2013年5月26日日曜日

Nikkei and JPY are the Global Focus This Week.



今週も日経平均と円の動向が世界中の市場関係者の最大の注目点である事は間違いないでしょう。

そして、それらは明らかにTandemの状況にあり、為替が円高に振れ続けるなら日経平均の反発は難しいというように、円安と株高、円高と株安と言う組合せで動く事になります。

海外の株式市場に関するレポートを読んでいても、明らかに円の動向をリスク資産の先導役と位置付けており、「真っ先に見るのはドル円のチャートだ」とか「正面のスクリーンに表示しているのはドル円のチャートだ」と書いている人達が目立ちます。

相関が明確なので無理も無い話ですね。以下のチャートはドル円(オレンジ色)とS&P500で、赤い丸で囲った部分がアベノミクスの開始時点です。そこからの相関がばっちりですね。
USD/JPY cross vs. SPX index, 1 year daily, Courtesy of Bloomberg
Black:S&P500 Orange :USDJPY

ドル円と日経平均の相関は説明不要でしょうが、世界中の株式市場が今やドル円に連動しており、為替をやる人も株などのリスク資産に投資する人も世界中で誰もがドル円のチャートと睨めっこをしているのです。こんな事って何時以来なんでしょうかね。

Review of the Week(5/20-5/24 2013)

先週は、2013年でも最大の激震が走った週と言って良いと思います。溜まっていたマグマが一気に噴出して、一旦は沈静化したように見えていると言うのが今の状況なのではないでしょうか。

1 株式市場

・23日(木)に日経平均が急落。前日比▲1,143.28円(▲7.32%)の14,483.98円で終了。
下落幅は2000年4月以来13年1ヶ月振り規模で歴代11位。下落率では歴代10位。
・朝方は15,900円を越える5年5ヶ月振り高値に到達してからの下落。
・15千円割れは7営業日振り。
・日経平均採用銘柄は全銘柄が下落
・東証1部売買高(76億5514万株)、売買代金(5兆8376億円)は共に過去最高
・これが引き金となり海外株式市場などリスク資産に広範な売りが入る。

2 長期金利(債券市場)

・債券市場は乱高下。
・新発10年物国債利回りは上昇(価格は下落)し、1%に到達。(2012年4月5日以来)
・日銀の緊急資金供給や株売り/債券買いの動きに価格上昇、利回りは0.8%台に低下。 
・前日には米国10年債利回りが2%台となるなど長期金利は世界的に不安定

3 為替市場

・ドル円は103円台後半まで上昇(103.73)後に切り替えして一時100円台に。
・週足は101円水準の攻防へ。
・アベノミクスの調整バイアスで円高。リスク回避でスイスフランに上昇バイアス。
・米ドル独歩高の流れも一服へ。

アベノミクスのモメンタム、円安、株高、米ドル高などのベーストレンドは中長期には継続し、先週のゲリラ豪雨的な調整が全てを反転させてしまうと言う可能性は低いと思われますが、短期的には相場は一旦ダメージコントロールの過程に入ると思います。値動きはchoppyで、チャート分析上も非常に”騙し”が多くなる期間です。軽めのフットワークで機動的な動きを心がけるか、暫くは静観するようなスタンスでも良いのかもしれません。

Nikkei-1 :Sell in (late) May and Go Away.





株式市場には、"Sell in May and go away."と言う格言があります。一種の季節的なアノマリーとでも言いますか、例年株価は春先から上昇し、5月に一端の高値をつける傾向があるという事です。

投資業界では、アベノミクス相場の勢いや復調著しい米国経済を目の当たりにして、2013年の5月は売り逃げしてはいけないのではないかと言う雰囲気が充満していました。
 特に世界中からの投資資本の流入のみならず国内投資家の資金流入も続いていた日本株市場では少し前までの円安で上昇、円高への調整が入ると下落と言う為替相場との相関も崩れ始めており、円高でも円安でも株価は上昇と言う驚きの強気相場が示現していました。

”Hindsight is always 20/20”(後講釈はいつでも正しい)と言いますが、今回の株価急落は、やはり今年もアノマリーには逆らえなかったと言う事になるのでしょうか。

確かにこのアノマリーには裏付けもあります。ヘッジファンド業界を筆頭にやはり年末の12月と中間の6月にはパフォーマンスを残しておく必要があり、手仕舞いの集中し易い6月に入る前の5月に株価が高値を付け易いという背景があるのです。

