3199    +332     +2.45%

CADCHF↓ 0.9209   0.9416     -207      -2.25%

EURJPY    122.25   119.89    +236     +1.93%

EURAUD↑ 1.2901   1.2664    +237     +1.84%

CHFJPY     98.02     96.33     +169     +1.72%

AUDCHF↓ 0.9660   0.9814     -154      -1.59%

NZDCAD↑ 0.8423   0.8289    +134     +1.59%

EURGBP   0.8515   0.8384    +131     +1.54%

USDCAD1.0058   0.9916     +142    +1.41%

GBPCHF   1.4636   1.4828      -192     -1.31%

上記通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ EUR(4回),CHF(4回),NZD,USD
下落通貨 ⇒ CAD(4回),JPY(2回),AUD(2回),GBP(2回)

EURの強さに対抗出来たのはCHFだけでしたが、これも先週の動きの調整が入ったからであり、事実上EURは驚くべき事に(?)一人勝ち的な構図を築きつつあります。
 下落サイドではCADの劇的な不調がありました。経済指標も鈍化してカナダ中銀より市場の利上げ期待を粉砕するようなコメントも出された事が大きいのですが、同様にAUDなども世界的な株式市場の好調さについていけない状況が目立っています。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

1月15日(金)の北米市場の最後の4時間の攻防です。

 通貨ペア ↑↓ 終値   始値    変動(pips) 変動(%)
GBPNZD1.8842  1.8906   -64       -0.34%

GBPCAD1.5885  1.5937   -52       -0.33%

EURNZD1.6047  1.6097   -50       -0.31%

USDCAD1.0058  1.0087   -29       -0.29%

EURCAD1.3531  1.3569   -38       -0.28%

NZDUSD0.8378   0.8355  +23      +0.27%

GBPAUD1.5145  1.5185   -40        -0.26%

EURAUD1.2901  1.2929   -28       -0.22%

AUDUSD1.0424  1.0403   +21      +0.20%

NZDCHF0.7763  0.7749   +14      +0.18%

上記通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ NZD(4回),CAD(3回),AUD(3回)
下落通貨 ⇒    GBP(3回),EUR(3回),USD(3回),CHF

欧州通貨に対するコモディティ通貨の小反発が観測されていたイメージですね。

2013年1月20日日曜日

EURCHF Stays on Centerstage.

急上昇が注目を浴びるEURCHFですが、依然台風の目的な存在感を放っています。
EURCHF DAILY ⇒ 急騰モード維持?

金曜日は上髭、下髭共に長い形状で実体部分は陰線と言う少し気になる形状になっていますが、それにしても地殻隆起のようなチャート形状は見事です。それだけ世間が慌てたと言うことでもありますね。

CHFは世界中からあらゆる目的で、あらゆる類の資金が流入することで上昇しやすい通貨なのですが、スイス当局は欧州域内での貿易競争力維持の為にも対EURでの上昇の上限を1.20と定めてこの水準を割り込みそうになればじっとEUR買い・CHF売りで相場を支える訳で、チャートにおける左半分位の横ばい相場がまさにこういうときの水準です。

最近では世間はスイス中銀の買い支えは織り込み済みでしたが、流石に国外からのCHF預金へのマイナス金利適用と言う手段は効果的でした。スイス中銀相手に長期戦を仕掛けてきた投機のCHFロングは、マイナス金利と言うペナルティの適用を免れるために必死に国外に逃げ帰ったと言う展開ですね。

このクロスからはまだまだ目が離せません。

Metals Look Precious.

貴金属の価格が小反発。チャートもやや安定してきました。
Gold Daily ⇒ 先週は陽線が目立つ












Silver Daily ⇒ 先週は陽線続き
金がどこかで1オンス当たり$1,800を越えて来たり、銀価格も同じく$35を越えて来る展開があると思っていますが、$31を回復してきた銀などは押し目は注意深く買っておくイメージかなと思っています。

金や銀の円建ての積立てはどうも今ひとつからくりがピンと来ないんですけどね・・・

JPY-Crosses Look a bit MIxed now.

既述の通り、クロス円の景色はやや不透明です。
GBPJPY DAILY ⇒ Lower Highs?












EURJPY DAILY ⇒ Holding on?












CHFJPY DAILY ⇒ 陰線が目立つ?












CADJPY DAILY ⇒ 息切れ感あり?












