2011年1月31日月曜日

TD Sequencial and Elliott Wave Counts both give out a warning.

週末の株価の下落をエジプトの政情不安が原因とする解説が多いようです。実際にエジプトの政情不安に関しては情報が交錯しており、こういう時は深刻な方に解釈しておくのが懸命なのですが、実はテクニカル分析の面でもここからはリスク回避が急速に強まりそうなシグナルが出ています。

有名なPaul Tudorの片腕だった事もあるTom DeMarkという著名なMarket Timerが先々週から株価の大幅調整が近いという警告を発している事が一部で注目を集めていましたが、その後も株価は堅調に推移していました・・・・・先週の木曜日までは・・・・しかし金曜日にはかなり心配な規模での下落をしています。(Dow平均が▲1.39%、Nasdaqが▲2.48%、S&P500が▲1.79%)

非常に類似した状況だったのがElliott波動のナンバリングなのですが、こちらも株価は力尽きる段階に入っておりSteepな反落がいつ始まってもおかしく無いと言うシグナルを数週間前から発していました。この分析では為替市場でもユーロの反落と米ドルの反発を示唆するシグナルを発していたのですが、DeMarkのシグナルと併せて考えても金曜日の動きは今後も継続する可能性があると考えるべきだと思っています。

EURUSD DAILY


ユーロは対ドルで実に過去3週間の15営業日で13回上昇していますが先週金曜日の下げは価格軸でも時間軸でもダメージがありそうです。今週も下げるようだと相当落ちる事になると思います。


USDJPY DAILY
 こちらはドル円の日次チャートですが、先週は週初からじわじわ円高となったもののS&Pによる日本国債の格下げ発表を受けて木曜日には大きく上昇しかけましたが金曜日には全てを打ち消すような下落をしています。あの材料で円高で終わるのは凄い事でしょう。いまだレンジの中ではありますがかなり煮詰まっているので下抜けのポテンシャルも気にしておきたいところです。


要するに世の中はリスク回避モードが強まっているのですが、シンガポーロドルの下落なども見ていると少しアジア市場からも資金を引く動きも出始めている可能性があります。

USDSGD DAILY
 このUSDSGDのチャートでも先週末にUSDが大きく反発しています。

アジア通貨はずっと堅調なのですが流動性リスクが高いので下落方向でも一方向の動きが継続しやすい傾向があります。




SILVER DAILY
最後の二つはSilverとGoldの日次チャートですが、やはり安全資産としての本領発揮と言う動きをしています。

GOLD,SILVER,USD,JPY,CHFという安全資産が上昇し始めていると言うのが今の状況であり、エジプトの政情不安などが起こる前から前述の通りテクニカル分析上でも潮流の変化に警鐘を鳴らす動きが出ていたと言う事です。

GOLD DAILY
今週は月替わりのタイミングでもあるので特に潮流の変化が加速し易いと思われますので各資産市場の動向を一層注視していきたいと思います。

2011年1月30日日曜日

Top FX Movers Last week.

早いもので1月も事実上先週が最終週というイメージでした。後半というか終盤に少し潮流の変化を感じる展開でしたね。

では、いつものように週を通した主要通貨ペアの変動率ランキングを見ていきます。

 通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)

①GBPNZD 2.0489 2.1041 -552 -2.69%


②GBPCHF 1.4934 1.5329 -395 -2.64%


③CADCHF 0.9403 0.9644 -241 -2.56%


④NZDCAD 0.7744 0.7546 +198 +2.56%


⑤EURNZD 1.7586 1.7914 -328 -1.87%


⑥EURCHF 1.2817 1.3051 -234 -1.83%


⑦NZDUSD 0.7735 0.7598 +137 +1.77%


⑧USDCHF 0.9417 0.9581 -164 -1.74%


⑨AUDNZD 1.2842 1.3036 -194 -1.51%


⑩GBPJPY 130.22 132.07 -185 -1.42%

先週は上昇サイドで登場しているのがNZDが5回、CHFが4回でJPYが1回でした。
一方で下落サイドはGBPが3回、CAD、EUR,USDが2回ずつでAUDが1回でした。