今回の相場に関して考察すると、相変わらず何時までたっても未熟な自分を感じるのですが、今思えば「あれが危険信号だった」と思う事があります。それはお世話になっている方からのメールだったのですが、「REIT市場(Real Estate Investment Trust)が急落しているけど何か見えているか?」と言う照会メールでした。5月13日の週でしたので、今回の株価や為替に乱暴な調整が入る前週の事でした。
日本経済新聞より
前述のヘッジファンド勢などによる手仕舞いですが、ポジションサイズが大きいほど市場インパクトがあるので時間をかけて新規の買いにぶつけるようにポジションを手仕舞っていきます。

本邦REIT市場は、アベノミクスの最大の受益者とも言える市場であると同時に株式や為替と比較しても圧倒的に市場規模や流動性が小さい市場なので、この流動性の無いものからクローズしていくと言う鉄則に沿った動きを軽視するべきではありませんでした。

このREIT市場の翌週に株式市場、為替市場に激震が走ったと言うのが足元の(先週)の動きですので、恐らくは苦し紛れにFRBの出口戦略(資産買入れ規模の縮小)懸念や中国の成長予測の引下げなどの材料で説明されている先週の動きは、寧ろこのアノマリーに沿った季節要因がメインドライバーだったのではないかと推察します。

Nikkei-2 :Down but Not Out.


日経平均株価の下落の一側面ですが、これまでの上昇が如何に凄いものだったかを物語る話があります。

以下のチャートは過去30日の日経平均株価の値動きですが、一番右端の最後の部分で急落しています。(木曜日に大幅下落、金曜日は乱高下して小幅上昇で終了)
 端的に言えば、ずーっと右上がりに来て最後にズドーンと下落しているのですね。赤で表示した横線が週足のクローズです。
30 day intraday of the Nikkei, Courtesy of Bloomberg
Courtesy of  Bloomberg
勿論重要なのは今後の動向なのですが、乱暴な継続的上昇の後に乱暴な価格調整が入ったと言うだけであり、強気相場の形状は依然崩れたようには見えません。事実として、先週の週足は20日移動平均線よりも情報に位置していますが、これの意味するところは、過去の20営業日(=要するに過去1ヶ月)に株を買った投資家の太宗は、時価評価上の含み益は失っても持値(=購入価格)は割り込んでいないと言う状況だと総括出来ます。一日で1,143円と言う13年1ヶ月振り規模での下落をして尚、過去一ヶ月に株を買った人達の平均持値を割り込んでいないのです。この相場がどれだけの上昇ペースを保ってきたのかがよく判る分析だと思いますし、調整は当然必要であったとも言えるのでしょう。
ただ、それにしても余りに乱暴ではありましたが・・・・・・

JPY and CHF Beating AUD.

為替市場では株価等リスク資産下落で急騰するリスク回避バイアスを受けて引き続き高金利通貨が売り込まれています。ここぞとばかりに中国リスク等も最喧伝される為、豪ドルの被害が顕著になっていると言う印象です。

この流れで米ドル上昇も小休止状態にて、日本円とスイスフランの反発が大きく、これらと豪ドルのような通貨のクロスが大きな値幅を出していると言う状況です。
AUDUSD DAILY ⇒ AUD Feeling Pressure.












AUDJPY DAILY ⇒ OUCH!












USDCHF DAILY ⇒ CHF Kicks USD Down.












USDCHFのチャートは調整から揉み合いに入る感じの形状ですが、AUDの下落は簡単には反転出来ないような印象も受けます。

Precious Metals : Playing Out of the Game.

先週の激震で、リスク資産に乱暴な調整が入る中で、これまで売り込まれてきた日本円やスイスフランが大きく反発し、堅調だった米ドルには下落調整が入っています。

日本円、スイスフランの上昇は、金融市場の大幅調整と言う未曾有の事態を受けた安全資産の面目躍如と言う側面もありそうですが、安全資産の代表格であった貴金属市場は受益者になる事はありませんでした。
GOLD DAILY ⇒ Still in the Woods.












SILVER DAILY ⇒ Not taking Off.












貴金属が今回の動乱の受益者になり損ねているのは、未だに貴金属市場が独自の弱気相場の中にいると言う側面と、先週のような激しい値動きの大相場で資金の引き受けてとなるのは流動性のある安全資産と言う事になるので、貴金属が取り残された原因はやはり流動性の問題が大きいものと解釈しています。先物市場はある意味で”為替化”が進んでいるので24時間触れない事は無いのですが、やはり参加者が多いとは言えず、また先物市場は依然ハイレバレッジ状態ですので貴金属をやるなら現物と言う拘りも強いことも影響していそうですね。

Top FX Movers Last Week.(5/20-5/24 2013)