AUDJPY DAILY ⇒ もっともロングになりやすいペア
既述の通り、ドル円は90円を取りましたが多くのクロス円は追随して高値を更新する展開にはなっていません。

これがDivergenceでトレンド転換のシグナルであると言う見方は甘利にも乱暴且つ幼稚だと思いますが、EURが奮闘する一方でGBPやCHFは対ドルで下を向き始めているイメージであり、コモディティ通貨でもCADあたりに失速感が出てきているのでクロス円のモメンタムが減少してきていることは事実です。

JPY Stays on Bearish Track.(So Far)

既述の通り、ドル円は調整波を消化しながら90円を超えてきました。
USDJPY DAILY ⇒ 90円越えで越週












週の前半から中盤にかけては様々なノイズが入り、調整的な動きが先行していました。

・韓国中銀首脳からの円安批判
・米FRB首脳による「日本の政策に困惑している」発言
・政権内からも甘利氏による「円安で困る業種もある」発言
・同じくい石破氏による「85円~90円が丁度良い」発言
・財界首脳からの「90円でも超円高じゃないか」発言
・閣内重鎮からの「100円レベルが適正」発言
・・・・・・・・・・などなど・・・・・・

結構ありましたね。結局これらを消化して90円に乗せてきた訳ですが、恐らくこの過程では多くの円ショートに手仕舞いが入った事は間違いないでしょう。現時点でRe-entryした円ショートは持値的にには余裕が無いポジションなので、この後91円、92円と上昇していかない場合は不規則な調整波動にかなり値動きがChoppyな展開になる可能性があります。

ベーストレンドは円安で全く変わっていませんが、Volatilityの洗礼は受けやすい状況になっている事を頭に入れておきましょう。

USD Gets Another Boost.

金曜日の北米時間で米ドルがStrong Finishをしていますが、米国の債務上限引き上げ(所謂Debt Ceiling)問題において対立していたホワイトハウスと共和党の間で3ヶ月間の暫定引き上げ合意が成立したとの報道による米ドル上昇でした。

財政の崖、債務上限引き上げ、と相次ぐ危機を土壇場の暫定合意のような先送りで切り抜けるという議会とホワイトハウスの歌舞伎劇場が継続しているようなのですが、今週も特に序盤戦において米ドルのモメンタムがどこまで維持出来るのかは大きな注目材料になるでしょう。
EURUSD DAILY ⇒ 金曜日にドルが反発












GBPUSD DAILY ⇒ かなりベアなチャート












USDCHF DAILY ⇒ ドル強し












AUDUSD DAILY ⇒ ドルが週後半に上昇












ドル円が90円に乗ってもクロス円が高値を取りにくい状況が生じ始めているとも考えられます。円安により大きな調整は入るとすれば、円以外の主要通貨に対する米ドルの強さが加速することによるクロス円の崩れが引き金を引く可能性があるのではないでしょうか。

Top FX Movers Last Week.

先週は主に株式市場と為替市場がやや荒れ模様の展開でした。一本調子の円安の動きに海外からノイズが出始めていたところに本邦閣僚筋からの円安牽制とも解釈され得る発言が追い討ちをかける形で円が反発、冷や水を浴びた格好の株式市場にも調整が入る局面がありました。

個人的には、それでも再度上昇して90円台で越週するドル円の動きなどに驚いているのですが、流石に大きな節目である90円突破は一筋縄では行かなかったと言ったところでしょうか。

週を通した主要通貨の変動上位は以下のようになります。

    通貨ペア ↑↓  終値    始値     変動(pips)   変動(%) 
NZDCHF  0.7805  0.7633   +172    +2.20% 

EURCHF  1.2439  1.2190   +249    +2.00% 

AUDCHF↑ 0.9814  0.9627  +187    +1.91% 

GBPUSD  1.5873  1.6130    -257     -1.62% 

GBPNZD  1.8975  1.9275    -300     -1.58% 

CADCHF  0.9416  0.9269   +147    +1.56% 

EURGBP  0.8384  0.8270   +114    +1.36% 

GBPAUD  1.5104  1.5304    -200     -1.32% 

CHFJPY  ↓ 96.33    97.55      -122     -1.27% 

USDJPY    90.06    89.15      +91     +1.01% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ NZD(2回),EUR(2回),AUD(2回),USD(2回),CAD,JPY
下落通貨 ⇒ CHF(5回),GBP(4回),JPY