ニュージーランドは経済指標が強いとはいえませんが中央銀行がHawkishなスタンスを維持しており隣国の豪州の不調などにも助けられた感がありますね。CHF とJPYはエジプトの政情不安などによる安全資産としての資金流入に持ち上げられていますが特に週半ばにS&Pにより日本国債が遂に格下げにあったにも拘らずのJPYの健闘は特筆物かもしれません。

下落サイドを見るとGBPの弱さは英国の第四四半期GDPの急失速、カナダはインフレ指標が予想外の弱さだった事で欧州は相変わらずで豪州は洪水被害が予想以上に深刻だと言う報道が背景でしょう。

先週は週を通した動きよりも金曜日の株価下落と為替市場の円高の動きに注目しておく必要があると感じています。両方とも結構続くリスクがありそうですね。

2011年1月24日月曜日

Lost in translation and a language gap.

一部の欧州在住経験者の話では今回の欧州周辺国ソブリンリスクなどの報道において、英語メディアと非英語メディアとの間にはちょっとしたギャップが存在しているそうです。

「あなた達は英語の記事しか読まないでしょう。だからそこまで悲観的になるのです」とまである人は言います。例えば、ドイツ語、フランス語或いはスペイン語の現地メディアが伝えている内容と米英中心の英語メディアを通じて欧州外に出て行く内容のギャップ或いは温度差は決して小さくないとのことです。

総じて現地メディアに比べて英語メディアのトーンはかなり悲観的であり、英語圏や日本などの海外勢が欧州に悲観的になるのは情報ソースが英語メディアに偏っているからだと言う指摘です。

大学の教養課程で選択した第二外国語はドイツ語で一時は相当真面目に取り組みましたが、新聞などが読めるレベルには程遠く、読み比べなどでこの指摘を確かめたり実感したりする事は出来ませんが、スペイン語に堪能な人の話によると現地の新聞には実際の欧州周辺国の人々の感情や世論等が詳しく出ている事が多く、英語メディアではカバーされない領域も多いとのことでした。

その中で興味深かった話としては例えば国の資金繰りを外国から助けてもらうと言う件について、一般に日本からの投資はかなりの歓迎ムードがあるのに対して中国からの投資には非常に複雑な気持ちがあるとのことです。もっと言ってしまえば一種の嫌悪感のようなものまであるケースもありそうだとのことなのですが、実際に今回のポルトガル国債などの入札についても日本が個別国銘柄ではない欧州共同債への出資を決めたのに対して中国は個別国の国債を直接購入する形を取っており、更に中国船籍によるその国の港の使用権などの付帯要求も付けていると言うケースもあるとのことでした。

お金は出しても口は出さないという日本が感謝されているのだか馬鹿にされているのだかわかりませんが、こういうところでも中国のしたたか外交の一側面が出ているような気がしますね。

どうやら国際投資をしようと思うなら、外貨をドルに偏重しないように分散投資をし、情報収集も英語に偏重しないようにしないといけないご時世になってきているのかもしれませんね。

2011年1月23日日曜日

Thoughts for Inflation.


ユーロ反発と並んで注目されるのが中国を先頭にアジア・新興国に金融引き締めの動きが広がってきている事でしょう。今朝(1月23日)の日経朝刊にはこれらの国々の外貨準備が急増している事が指摘されていました。米国のQE2などで金融システムに注入された過剰流動性の投資先として将来有望なアジアなど新興国に継続的な資金流入が起きており、結果としての自国通貨上昇を相殺する目的で中央銀行が外貨買い/自国通貨売りの為替介入を継続している事が主な背景です。

この人為的な自国通貨安と外貨買い介入の結果として市場に出回る自国通貨の過剰流動性により新興国の多くで不動産価格や株式市場のバブル化が進行し、自国通貨安による輸入物価の上昇と合わせてインフレ懸念が急上昇しています。先進国はこれで自国のデフレ圧力を中和しようとしているわけですがデフレの無い新興国ではひたすら物価が上昇しインフレ懸念と国民の不満が上昇すると言う困った図式が出来上がる訳です。