週次ベースの主要通貨ペア変動ランキングです。

株価、長期金利、為替とゲリア豪雨的に乱暴な調整が入った週でした。
やはり円安の調整が目立っています。

 通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
AUDJPY  97.69    100.44   -275   -2.82% 

CADJPY  98.06    100.38   -232   -2.37% 

GBPJPY  153.11  156.51    -340   -2.22% 

AUDCHF0.9269  0.9464    -195    -2.10% 

USDJPY  101.26  103.17    -191   -1.89% 

CADCHF0.9295  0.9460    -165    -1.78% 

NZDJPY  81.85    83.21     -136    -1.66% 

EURAUD1.3395  1.3181    +214   +1.60% 

GBPCHF 1.4526  1.4746    -220    -1.51% 

USDCHF 0.9606  0.9722    -116     -1.21% 

上記通貨の分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ JPY(5回),CHF(4回),EUR
下落通貨 ⇒ AUD(3回),CAD(2回),GBP(2回),USD(2回),NZD

やはり調整の痕跡が色濃く残る結果となりました。円とスイスフランの上昇が顕著です。
一方で最も売り叩かれたのが豪ドルというのも頷けますね。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

5月24日(金)の北米市場における最後の4時間の値動きです。

週央の非常に大きな変動を消化して、週末の需給はどのように均衡したのでしょうか。

 通貨ペア ↑↓  終値     始値   変動(pips) 変動(%)
NZDJPY 81.85     81.54    +31   +0.38% 

EURJPY 130.96   130.49  +47   +0.36% 

CADJPY 98.06     97.74    +32   +0.33% 

AUDJPY 97.69     97.39    +30   +0.31% 

GBPJPY 153.11   152.67  +44   +0.29% 

CHFJPY 105.28   105.01  +27   +0.26% 

USDJPY 101.26   101.01  +25   +0.25% 

NZDUSD0.8087   0.8073  +14   +0.17% 

GBPNZD1.8691   1.8720   -29    -0.16% 

USDCAD1.0318   1.0333   -15   -0.15% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ NZD(3回),CAD(2回),EUR,AUD,GBP,CHF,USD
下落通貨 ⇒ JPY(7回),USD(2回),GBP

大幅に調整したクロス円がふらふらと上昇した感じの動きで終了しています。
円ショートの調整は一巡している可能性がありますね。

2013年5月19日日曜日

Review of Lat Week(5/13-5/17 2013).

先週の金融市場は細かい値動きはありましたが、総括すれば前週に確認されたトレンドが勢いを増して進行したと言う事になります。

1 先進主要国の株式市場続伸。

・米株:Dowが先週も新高値を更新(終値$15,354.4)。S&P500も新高値(終値$1,447.47)で追随。

・英株:FTSE100も£6,723.06まで上昇し、"New 5 Year High"を更新。

・独株:DAXも最高値を更新(E8,389)。

・日経平均は15千円を越えて5年5ヶ月振り高値15,138.2円へ。

2 長期金利上昇も継続。

・米10年債利回りは1.949%,30年債利回りは3.165%まで上昇。

3 貴金属はリテール勢の投売り観測も。

・金価格は1オンス辺り$1,358.3まで大幅続落。

4 気を吐く米ドル、コモディティ通貨に売り圧力継続。

・DXY(ドルインデックス)は84.20まで上伸。
・ドル円は101円台⇒103円台へ続伸。
・主要通貨で最弱は円ではなく豪ドル。ニュジーランドドル、カナダドルを道連れに。

大袈裟に聞こえるかもしれませんが(文字だから聞こえないか(笑))、予想以上のことが、予想以上のペースで進行中と言って良いと思います。

Precious Metals : Deeper Correction.

貴金属市場が先週も続落しました。
GOLD DAILY ⇒ 8 Negative Bars in a Row.












SILVER DAILY ⇒ Failed to Bounce?












貴金属はレバレッジの掛かる先物市場を避けて持つなら現物にしなさいと言う専門家の推奨もあり、個人投資家を中心としたリテール勢は主にコインの備蓄に走っていましたが、レバレッジ縮小に迫られたファンド勢等による先物市場の大幅調整は、遂にリテール勢の恐怖心にも火をつけてしまったと言うレポートを読みました。

戦線を縮小して来た株式などリスク資産が大復活し、安全を求めて増やしてきた債券、貴金属、コモディティ、高金利を享受しようと手を出してきた豪ドルなど高金利通貨が大きなダメージに晒されていると言うリテール投資家の状況は容易に察しが付きます。

Volatilityの上昇が齎すものは、InvestmentからTradingへの主役の移行なのでしょうか?

USDJPY:Running Trough 102's Up into 103"s.