遂に90円を突破したドル円の動きは辛うじて10位にランクインしています。先週はそれ以上にCHFの下落がドラマティックだったことが明白ですね。マイナス金利恐るべしと言う事になります。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

1月18日(金)北米市場の最後の4時間の主要通貨動向です。

 通貨ペア ↑↓   終値     始値    変動(pips)   変動(%)

CADCHF    0.9388  0.9439    -51      -0.54% 

EURGBP    0.8392  0.8361    +31     +0.37% 

EURCAD   1.3223  1.3179    +44      +0.33% 

USDCHF    0.9344  0.9321    +23      +0.25% 

CHFJPY     96.33    96.56       -23       -0.24% 

AUDCHF   0.9814  0.9791    +23      +0.23% 

NZDCHF   0.7805  0.7789    +16      +0.20% 

EURCHF   1.2439  1.2417    +22      +0.18% 

CADJPY    90.80    90.67      +13      +0.14% 

EURAUD  1.2664  1.2682     -18       -0.14% 

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ EUR(3回),AUD(2回),CHF,USD,JPY,NZD,CAD
下落通貨 ⇒ CHF(5回),CAD(2回),GBP,JPY,EUR

CHFのモメタムが最後まで弱かった印象ですね。

2013年1月13日日曜日

EURCHF : SNB may Like It.

EURCHFですが、これもEURの反発でSNBの防衛線から上方に乖離してきました。
EURCHF DAILY ⇒ 1.20ラインからJUMP

1.20水準から100pips以上のJumpで1.21台後半の取引となっています。

ここには、どうしてもショートポジションが出来易く、チャートで見ても1.20割れに備えたレンジ取引の時間帯が長かった分だけ今回もショートポジションが出来上がっていたと思われます。

CHF自体が非常に強い状態なのですが、それ以上にECBが金利を下げなかった事でEURの上昇に勢いが付いた分、このクロスもショートスクィーズが入ったと思われます。

ここでもマリオ・ドラギの笑い声が聞こえるようです・・・ それにSNBも一息ついていることでしょうね。

EUR : Leaving Bears Behind.

懐疑派、弱気派をぶっちぎるユーロの回復振りは見事の一言です。
EURUSD DAILY ⇒ ECB後に急騰!












EURJPY DAILY ⇒ 対円でも急騰!
マリオ・ドラギと言う人物は、大いに研究対象となる人物ではないでしょうか。

大いに偶然に助けられたのかもしれませんし、彼自身は日本の安倍首相に年賀状を出したい位に感謝しているだけかもしれませんが、市場の関心が日本に移ってしまった事で欧州売りのテーマは少なくとも一旦後退した格好です。
 一方で欧州経済の状態は決して改善はしておらず寧ろ悪化すらしているように見えます。アジアなどの新興国からの撤収も相次いでおり、そのようなやや後ろ向きの理由による人とお金の還流が投機売りの薄まったユーロを持ち上げていると言う状況かと推察しています。

マリオ・ドラギECB総裁は、あの手この手で次から次に新手の救済スキームを投入し、欧州の状況に対する投機筋の目線に対して重層的な煙幕を張り巡らせしました。今ではそれらを全ての全体像を明快に把握して資料も見ずに絶命出来るのは一部の専門家のみと言う状況になっており、そこで日本の政権後退が起きた為に欧州問題は継続しならも市場の欧州売りは一服してしまいました。ある意味でマリオ・ドラギは凌ぎ切った様に見えます。個人的にも彼の手腕は見事だと思っています。

今の状況を聞かれれば、欧州ベアでユーロブル。私はそう答えるようにしています。

JPY Crosses Marching On.

期せずしてBig Trendとなったクロス円の上昇が続きます。
EURJPY DAILY ⇒ Pushing 119!!












GBPJPY DAILY ⇒ Pushing 144!!












AUDJPY DAILY ⇒ Pushing 94!!
ユーロ円が119円、ポンド円が144円、豪ドル円が94円と言う大台通過を目前にしている状況です。

こういう時は、何処まで行くのかなどと考えるのはやめた方が良いですね。トレーダーであれば終わるまではロングでついて行くだけだという度量の勝負でしょう。

Precious Metals are Stuck in a Range.

