今の金融市場には悲観と楽観が入り混じっていると思いますが、悲観論の視点から見れば財政破綻懸念のある主要国政府の発行する紙のお金は文字通り紙屑になる恐れがあると言う事でPaper AseetからReal Assetへの資金移動が起こり易いと言う事になり、楽観的な視点から見ても新興国の人口増と生活水準の向上による食料、衣料、住宅、エネルギーへの需要増は確実なのでReal Assetが買われ易いということになります。
つまりは、いじれにしても実物資産の価格上昇の可能性は非常に高いということになるでしょう。
従来のRisk-on,Risk-offという尺度であれば、Risk-onなら実物資産を含むあらゆるリスク資産が上昇し、Risk-offならPaperAssetへの資金還流が起きてRisk資産は値崩れすると言う図式でしたので足元の動きは少し従来のRiskのOn/Offの動きとは違ってきていると言う事になるかもしれません。
最近では背景に様々な資産クラスを束ねてその価格変動にリンクして動くETF(上場投信:Exchange Traded Fund)がありますが、そのパフォーマンスをチェックしていたらまさにそんな図式が現れていました。下図は過去3ヶ月における各資産のETF価格の変動です。
Big Winners Big Losers
Cotton 67.60% Livestock -3.40%
Sugar 46.30% Turkey -4.70%
Silver 38.50% Spain -8.30%
半導体30.20% Natural Gas -12.70%
Oil Services 26.60% Volatility -45.50%
* Trends measured by major ETFs representing each asset.
左側に青字で示したCottonやSugarは凄い値上がりですね。SilverやOil関係は認識していましたが
たいしたものです。右側の値下がりの大きかったETFではトルコ株や天然ガスはやや意外ですがスペイン株は当然でしょうね。
そして・・・・Volatilityの約46%ダウンですが、要するにこれはVIX指数に連動したETFの値下がりで、株式市場の大健闘によるVIX指数の低迷が明白ですね。
投資家にとっての為替リスクは、従来の為替変動のリスクから今では通貨そのもののリスクを意味するようになってきたという事なのでしょう。