日本のGolden Week中に97円ミドルを試したところから上昇を続けるドル円ですが、遂に先週は103円台に入っています。
USDJPY DAILY ⇒ 一気に103円台へ













・先々週は99円台から101円台に上昇。

・先週は101円台から103円台に上昇。

と言うことで週次ベースで見れば2週連続で3つの大台を舐めており、この2週間では99円台から103円台まで足掛け5つのBig Figureを跨ぐ値動きで上昇してきました。

近年のこの通貨ペアの値動きとしては、圧巻のVolatilityとしか表現のしようもありませんね。

G7でも各国の理解が得られたと言う解釈で相場が走っていますが、日本の第一四半期GDPが市場予想の0.7%成長を上回る0.9%成長だったと言う発表もあり、円安、株高の効果が経済成長を先導すると言うアベノミクスのユーフォリアが強まってきていると言う背景もあります。
 確かに2012年度の第四四半期のGDP伸び率は0%であり、今回の0.9%成長は出色の出来でしょう。これは年率換算で約3.6%になるわけですからね。

まさか今週105円と言う事になるとは思いませんが、今の相場はアベノミクス要因の円安以外に米ドル独歩高と言う背景もあるので、ペースはともかく105円への挑戦は時間の問題ではないでしょうか。

AUD is Weaker Than Tumbling JPY Now.

一気に103円台まで上昇したドル円に注目が集まりすぎなので、今の相場は円安とも限らないのだと言う側面を確認しておきましょう。

USDJPY DAILY ⇒ Breaking Through 103 Mark.











AUDJPY DAILY ⇒ Oops AUD Declines vs JPY.












要するに103円までドル高円安になったとメディアも騒ぎますが、日本円は対豪ドルでは円高に推移してきていると言う事です。

要するに日本円だけではなく、今は多くの通貨が対米ドルで下落しており、日本円は必ずしもその先頭走者とも限らないと言う事です。

二つのチャートから明らかですが、同期間(=先週)のAUDUSDのチャートは当然こうなります。
AUDUSD DAILY ⇒ Tumbling AUD.












米株、米ドルへの資本還流恐るべしです。

A Tug of War Between US Stocks and Dollar.:Shadows Usually Accompany Light?



圧巻の上昇は米株市場。着実に地歩を固めながらの上昇は米ドル。何となくここからは両者の間のダイバージェンスが拡大して市場参加者が困惑する局面が出てくるかもしれないと感じます。
GBP/JPY 4 Hours Chart
S&P500 ⇒ Breaking the Envelope to New Highs?


かなり悩ましいのですが、米国の株式市場は従来の上昇エンベロープのレジスタンスラインを超えて加速するかのようなモメンタムを示していますが、ドルインデックスに関してはややもすれば辛うじて前回高値を更新するも、モメンタムは付いてきていないような印象も残るのです。

無人の野をひた走る米株が、米ドルを引き上げていくのか、局面局面で腰の重い米ドルが米株市場の調整を誘発するのか。

”好事魔多し”とも言いますので、思い込まずに追いかけると言うスタンスが良いかもしれません。

Shadows Usually Accompany Light.
GBP/JPY 4 Hours Chart
Dollar Index ⇒ Breaking Previous High(84.10) on Slowing Momentum?
 ・・・・・ かも。。。?

Top FX Movers Lat Week(5/13-5/17 2013).

先週を通した週次ベースの主要通貨ペアの攻防戦です。

 通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
AUDUSD0.9735    1.0019   -284    -2.92% 

NZDUSD0.8064    0.8297   -233    -2.89% 

EURAUD1.3181    1.2958   +223  +1.69% 

EURNZD1.5904    1.5638   +266  +1.67% 

USDCAD1.0274    1.0105   +169  +1.64% 

GBPAUD1.5576    1.5325   +251  +1.61% 

GBPNZD1.8796    1.8495   +301   +1.60% 

USDCHF 0.9722   0.9571    +151  +1.55% 

USDJPY  103.17   101.61    +156  +1.51% 

AUDJPY 100.44    101.81    -137   -1.36% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ USD(5回),EUR(2回),GBP(2回),JPY
下落通貨 ⇒ AUD(4回),NZD(3回),CAD,CHF,JPY

先週も米ドル高が際立っています。南半球の不調も加速気味ですね・・・・

The Final Round Rush:How They Finished the Week(5/13-5/17 2013)