数日前の経済ニュースで、円建ての金価格が史上最高値と言う報道を見ました。

我々は普段、1オンス当たりの価格をドル建て表示で見ているのでちょっと意外感を持ったのですが、その報道の中でも円安の影響でこういう現象が起きていると言う事を明言していたので、視聴者が誤解するリスクも限定的だったかとは思います。

商品市場における貴金属の価格は最近はちょっと不振なのです。
Gold Daily ⇒ やや右下がりのトレンド















Silver Daily ⇒ $30あたりで踏み止まれるか?
金価格は1オンス当たりで$1,800越えを目指すかと思われたのですが$1,700も割り込んで$1,600台での攻防となっています。

銀価格は同じく$40を越えていくのかと思いきや、$35辺りが重くて一旦$20台に落ちた後で今は辛うじて$30を少し越えた水準で必死に踏み止まっているような状況です。

円建てで見ていると、金価格が急騰しているように錯覚しますが、事実は貴金属市場は昨年秋ごろに高値更新に失敗した後はずっと苦しんでいると言うお話でした。

USDJPY Closed the Week Above 89 Mark.

ドル円の上昇が85円で止まらずに、あっさり通過してしまったところが一種のパラダイムシフトを引き起こした感じがありますが、先週の金曜日の米雇用統計後に88円台が重たい印象すらあったドル円は先週の前半を底堅いレンジモードで消化した後、木曜日から再び上昇軌道に乗って89円台で越週しました。

・ドルには米株の堅調に加えて米長期金利の上昇と言う追い風。
・円には安倍新政権の一連の施策への期待感が継続。日銀も呼応するスタンス。

と言う背景を感じています。
USDJPY DAILY  ⇒ 89円台! 

90円が完全に視野に入る水準になってきました。

昨年は12月28日(金)が本邦勢の仕事納めでしたが、この日の東京市場が86円台でしたが、この日は海外市場で頭が重くなり、結局85円台に落とされて越週(本邦的には越年?)する事になりました。

それが、海外勢だけとなった12月31日(月)にあっさり86円台を回復し、2013年に入ってからはあまり調整らしい調整は入っていません。調整には価格軸の調整と時間軸があるのですが、最近の調整は時間軸での調整が中心となっており、価格はあまり動かずに暫く膠着してはまた上がると言う展開が続いているようです。

今の流れで行くのなら、来週は前半に揉み合って少しポジション調整もこなしながら後半には90円に突っかける局面があるかもしれません。

Top FX Movers Last Week.

先週も結構な動きがありましたね。為替市場のVolatilityは堅調を維持しています。

  通貨ペア ↑↓ 週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①EURJPY ↑   118.96    115.19   +377    +3.17%

②CHFJPY ↑   97.55      95.32     +223    +2.29%

③EURUSD↑  1.3343     1.3067   +276   +2.07%

④EURCAD↑  1.3142    1.2902   +240   +1.83%

⑤NZDJPY  ↑  74.60     73.29     +131    +1.76%

⑥AUDJPY  ↑  93.93     92.35     +158    +1.68%

⑦EURGBP ↑  0.8270   0.8131   +139    +1.68%

⑧GBPJPY  ↑  143.81   141.64   +217    +1.51%

⑨EURAUD↑  1.2659   1.2468    +191   +1.51%

⑩EURNZD↑  1.5943   1.5705    +238   +1.49%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ EUR(6回),CHF,NZD,AUD,GBP
下落通貨 ⇒ JPY(5回),USD,CAD,GBP,AUD,NZD

豪ドル等のコモディティ通貨は上昇サイド、下落サイドの両方に顔を出しており、通貨マトリクスの中ではConsolidation状態だと言えるでしょう。そもそも複数回数の登場は上昇サイドのユーロと下落サイドの日本円のみです。当然ながらユーロ円が大きく上昇しているのですが、利下げ観測に反してECBが金利を据え置いた事がユーロ上昇の主要因となっています。
 円安の動きは先週もしっかり継続しました。安倍新政権のリーダーシップが今のところしっかり発揮されている事、日本銀行が政府の方針に順応するスタンスを示している事が大きいと思います。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

11日金曜日の北米時間の最後の4時間の攻防です。

    通貨ペア ↑↓ 終値     始値    変動(pips) 変動(%)
①CHFJPY   ↓   97.55     97.75     -20    -0.21%