だから自国通貨高を容認しなさい・・・・或いは管理相場を取っているところは自国通貨を切上げなさいという助言的圧力を先進国が新興国にかけている訳ですが、今のところは新興国の多くは通貨ではなく金融政策でインフレを抑え込もうと躍起になっています。金利を上げると余計に世界中から資金が流入するという悪循環も生じますが、2011年は新興国のインフレが暴走するというリスクシナリオを内包した成長拡張路線が走っていると言う感じでしょうか。
 先週も中国の一層の引き締めを警戒してAUDやNZDなどが売り込まれる動きがありました。中国の第四四半期のGDPの伸びは9.3%の市場予想を大きく上回る9.8%でした。11月に28ヶ月ぶり水準となる5.1%の上昇となって心配されたCPI(消費者物価)は4.6%との伸びに減速していましたが市場は4.4%までの減速を織り込んでいたのでこれも予想よりも強かったと言う評価になります。
 中国は2010年は預金準備率(RRR)を7回引き上げていますが、利上げは2回だけでした。2011年はより実効的な効果を求めて利上げを増やすのではないかという憶測が出てきています。中国が減速するとAUD,CADなどの資源国経済も減速する事に成るので資源国通貨を買ってG3通貨(USD,EUR,JPY)を売って置くという戦略を取っていた勢力が必死にポジションを縮小する動きが観測されており、最も売り込まれていたEURの反発が特に目立つ結果になっています。

GOLD DAILY

SILVER DAILY


AUD,NZD,CADとともにGOLD,SILVERにも調整が継続中です。資源国通貨との相関による物と言う背景もありますが、それ以上に新興国発のインフレーションが先進国のハイパーインフレーションの引き金を引くと言うリスクシナリオが足元は若干後退していると言うことが大きいのではないかと思っています。いずれにしてもGOLDやSILVERを買い遅れている投資家にとっては恵みの調整が始まっていると言う見方を個人的にはしています。



EUR marches on......at least for now.

それにしてもユーロが強いですね・・・

EURUSD DAILY
これはEURUSDの日次チャートですが、この2週間で9勝1敗ですね。


ここまでの展開については、少し昨年の初夏~初秋の状況に似ているような気がします。昨年は5月にギリシャ懸念などから日本の黄金週間のところでユーロが急落しました。その後も色々とありましたが欧州諸国が自国の主要金融機関に対するストレステストを行って結果を公表したことにより欧州の混乱は第四四半期に入ってアイルランド問題などが再燃するまでの相当期間は沈静化することになりました。当初からストレステストの実施基準の甘さや公表された結果に対する強い懸念が指摘されていたにも拘らずです。

今回も年初からポルトガルなどの国債償還の期日等を睨みながら欧州周辺国政府の資金繰り能力に注目が集まっていましたが、ポルトガルやスペインなどの国債入札が中国等海外勢が大部分を落札すると言う理想的且つ強い国際協調まで感じさせる結果となった事で投機的なユーロ売りの戦略からの撤退を余儀なくされたヘッジファンドなども続出するという展開に繋がっています。日本も欧州共同債の購入に動いて相応の役割を果たしていましたね。

これで3月ー4月あたりまで時間を買った格好になる可能性もあるのですが、市場に積み上がったユーロ売りのポジション調整が一巡してしまえば、ユーロの中長期トレンドは依然として下向きであると言う事が再認識される展開が待っていると予想しています。

Top FX Movers Last Week

今月と言うか2011年の相場展開ですが、少なくともここまでは年末年始の段階で私が予想した流れとは少々違った展開になっています。

先週も先々週からの流れが継続した格好ですが、為替市場におけるユーロの反発が顕著です。いつものように週を通した変動ランキングを見てみましょう。


 通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)