5月17日(金)北米市場における最後の4時間の主要通貨間の攻防です。

ドル円が何度か振り落とされながらも結局は103円台で越週しているように円安が目を引きますが、これを見ると・・・

①市場の円ショートポジションは思ったほど溜まっていない。
②市場はかなり円ショートだが、一部の大口プレーヤーに集中している。

のどちらかではないかと言う印象も持ちますね。

 通貨ペア ↑↓ 終値    始値   変動(pips) 変動(%)
EURJPY 132.43   132.12  +31    +0.23% 

NZDCHF0.7840   0.7857  -17     -0.22% 

CHFJPY 106.09   105.89  +20    +0.19% 

EURNZD1.5904  1.5875  +29    +0.18% 

NZDUSD0.8064  0.8078   -14     -0.17% 

USDJPY 103.17  103.00   +17    +0.16% 

NZDCAD0.8283  0.8296   -13     -0.16% 

GBPCHF1.4746  1.4764    -18     -0.12% 

EURGBP0.8459  0.8449   +10    +0.12% 

CADJPY100.38   100.27   +11    +0.11% 

上記通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ EUR(3回),CAD(3回),CHF(2回),USD(2回)
下落通貨 ⇒ JPY(4回),NZD(4回),GBP(2回)

繰り返しますが週末前の最後の調整でも円が反発していないのはとても意外ですね。

2013年5月12日日曜日

Review of Last Week.

先週の金融市場の圧巻のVolatilityは特筆物でした。

大きな流れだけ整理しておきます。

1 株式市場続伸
・Dowが15千ドル突破で$15,118.5の高値更新で越週。
・S&P500も$1,633.7の新値で追随。
・ドイツDAXもE8,278.6の新高値、英FTSEは6,625の5年振り高値を記録。

2 米長期金利上昇
・10年債利回りは1.9%まで上昇。(今月の安値は1.614%)
・30年債利回りは3.104%まで上昇。(今月安値は2.81%)

3 為替市場は米ドル高へ
・ドルインデックスは83台まで上昇。4月の高値もクリア。
・円は再下落。ドル円は遂に100円を突破して一気に102円に迫る動きに。
・ユーロも対ドルで1.32台から久し振りに1.3を割り込む動きに。
・RBAのサプライズ利下げでAUDに下落バイアス。
・RBNZの通貨高抑制の為替介入発言でNZDも下落バイアス。
・スイスフランや貴金属と言う安全資産にも下落バイアス継続。
・以上で米ドル独歩高的な風景に。

この大きな潮流はどれも中期トレンドを形成していく勢いが十分に感じられる展開です。幾つかの市場では明確な水準の変更が起きている可能性が無視出来ません。身近な例がドル円ですが、あれだけ揉み合った後に、これだけスッキリと上抜けしてしまうと、今後の調整局面でも100円は強固なサポート水準(支持線)となった可能性が高いでしょう。我々はドル円3桁時代に回帰した可能性を頭に入れなくてはなりません。

Risk Money : Coming Out of Hibernation.

過去数年間で頻繁に聞かれた言葉に "Cah is King"と言う表現があります。世界中の資産市場でバブルと信用の崩壊と価格の溶解が同時進行するDe-leverageの過程では投資していた資金を引き上げて現金で保有しておくのがベストだったという事です。

最もレバレッジの掛かっていたリスク資産市場から引き上げられた投資資金は最初は文字通りに現金として保有され、日本ではタンス預金、海外ではマットレス預金と言う表現が流行りました。
(この辺りの表現の比較も面白いですね)

その後、日本の箪笥や欧米のMattressから断続的に脱出した資金は”安全資産”とされる領域に異動しました。貴金属(主に現物)、通貨なら日本円、スイスフラン、あらゆる抗争・紛争から距離を置く地政学的メリットと比較的高金利であった豪ドルやニュージーランドドルと言う南半球通過も好まれました。

現在、リスク資産の代表たる主要国の株式市場や不動産市場、北米通貨や英国ポンドなどに資本流入が続く中で、これら資本がどこから出てきているのかは明白に上述のような”Safe Heaven=安全資産”です。
GOLD DAILY ⇒ Funds Flowing Out.











SILVER DAILY ⇒ Funds Flowing Out.











AUDUSD DAILY ⇒ AUD Loses Ground.











NZD DAILY ⇒ NZD Loses Ground. 











USDCHF DAILY ⇒ USD Advances vs CHF.











USDJPY DAILY ⇒ USDJPY Tries 102 Now.











日本のアベノミクスの影響も当然ありますが、米国のQE3と言う壮大な実験が大成功に終わり、遂に出口戦略の詳細を検討する段階に入ったと言う楽観論が全ての動きを主導しているように感じます。

デコボコはあるものの米国の経済指標の継続的な改善、特にアキレス腱と目されてきた雇用情勢に継続的な改善傾向が定着し、企業業績にも改善傾向が安定してきたと言う実感がある・・・・・・・・・・少なくともそういう実感がマクロでもミクロでも広がってきていると言う事です。

North American Currencies Rule FX world.