②CADJPY  ↓   90.47     90.65     -18     -0.20%

③USDCHF  ↑  0.9135   0.9118   +17   +0.19%

④USDCAD  ↑  0.9849   0.9832  +17   +0.17%

⑤NZDUSD  ↓  0.8364   0.8378   -14    -0.17%

⑥AUDCHF  ↑  0.9627   0.9614   +13   +0.14%

⑦GBPCAD  ↑  1.5889   1.5868   +21   +0.13%

⑧EURUSD  ↓  1.3343   1.3359    -16    -0.12%

⑨AUDCAD ↑  1.0379   1.0367   +12   +0.12%

⑩EURJPY   ↓  118.96   119.09    -13    -0.11%

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ USD(4回),JPY(3回),AUD(2回),GBP
下落通貨 ⇒ CAD(4回),CHF(3回),EUR(2回),NZD

最後の調整では米ドルと日本円にやや買い戻しバイアスがかかり、欧州通貨に売りバイアスが掛かっていたイメージです。

2013年1月6日日曜日

A Quick Recap and Review.

2013年に突入した元旦遅くにやっと米下院で”財政の崖”を回避する法案が257対167と言う票差で可決されました。上院は既にこれを89対8で可決済みでした。
 富裕層への増税の仕方を巡るホワイトハウスと共和党との駆け引きは前項でも触れた通り米国内でも”Kabuki”と揶揄されるような大見得の張り合いでしたが、オバマ大統領の素案にあった家計年収250千ドルと言う閾値を450千ドルに引き上げ、それ以上の富裕層の税率を現状の35%から39.6%に引き上げる内容で妥協が成立しました。(単身世帯は400千ドル)

次に控えるのは政府の債務上限問題です。所謂Debt Ceilingと言われる問題ですが、次はこれで新たなKabukiシアターが展開される事になるでしょう。基本構図としては従来の数値は既に到達してしまっているので引き上げは不可避と言う認識の下で、議会側は有効な歳出削減策との抱き合わせで出して貰わないと議会を通過させないと言うスタンスです。ある意味当たり前なのですが、オバマ大統領は最悪、議会を通らない場合でも自身の権限で勝手に引き上げる方針を示しており、間もなく退官となるガイトナー財務長官は、上限そのものの撤廃が望ましいと言うちょっと怖い事も言っています。

12月のFOMC議事録が公開されました。
内容は”Less Dovish"と言う評価です。メンバー間で現行の資産買入れプログラムの扱いに対する時間軸に温度差がある事が明らかで2013年度中にも終了する可能性が示唆される内容になっています。具体的には3つの潮流があるという感じで、①2013年をもって終了させるのがよいという一派、②時期や規模はさて置き、踏み込んだ緩和を継続するべきと言う一派、③2013年中のどこかで資産買入れを終了させるか明確に減速させることで現行プログラムに対する規模の不安やバランスシートの健全性に対する批判を払拭するべきという一派、と言うイメージでしょうか。

米国の経済指標も歌舞伎並みの大見得展開です。金曜日発表の12月雇用統計は、非農業部門新規就業者数が155千人の増加となり、市場予想の145千人を上回った他、11月の数字も146千人から161千人に上方修正されています。失業率は7.8%のまま横ばいでした。
 その他にもADP雇用データ、ISMなどのデータが製造業、非製造業共に強い数字となり年初には円と一緒に売り込まれた米ドルの反転上昇の引き金となっています。 

Top FX Movers Last Week.

本邦勢の多くは4日の金曜日が”仕事始め”だった先週ですが、実質的に金融市場は2日(水)から始動していました。

米国内メディアからも”歌舞伎劇場”と表現された”財政の崖”問題の駆け引きが一応の妥協を見た事(英語でも今回のオバマ政権と議会のハッタリと意地の混じった駆け引きをKabuki TheaterとかKabuki Playと表現していました),12月のFOMCの議事録が予想外にハト派的ではなかった事、同じく12月の雇用統計の内容が過去月データの上方修正も含めて予想比強い内容であった事などから株式市場を筆頭にリスク資産市場が極めて好調なスタートを切った格好となりました。

為替市場のほうは、このような状況下でややトリッキーな展開も見せており、財政の崖問題の妥協案合意後のRisk-on段階では米ドルと日本円に下落バイアスが掛かり、その後は米国経済の堅調な回復振りを示すデータが続いた事を受けた米長期金利の上昇を受けた米ドルの買戻しが席捲して米ドルは反発に転じて来ました。

