先週は流石にいよいよ年末を意識せざるを得ない相場展開となってきましたね。
足元の金融市場の震源地である日米欧の長期金利動向ですが週半ばまでは金利上昇のPain Tradeが継続したものの終盤はそれなりに債券の買戻しが出て各国の長期金利の急騰はやや落ち着き始めたかもしれません。
債券市場から流出を続けてきた資金の主な引き受け手となってきた株式市場の安定感は抜群で、投資家のリスクに対する恐怖指数とされるVIX指数も非常に低位安定状態を続けています。
この指標は週末時点で16.09まで下落していますが、これは4月に株価が短期サイクルの高値をつけた時の15.23以来の低水準です。また2008年5月の15.82、2007年10月の16.12にも非常に近い水準ですね。2008年の5月19日に株価は高値をつけた後に10ヶ月かけて株価は50%下落し、2077年の10月9日のVIX指数16.12のボトムはDow平均が史上最高値を更新する二日前のことでした。
株式市場への強気な姿勢は強まるばかりと言う感じですが個人的には少し慎重なスタンスが必要ではないかと思うところです。
さて、先週の主要通貨ペアの変動規模トップ10を見てみましょう。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①GBPCHF 1.5065 1.5500 -435 -2.89%
②NZDCHF 0.7147 0.7325 -178 -2.49%
③GBPAUD 1.5702 1.6031 -329 -2.10%
④AUDNZD 1.3414 1.3185 +229 +1.71%
⑤GBPUSD 1.5534 1.5799 -265 -1.71%
⑥GBPJPY 130.41 132.61 -220 -1.69%
⑦CADCHF 0.9571 0.9718 -147 -1.54%
⑧EURCHF 1.2785 1.2975 -190 -1.49%
⑨EURGBP 0.8485 0.8367 +118 +1.39%
⑩NZDUSD 0.7370 0.7467 -97 -1.32%
先週も週内の振幅が結構ありましたが、終わってみれば結構勝組と負組が明確に分かれる結果となっています。
上昇した通貨としては、CHF4回、AUDとUSDが2回、円とEURが1回ずつ登場しています。
下落した通貨としては、GBP5回、NZD3回、CADとEURが1回ずつです。
CHFの強さは相変わらずですが、ここへ来てGBPの下落が目立ってきました。GBPはライバルのEURの混乱を尻目に相対的に堅調な動きをしてきましたが幾つか悪材料が出てきてしまっている状況ですね。
年末にかけては各市場が流動性の極端な低下というこの時期特有のリスクに直面する事になりますが、金融市場の中で最も出来高が大きく、最も流動性が潤沢とされる為替市場も例外では在りません。先週のような上下にヒゲを出す振幅を繰り返しながら、ベースラインとしての流れはUSD,CHFの上昇とEUR,GBPの下落という絵にはまっていくのではないでしょうか。
この絵の中で、AUDなど資源国通貨と円の動向は株式市場が握っているように思います。