2013年7月21日日曜日

FRB still Walks the Fine Line Between Idealism and Pessimism.

行きはよいよい、帰りはこわい・・・

”とうりゃんせ”の歌はあたかも量的緩和をはじめとする異次元金融政策のことを歌っているようです。

米国の量的緩和(QE)は、当初は5次でも6次でも必要なだけ継続されるだろうと言う憶測も有力でしたが、QE3となった現段階でTaperingの議論が出ているのですからある意味ではFRBは相当上手く切り盛りしてきたと言う事になるのだと思います。

2010年の11月の投稿でも、当時のQE2に対する考察で、GoldilocksとGridlockはSpellingも似ているように紙一重であると言う見立てを書きました。


Goldilocksと言う理想とGridlockと言う悲観の間で、Bernanke議長以下FRBの面々は非常に狭い道を上手に渡り歩いてきたように思います。

安倍政権+黒田日銀が行う更なる異次元緩和はQQE(質的量的緩和)とも呼ばれる壮大な大勝負なのですが、ここで米国がQE3まで続いたQE政策を見事に成功させて異次元空間から脱出していくのであれば、これは先進国の中央銀行全体にとっての絶大なる成功体験、先行事例と言う事になるのですが、最大の難問は金融市場の過剰反応というVolatilityのようです。

異次元緩和は資金ジャブジャブ政策とも言われるのですが、これで株式や新興国などリスク資産に資金が供給される間は、市場はまさにお祭り騒ぎになります。
 一方で、少しでも緩和解除方向の話が出れば、世界中から米国に資本が還流してしまい、新興国市場などのダメージへの配慮から当局者が火消しに躍起になると言う図式が定着してしまいました。これは、アベノミクス(or アベクロミクス)にも突きつけられる将来の課題と言うべきものでもあります。

リスク資産市場の価格変動は、QE進行中は低Volatilityでダラダラ上昇し、QE縮小時にはVolatilityの急騰と共に資金は一気に立ち去ります。

冒頭の歌詞は、以下のように書き替えても良いでしょう。

行きは良い酔い、帰りはヤバイ・・・

異次元緩和とは、酒席の如く、程好い所で撤退する事が極めて難しいと言う事です。