2013年6月30日日曜日

Money Still Moves From the Periphery Back to the Center.



多くのメディアが中国のShadow Banking問題を取り上げています。
 これを直訳的に考えて”闇金融”のようなものを連想する投資家も多いだとすれば、その言葉のイメージが恐怖心を刺激すると言う悪循環もあるのかもしれません。

実体は日本でもあった”ノンバンク”や”住専”の問題に近いというのが実体だと思うのですが、問題は、・・・経済指標然りですが・・・、中国の場合は実際の規模感や表に出てくる数字の信憑性が低いと言う事です。
 そこに持ってきて先般大手米銀が保有する中国の金融機関の株式を全て売却し、事実上の中国からの撤退を公表した事で、「やはり相当危ないのではないか」と言う憶測を呼んでしまったようです。実際にこのディール自体もロスカット的な水準で行っている可能性が高いのだとすれば、不安材料である事は仕方のない事なのかもしれません。

最近はブラジルやトルコにおける市民の大規模なデモ行動などもメディアを賑わせている事で、新興国市場全般から資金が引き上げられて、先進国市場に回帰すると言う動きも相当規模で起きています。
MSCI Emerging Markets Index


チャートはMSCIの新興国市場のインデックスです。週次チャートですが、5週間連続の陰線となっており、しかも陰線の長さが拡大してきている事も明らかです。

先週は四半期末であった事で、Climax的な資金引き上げがおきた可能性もあり、短期的には新興国からの資金引き上げは一段落した可能性もありそうですが、前述の大手米銀の明確な中国からの撤退方針などを見れば、決して短期トレード的な動きだけではない事も明らかです。

通貨市場でも豪ドルなど新興国全般、特に中国経済との相関が大きいとされる”High Beta”通貨が売り込まれてきました。
AUDUSD DAILY ⇒ Failed to Hold?

7月に入って小休止、小反発はあると思いますが、先進国市場への資本還流の動きは中期トレンドとして継続していく可能性が高そうです。