北米通貨(米ドル、カナダドル)が為替市場の”勝ち組度合い”を強めています。
EURUSD DAILY ⇒ Breaking 1.3 Threshould?











GBPUSD DAILY ⇒ GBP Losing Steam.











USDCHF DAILY ⇒ USD Advances.











AUDCAD DAILY ⇒ AUD Gives in to CAD.











CADJPY DAILY ⇒ CAD Breaks Higher.











CADはUSDと組んで北米通貨と言う分類で見たほうが良い場合と、AUDやNZDと一緒にコモディティ通貨として振舞う場合とがあるのですが、今は完全に前者の状況ですね。
 背景は豪州RBAの予想外の利下げとRBNZによるNZD高抑制介入と言う南半球事情に加えて米国のQE3が成果を出し、いよいよ出口戦略が真剣に検討されるほど成功裏に終わるとの北米経済へのユーフォリア復活があります。

A Look of US Markets : USD,Treasury Yields,Stocks.

米国市場は、ドル上昇、株上昇、債券下落=長期金利上昇と言う大きなトレンドが強いモメンタムで進行中です。チャートで確認してみましょう。結構強烈です。
GBP/JPY 4 Hours Chart
DXY(Dollar Index)中期チャート ⇒ Breaking Higher
GBP/JPY 4 Hours Chart
S&P500 ⇒ Running to New Highs with Momentum.
GBP/JPY 4 Hours Chart
US 10Y Treasury Yield ⇒ Inflecting Higher


どのチャートも鋭角的で、特にドルと長期金利の動向は要注意です。

USDJPY : The Break of 100 = Another Shot in the Arm.

ドル円は遂に100円を突破しました。

100円の壁に何度も跳ね返されて膠着状態に入っていたのですが、もみ合う相場はエネルギーを溜めるものなのでいつか100円を越える時には一気に上伸する可能性があると思ってはいましたが、まさかほぼ一直線で102円に肉薄するとは思いませんでした。
USDJPY DAILY ⇒ Broke Out of Consolidation.

実は木曜日の北米市場における100円を越えていく時の値動きですが、かなりの力技であった可能性が高いです。

具体的な値動きですが、99円台前半の売りオーダーがQuoteされている段階で、一気に100円を越える水準で大口買い注文が市場に打ち込まれた為に99円台後半などは一気通貫状態で文字通りに瞬時に100円を突破していたと言うイメージでしょうか。

一方で、過去何度も100円越えを期待して99円台後半でドル円を買っては反落時に損切りを余儀無くされていたトレーダーの多くは、所謂”追いかけ買い”をやめて実際に100円を突破したところで買いを仕掛けるオーダーをブローカーなどに預けていました。その為に実際にドル円が突然100円を越えたところでほぼ自動的に追撃の買い上げが起きたというのがこの相場が一本調子で102円に肉薄するような値動きとなった背景でしょう。

上記のチャートは教科書的なレンジブレイクです。この後の動きも教科書的であるならば、今後の調整局面では100円手前はサポートとして意識されて買いオーダーが厚いはずです。基本シナリオはレンジが上方修正されてドル円は3桁時代に回帰したと言う事になります。

Top FX Movers Last Week.

イベント的には先々週がBig Weekと見ていましたが、Volatilityと言う意味では先週がBigger Weekとなりました。

本当に色々ありましたが、週次ベースの主要通貨ペアの変動は以下のようになりました。

   通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
AUDUSD 1.0019     1.0315      -296     -2.95% 

NZDUSD 0.8297     0.8536      -239     -2.88% 

AUDCAD1.0128     1.0399      -271     -2.68% 

NZDCAD 0.8382    0.8604      -222     -2.65% 

USDJPY 101.61     99.02       +259    +2.55% 

USDCHF 0.9571    0.9349      +222    +2.32% 

CADJPY  100.52    98.19        +233    +2.32% 

CADCHF 0.9466    0.9273      +193    +2.04% 

EURAUD1.2958     1.2713      +245    +1.89% 

EURNZD1.5638     1.5365      +273    +1.75% 

上記通貨ペアの分解は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ CAD(4回),USD(4回),EUR(2回)
下落通貨 ⇒ AUD(3回),NZD(3回),JPY(2回),CHF(2回)

北米通貨が大きく地歩を伸ばし、南半球通貨がへこんでいます。ドル円の100円越えが一大イベントでしたが、南半球通貨は日本円以上に下落している事は大きなポイントです。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