結局週を通して弱ったのは日本円と言う事になるのですが、2013年第一週の主要通貨ペアの週次パフォーマンスは以下のように整理できます。

  通貨ペア ↑↓  終値   始値     変動(pips) 変動(%)
①CADJPY   ↑   88.98   86.24     +274      +3.08%

②AUDJPY   ↑   91.88   89.16     +272      +2.96%

③NZDJPY   ↑   72.59   70.47     +212      +2.92%

④USDJPY   ↑   88.26    86.00    +226      +2.56%

⑤CADCHF ↑   0.9367  0.9156   +211      +2.25%

⑥AUDCHF ↑   0.9672  0.9466   +206      +2.13%

⑦NZDCHF ↑   0.7642  0.7480   +162      +2.12%

⑧EURCAD ↓   1.2906  1.3177   -271       -2.10%

⑨EURAUD ↓   1.2499  1.2739   -240       -1.92%

⑩EURNZD ↓   1.5818  1.6114   -296       -1.87%

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ CAD(3回),AUD(3回),NZD(3回),USD
下落通貨 ⇒ JPY(4回),CHF(3回),EUR(3回)

2012年終盤の数ヶ月はEUR/AUDの買戻しに代表されるような欧州通貨のコモディティ通貨に対する優位が顕著でしたが、2013年は年初の動きでこれが再度転換するようなバイアスが感じられる動きとなりました。そして何といっても目を引くのが円の続落感です。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

先週金曜日の北米市場最後の4時間の切り出しです。

毎月の如く雇用統計前後でドタバタしましたが、この時間帯は落ち着いた値動きだったようです。

  通貨ペア ↑↓  終値     始値    変動(pips) 変動(%)
①CADCHF  ↓   0.9367   0.9383    -16     -0.17%

②EURCAD  ↑   1.2906   1.2886   +20    +0.15%

③AUDCHF  ↓   0.9672   0.9686    -14     -0.14%

④GBPCHF   ↓  1.4894    1.4915    -21    -0.14%

⑤USDCAD  ↑   0.9917   0.9904    +13   +0.13%

⑥EURAUD  ↑   1.2499   1.2483    +16   +0.13%

⑦EURGBP   ↑   0.8117   0.8107    +10   +0.12%

⑧GBPUSD   ↓   1.6030   1.6047     -17    -0.11%

⑨AUDUSD   ↓   1.0410   1.0421     -11    -0.11%

⑩CHFJPY    ↑    94.98     94.88      +10   +0.11%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ CHF(4回),EUR(3回),USD(3回)
下落通貨 ⇒ CAD(3回),AUD(3回),GBP(3回),JPY

小動きではありますが、週を通した値動きに対する調整方向のバイアスがやや上回っていたと言った感じでしょうか。

2013年1月2日水曜日

Setting JPY Crosses Up for a Break.

年初からのRisk-On相場でドル円が87円台、主要通貨の殆どが対ドル上昇となれば当然ですが、クロス円の価格が一段高となっています。
EURJPY DAILY ⇒ 115円台ミドル
           

CHFJPY DAILY ⇒ 95円台へ













GBPJPY DAILY ⇒ 142円台へ
これでリテール分野での日本人の円売りの動きが 着火するなら2013年は結構な円安となる可能性も膨らむのですが、前項でも述べたとおり、先ずは金曜日の米雇用統計をどう乗り切るかですね。

Fiscal Cliff Deal has Raised Risk Appetite.

米国の目下のアキレス腱とも成り得る懸念材料だった所謂”財政の崖”問題が解決に向かうということで金融市場は年初からポジティブなムードが先行しています。

結局増税対象となる線引きがオバマ大統領の年収250千ドルから450千ドル(家計収入)、400千ドル(単身者)と言うラインで妥協が成立したと言う事です。

波乱材料の解決により所謂Risk-onムードの相場になっています。米ドルと日本円が弱いというやつですね。

ドル円は、87円台に上昇しています。
USDJPY DAILY ⇒ 年末年始で87円越え!

ドル円は実質的な年末相場と認識された12月28日(金)の北米市場のクローズにかけて86円台を維持出来ずに85円台で31日(月)を迎えたのですが、しっかりと86円台を回復し、1月に入って最初から87円台と言う展開です。

上述の通り米ドル全体は弱いので、円以外の主要通貨は対ドルで上昇しています。
EURUSD DAILY ⇒ 年初は上昇から!














