先週の金融市場には長期金利上昇の嵐が吹き荒れました。米国でも欧州でも日本でも数十年続いた債券バブルが一斉に終局に向かう段階に入った可能性があります。
主要な株式市場は概ね堅調なのですが、企業価値や業績と言ったファンダメンタルズは横に置いた状態で、債券市場に眠っていたお金の避難先として資金流入を謳歌していると言う側面が強いので債券市場の調整が一服した後に株式市場の強気相場の持続力が試されるフェーズが来る事になるでしょう。
本稿ではいつも通り主要通貨ペアの先週を通した変動率ランキングを確認します。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動幅(pips) 変動幅(%)
①GBPNZD 2.1143 2.0579 +564 +2.67%
②NZDUSD 0.7467 0.7655 -188 -2.52%
③NZDCAD 0.7535 0.7683 -148 -1.96%
④GBPJPY 132.61 130.18 +243 +1.83%
⑤AUDNZD 1.3185 1.2956 +229 +1.74%
⑥NZDCHF 0.7325 0.7450 -125 -1.71%
⑦USDJPY 83.94 82.53 +141 +1.68%
⑧EURGBP 0.8367 0.8501 -134 -1.60%
⑨EURUSD 1.3225 1.3412 -187 -1.41%
⑩CADJPY 83.15 82.19 +96 +1.15%
上位10通貨ペアで上昇した側での登場回数は GBP3回,USD3回,CAD2回,AUD,CHFが1回づつでした。
一方で下落サイドでの登場回数はNZD5回、JPY3回、EURが2回となっています。
利上げこそ無かったものの雇用データを含む経済指標が好調だった豪州ですがAUDの上昇は限定的でした。NZDの失速感もそうですがやはり中国が度重なる預金準備率引き上げなどで金融政策のスタンスを緩和的から中立に戻した事が資源国通貨の上昇バイアスを鈍らせていると感じます。USDは前週の下落から復調しており、GBPも好調ですがJPYは日経平均の奮闘虚しくJGB市場の大幅下落なども材料になっているので先週は円安だったと言えます。
これから年末にかけては、年内に決済する必要がありながら欧州市場や主要国の債券市場の混乱を理由に様子を見ていた需給が炙り出されてくるはずです。脈絡の無い変動が続く可能性もありますがしっかり捕捉していきたいところです。