5月10日(金)の北米市場における最後の4時間の為替市場の動向です。


   通貨ペア ↑↓ 終値   始値   変動(pips) 変動(%)
EURCHF 1.2432 1.2400  +32   +0.26% 

GBPCHF 1.4706 1.4669  +37   +0.25% 

CADCHF0.9466 0.9444  +22   +0.23% 

AUDCHF0.9586 0.9565  +21   +0.22% 

NZDCAD0.8382 0.8395  -13    -0.16% 

USDCHF 0.9571 0.9557  +14   +0.15% 

EURJPY  131.98  131.79  +19   +0.14% 

CADJPY 100.52  100.38  +14   +0.14% 

NZDCHF0.7941  0.7930  +11   +0.14% 

AUDJPY 101.81  101.67  +14   +0.14% 

通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ CAD(3回),EUR(2回),AUD(2回),GBP ,USD ,NZD
下落通貨 ⇒ CHF(6回),JPY(3回)、NZD

基本は週次のバイアスに沿った動きだったと言えるでしょう。CHFとJPYは最後まで下落バイアスでした。

2013年5月6日月曜日

Precious Metals : Drawing Attention.

この週末も投資業界では貴金属価格の動向に関する議論が随分目立っています。

・調整は終わったのか?
・ここは買い場か?
・そもそも上昇相場は続いているのか?

多くのメディアがTVでもラジオでも著名投資家を呼び出しては、”Are you buying or selling here?"等と殆ど詰問しているようなインタビューを繰り広げています。

GoldやSilverのチャートを確認すると・・・

Gold Daily ⇒ Hanging in....











Silver Daily ⇒ Hanging on........












まースッキリしませんね。

情報が交錯する一因は特にコインの世界(金貨や銀貨ですが)で、Retailの動きが非常に逆張り的に見える事でしょう。この辺りは少し為替市場と外貨預金の関係に似ているのですが、円高の記事が新聞に載ると翌日には金融機関の外貨預金が急増したり両替ショップで外貨が売り切れたりする事が多いように、昨今の貴金属市場の不調を見て金貨、銀貨の購入熱が寧ろ盛り上がっているのです。アジア人の金貨の購入が昨年同時期比の9倍になったと言うレポートも見ました。

純粋にチャートを見る限りでは、GoldとSilverの間にネガティブなダイバージェンスが起きているようにも見えるので、少なくとも慌てて買う必要はあまり感じられないと言うイメージで見ていますが如何でしょうか。

USDJPY : Revisiting the Vicinity of 100 Mark.

週末はドル円が97円台の膠着を抜け出して99円台を回復する展開となりました。
USDJPY DAILY ⇒ Third Attempt of 100 Mark.

このチャートで見ても如何に100円の壁が手強いかがよく判りますが、今回は三度目の正直を狙うイメージでしょうか。

ドーンと急騰した相場が一定期間保合い推移となり、やがて上に抜けていく図式はテクニカル分析的には殆ど教科書的なチャートパターンと言うことになりますが、今週にでもドル円が100円を越えていくならば、まさにClassic Breakoutとでも言いたくなるような展開ですね。

4月、5月は株価は堅調ですが円安にはブレーキも掛かっていたので、相応に市場の円ショートも整理されているはずです。中には円ロングに戦略を転換していた勢力もいるでしょう。誰もが100円は通過点と思っていた時には失速し、大方諦めているような時に抜けてしまうと言う展開は色々な市場で幾らでも繰り返されてきた事です。

週末になってイスラエルによるシリア空爆と言うリスク回避方向の火種となりかねない情報も入ってきているのが気になりますが、これを含む新たなリスク回避方向の材料が拡大しなければ今週は久し振りにドル円の100円ラインの攻防が見られる可能性もありそうです。

2013年5月5日日曜日

A Post View of the Big Week.

先週は横綱級の材料も多かった訳ですが、期待に違わぬ重要週になったと言えるでしょう。将来2013年の相場を振り返る時に、”あそこが節目だった”と言われる可能性もあるのではないでしょうか。

ざっくり整理しておきましょう。

1 金融市場

米株上伸 ⇒ Dowが初めて$15千を突破し、終値でも$14,973の最高値更新。S&P500も$1,600越となり$1,614の最高値で越週。

商品市場反発 ⇒ 貴金属安定。原油価格も反発継続でバレル単価$95.61まで回復。

為替市場 ⇒ 米ドル、日本円が下落。(前項の通りRisk-Onの図式)