GBPUSD DAILY ⇒ GBPも上昇

最近は出遅れ気味であったコモディティ通貨も年初は堅調なスタートとなっています。
AUDUSD DAILY ⇒ しっかり上昇!













NZDUSD DAILY ⇒ NZDも!

4日の金曜日には12月の米雇用統計の発表が控えていますが、どうやらそこまではポジティブモードのRisk-On相場が継続する可能性が高そうです。

Monthly Currency Performance of Dec.2012

2012年の主要通貨ペアの月次パフォーマンスです。
2012年は最後に大きな波が来ましたね。

 通貨ペア ↑↓ 月終値 月始値 変動(pips) 変動(%)
①EURJPY  ↑   114.42   107.04   +738    +6.45%

②GBPJPY  ↑   140.87    132.00   +887   +6.30%

③CHFJPY  ↑    94.69     88.81     +588   +6.21%

④NZDJPY  ↑    71.80     67.58     +422   +5.88%

⑤CADJPY  ↑    87.37     82.89     +448   +5.13%

⑥USDJPY  ↑    86.75      82.45     +430  +4.96%

⑦AUDJPY ↑    90.12      85.96     +416   +4.62%

⑧EURAUD↑   1.2685    1.2449    +236   +1.86%

⑨AUDCHF↓   0.9506    0.9676     -170    -1.79%

⑩GBPAUD↑   1.5623    1.5352    +271    +1.73%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ EUR(2回),GBP(2回),CHF(2回),NZD,CAD,USD,AUD
下落通貨 ⇒ JPY(7回),AUD(3回)

何が強かったと言うよりも日本円と豪ドルが弱かったと言う内容になっています。変動幅も結構なものですね。

Dec 31st Performance.

あまり動かないと思われた12月31日の主要通貨ペアのパフォーマンスです。

これが結構動きましたね・・・

 通貨ペア ↑↓ 終値    始値    変動(pips) 変動(%)
①NZDJPY  ↑  71.80    70.47    +133    +1.85%

②GBPJPY  ↑  140.87  139.02  +185    +1.31%

③CADJPY  ↑  87.37    86.24    +113   +1.29%

④EURNZD ↓ 1.5910   1.6114   -204    -1.28%

⑤NZDCHF ↑ 0.7574   0.7480   +94    +1.24%

⑥AUDJPY  ↑  90.12    89.16     +96    +1.07%

⑦NZDUSD ↑  0.8281  0.8195   +86    +1.04%

⑧USDJPY  ↑   86.75   86.00     +75     +0.86%

⑨AUDNZD↓  1.2539  1.2645   -106     -0.85%

⑩EURGBP ↓  0.8114  0.8174    -60     -0.74%

上記通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ NZD(5回),GBP(2回),CAD,AUD,USD
下落通貨 ⇒ JPY(5回),EUR(2回),CHF,USD,AUD

前項同様ですが、欧州通貨ショート/コモディティ通貨ロングには調整が入っていますが、円の下落は以前トップギアと言うイメージです。

The Final Hours of 2012 for Major Currencies.

2012年のカレンダーはちょっと金融市場にはトリッキーでしたね。

月曜日が大晦日で火曜日が元旦で世界中がお休みと言う状況でしたが、これが結構動きましたね。

12月31日の最後の4時間の攻防は以下のようになります。

  通貨ペア ↑↓  終値   始値    変動(pips)  変動(%)
①EURNZD ↓   1.5910  1.5970   -60    -0.38%

②NZDJPY   ↑   71.80    71.53    +27   +0.38%

③CADJPY   ↑   87.37    87.05    +32    +0.37%

④GBPNZD  ↓   1.9583  1.9654   -71    -0.36%

⑤EURCAD ↓   1.3084   1.3129   -45    -0.34%

⑥CADCHF ↑   0.9221   0.9191  +30   +0.33%

⑦USDCAD ↓   0.9919   0.9948   -29    -0.29%

⑧AUDJPY  ↑   90.12     89.89    +23   +0.26%

⑨NZDCHF ↑   0.7574   0.7555  +19   +0.25%

⑩GBPCAD ↓   1.6116   1.6156   -40    -0.25%

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ CAD(5回),NZD(4回),AUD
下落通貨 ⇒ JPY(3回),EUR(2回),GBP(2回),CHF(2回),USD

最後まで円は安かったと言う一方で欧州通貨とコモディティ通貨のポジショニングには調整圧力が掛かっていたようです。