EURNZD     1.7914   1.7465   +449    +2.51%
EURCAD    1.3522   1.3257   +265    +1.96%
EURUSD     1.3620   1.3387   +233    +1.71%
GBPNZD     2.1041  2.0699   +342    +1.63%
EURAUD    1.3758    1.3537   +221    +1.61%
EURJPY      112.44   110.92   +152    +1.35%
NZDCHF    0.7279   0.7377    -98       -1.35%
EURCHF     1.3051   1.2896   +155    +1.19%
NZDJPY      62.71     63.44      -73       -1.16%
GBPCAD    1.5887   1.5716   +171    +1.08%

 前週同様に先週もユーロの強さが目立っています。前週は上位10ペアの組合せの中で上昇した通貨としての登場回数をユーロと英国ポンドが分け合うイメージでしたが、先週はユーロが6回、英国ポンドが2回、ニュージーランドドルが2回という内容になっています。相変わらず上位6位までで5回登場するあたりはユーロ上昇のモメンタム恐るべしです。

下落サイドに目を向けるとこちらは結構ばらけています。ニュージーランドドル2回、カナダドル2回、スイスフラン2回、日本円も2回で後は米ドル、豪ドルが1回ずつです。

ニュージーランドドルが両サイドで2回ずつ出てきているので結局これは強くも弱くも無いと言う印象になるので相変わらずユーロと英国ポンドがその他の主要通貨に対して満遍なく上昇すると言う図式が継続されたと言う事になるのでしょう。

この週末の海外勢のブログなどを見てもユーロは対ドルで1.40台を回復すると言う強気の相場予想も急増してきました。個人的には頑張っても1.37あたりかなと思っていたのですが、今週の動きを注目していきたいと思います。

2011年1月17日月曜日

EUR made an unusually strong statement.

先週のEURの得俵からのがぶり寄り⇒押し出しというような反発ですが、先にも書いたとおり色々な要因が背景になっています。

EURUSD DAILY : 先週は5連続陽線で大復活!!




1 週央のポルトガル国債の1.25biliionEURの大規模入札は期限が2014年と2020年の物でした。ともに良好な買い手が付いて2014年物は5.396%、2020年物は6.716%の平均利回りという応札結果になりました。この2020年物の長期のほうが7%を越えるのではないかというのが評価の分かれ目になっていたので十分及第点だったと思われます。因みに海外からの買い手は全体の80%でした。

2 スペインも同様で週末に5年債の入札をこちらは3bioEURという規模で行いましたが、平均応札利回りは4.542%と高めとなりましたがセカンダリー市場で取引されている4.6%水準と言う同国のレベルを下回る内容で無難な結果だったと言えます。

3 EFSF(European Financial Stability Facility)という欧州財政安定化の取り組みがあり、今週初には欧州蔵相会議でこの取り組みの規模の拡大が議論される予定です。ギリシャやアイルランドなどの救済を目的に欧州共同債のようなものも発行していくと言う事で、当初は国内世論で反対意見が強かったドイツの参加表明や日本が外貨準備の運用の多様化にも資するという事で投資の意向を表明するなどの動きもあり、全てがEURの押し上げ要因となりました。もともと中国も周辺国の国債を個別に購入していく方針ですので欧州内の取り組みに極東から日本と中国のサポートも加わったと言う事です。

4 これまで上昇するばかりだったCHFを牽制するべく遂にスイス中銀(SNB)が強い懸念を表明しました。SNBのVice PresidentであるThomas Jordanが、欧州連合への不安からCHFに資金が流入している事態をスイス経済に対する"Extraordinary Challenge"であるとして欧州各国に問題解決への一層の自助努力を要請しました。

5 ECBは当然金融政策は変えませんでしたが、先月のインフレーションはECBのターゲットレベルである2%を超える2.2%であった事に強い懸念を表明し、トリシェ総裁が過去の金融混乱時における物価上昇に対して金融引き締めで対抗した例があることを強調する発言をした事から欧州債Euriborの短期ゾーンに怒涛の売りが入り金利が急上昇しました。先週終盤にかけてのEURの調整なき続伸に次ぐ続伸はこの短期金利要因が大きいと思われます。

EURは結局、下落時に加速ポイントとなった200日移動平均線を回復し、直近の1.3434から1.2859までの下落の50%、61.8%、そして遂には100%以上の戻しを達成した後に小幅に反落して1.33台後半で越週した格好です。(金曜日の高値は1.3458)

EURは果たしてこのモメンタムを維持できるのでしょうか?