2 米国

FOMC ⇒ Unchanged。資産買入れも$85bioを維持。声明文の注目材料は量的緩和の柔軟な伸縮を明記(縮小(=出口戦略)だけではなく経済状況に応じて拡大もあり)した事と回復基調が加速しない中での財政緊縮バイアスへの懸念と不満に言及した事。

経済指標 ⇒ 斑模様。4月雇用統計はNFP(非農業部門雇用者増)は+165千人(予想は+155千人)となり、3月の数字も+88千人から+138千人に上方修正。失業率も4年振り水準となる7.5%まで低下。一方でISMは製造業が50.7、非製造業も53.1まで想定以上の低下となりました。

3 欧州

ECB ⇒ 政策金利(Main refinancing Rate)引下げ(0.75%⇒0.5%)。インフレ懸念の改善と失業率の悪化に対処。声明と記者会見では少々混乱が生じており、Draghi総裁はデポ金利に関してネガティブ金利も選択肢と明言するも、慌てた(?)Nowotny理事の火消し発言でユーロが乱高下。

欧州委員会 ⇒ 欧州経済の先行き予想を下方修正。2013年は+0.3%から-0.4%に、2014年は+1.4%から+1.2%の予想へ。17ヵ国中の上位5カ国ではドイツを除く4カ国(フランス、スペイン、イタリア、オランダ)が2013年はRecession予想に。

4 英国

経済指標改善。PMI製造業49.8まで改善(予想48.5)、PMIサービス業も52.9まで改善(予想52.4)

このように米国、英国が改善傾向を強調し、欧州が悪いなりに手は打って来ているということで潤沢に供給される流動性がリスク資産に流れる動きが継続しています。株式市場の堅調が目立ちますが、この辺りはまだまだ予想外に大きなうねりの途中経過に過ぎないのかもしれません。

A Glimpse of another Risk-On Moves?(Part1)

金融政策においてある意味で日米とは一線を画してきた欧州が遂に利下げを断行した事を好感し、米国でも予想比強めの雇用統計が出た事でリスク資産への資本流入が再加速する可能性があります。

所謂Risk-On相場の中でリスク資産価格が上昇し、米ドルと日本円には下落バイアスがかかりやすいという状況になっています。 

GBP/JPY 4 Hours ChartGBP/JPY 4 Hours Chart
Stocks⇒Higher Highs/Dollar Index⇒Lower Lows
 
最初のチャートが米株(S&P500)で、下段のチャートがドルインデックスです。

株価は価格だけではなくオシレータ系も綺麗な上向きになっていますね。

DXY(ドルインデックス)については暴落の気配は感じませんが、価格は波型を作りながら右下がりのエンベロープの中で上下しているのみと言う印象です。オシレータ系も失速感ありですね・・・・・

A Glimpse of Another Risk-On? (Part2)

株高(リスク資産高)、ドル安、円安と言うRisk-On的な構図の中で、既稿の如く先週はクロス円の上昇(円安)が目立つ形で終了しています。
AUDJPY DAILY ⇒ 100円割れてから102円台へ











EURJPY DAILY ⇒ 髭ばかりから大きな実体が出現












GBPJPY DAILY ⇒ 先週のトップランナー













5月前半でSolidな上昇が演出出来れば、どのチャートもBOX抜けと言うパターンになりそうですけどね。やはりこの辺りはドル円の100円越えとの相関が高そうですね。

Top FX Movers Last Week.

遂にECBの利下げ、米国ではFOMCによる財政への注文と予想を上回る雇用統計の発表があり株式市場も断続的に上値を更新し続ける展開となった先週の週次ベースでの主要通貨の攻防です。

 通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
CADJPY 98.19   96.39    +180   +1.83%

CHFJPY105.86 104.03   +183   +1.73%

EURJPY 129.89 127.75   +214   +1.65%

NZDJPY  84.51  83.15    +136   +1.61%

GBPJPY 154.18 151.74   +244   +1.58%

AUDJPY 102.13 100.80   +133   +1.30%

USDJPY  99.02   98.06    +96    +0.97%

USDCAD 1.0080 1.0170   -90    -0.89%

USDCHF 0.9349  0.9423  -74    -0.79%

EURUSD 1.3118  1.3029   +89   +0.68%

上記通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ CAD(2回),CHF(2回),EUR(2回),NZD,GBP,AUD,USD
下落通貨 ⇒ JPY(7回),USD(3回)

ここでのメッセージは単純ですね。高値を更新する米株市場や回復基調を強める商品市場とも歩調を合わせた動きですが、ECBの利下げや米雇用データの堅調さから市場は完全にRisk-Onモードに復帰しようとしており、その中でUSDとJPYが弱いという従来通りの図式と言う事です。