基本的には週央に米国で行われたFOMCで11月に追加の量的緩和策が実施される可能性が強く示された事で米国景気の二番底懸念が後退し、この米国経済が腰折れはせずに世界景気もサポートされるという安堵感から株式市場や新興国・資源国市場に大量の投資マネーが雪崩れ込む動きとなっています。為替市場では米ドルが全面安ですね。
一方もう一つの特筆すべきポイントは前週に本邦金融当局が6.5年振りの円売り介入を断行した事で一旦は円安に触れていたドル円が先週は再び円高方向に戻してしまっている点です。別項で取り上げたいと思いますが、9月15日(水)の手際が見事だった本邦MOF/BOJですが、先週からは為替市場とのコミュニケーションを失敗し始めているような懸念が強まっています。金曜日には大きく市場が円安に振れる場面もあり、一部メディアが2回目の介入が行われたような報道もしていましたが、どうやら介入行為は無かった可能性が高く、梯子をはずされた格好となった市場参加者は海外市場で円を買い戻す動きに出ています。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動幅(PIPS) 変動率
① EURUSD 1.3488 1.3048 +440 +3.26%
② USDCHF 0.9829 1.0096 -267 -2.72%
③ EURCAD 1.3809 1.3475 +334 +2.42%
④ AUDUSD 0.9590 0.9360 +230 +2.40%
⑤ EURNZD 1.8365 1.7971 +394 +2.15%
⑥ EURGBP 0.8524 0.8346 +178 +2.09%
⑦ USDJPY 84.20 85.85 -165 -1.96%
⑧ CADCHF 0.9595 0.9772 -177 -1.84%
⑨ AUDCAD 0.9819 0.9666 +153 +1.56%
⑩ NZDCHF 0.7209 0.7320 -111 -1.54%
今週は本邦の上半期末となっており、9月30日(木)の水準を意識した神経戦となりそうです。先週終盤は米ドル全面安でしたが、多くの通貨が対ドルで短期的にやや買われ過ぎ水準にある感じがするのでドルが自律反発する局面があれば当局も押し上げ的な介入の好機となりそうです。