2011年1月16日日曜日

Top Fx Movers Last Week.

先週も欧州周辺国のソブリンリスクに焦点が当たった週でしたが、結果的には注目された入札で水曜日にはポルトガル、金曜日にはスペインが市場の事前予想よりも良好な内容で入札をこなした事、更には木曜日のECB会合で金融政策を据え置いた後の記者会見においてECBのトリシェ総裁が足元のインフレ懸念が上昇していると発言した事からユーロの短期金利が急騰し、為替市場でもユーロが強烈な反発を見せる結果となりました。

先週の主要通貨ペアの変動率ランキングはこのようになります。

 通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)



①EURUSD 1.3387 1.2906 +481 +3.59%


②EURCAD 1.3257 1.2818 +439 +3.31%


③EURJPY 110.92 107.30 +362 +3.26%


④EURCHF 1.2896 1.2482 +414 +3.21%


⑤EURNZD 1.7465 1.6978 +487 +2.79%


⑥GBPAUD 1.6044 1.5606 +438 +2.73%


⑦GBPUSD 1.5867 1.5544 +323 +2.04%


⑧GBPCAD 1.5716 1.5439 +277 +1.76%


⑨GBPJPY 131.47 129.23 +224 +1.70%


⑩GBPCHF 1.5285 1.5033 +252 +1.65%

かなり強烈なのですが、1位~5位がEURの上昇で6位~10位がGBPの上昇となっています。この2通貨の引き立て役となったのは、USD,CAD,JPY,CHFが対EURと対GBP両方で2回登場しており、後はNZDが対EURのみ、AUDが対GBPのみで一度ずつ登場しています。

実は11位がこの両通貨の直接対決となるEURGBPの上昇(134pips、1.59%)でしたので如何にEUR
の爆発力が際立っていたのかがよくわかるのではないでしょうか。

正直なところ個人的にも先週のEURの予想以上の反発には大いに驚いています。

2011年1月10日月曜日

Commodity and JPY

商品市場の調整にも目を向けて置きましょう。

先ずは全体感としてCRB Indexですが年末から先週末までで 335 ⇒ 324まで下落。
GOLDですが1オンスあたりで$1,424.4 ⇒ $1,368.9まで結構な調整で、Crude Oilはリッター当たりで $92.58 ⇒ $88.48となっています。

個人的にはGOLDやSILVERですね・・・・もう少し下がってくれると思いますが中長期的なポートフォリオ運営上はこれらは買っておかないといけないので慎重に買い場を探すタイミングではないでしょうか。個人ベースではメイプルリーフやクルーガーランドなどの金貨積み立てなどが中心になりますが小額でも始めておくべきだと思います。

GOLD DAILY:2011年は調整から。



SILVER DAILY:2011年はこちらも調整から。
商品市場の調整は言わずと知れたドル高且つリスク回避モードとしての円高要因にもなります。
株価も調整圧力に晒されているのでドル高局面でもドル円は下がっても良いのでしょうが、今は米国の長期金利も上昇しているのでそちらの要因からドル円は年末の80円割れに再挑戦するような円高圧力から開放されて一息ついている状態ですね。

EURO started 2011 off on the wrong foot.

年末にかけて随分と失地を回復してきたEUROですが、年明け後には周辺国問題が再燃して大きく売り込まれる展開になっています。周辺国問題はギリシャに始まり、アイルランドを経て今度はポルトガルがクローズアップされ始めています。スペインやイタリアまで波及してしまうと本当に大変な事になりそうな気配ですが、先週は米国の雇用関係の数字に随分と改善の兆しが出てきた事もあり米ドルが反発する一方でEUROは売られると言う展開が目立ちました。

EURUSD DAILY :今年に入って大幅反落

EURは対USDで1.31と1.30を一気に割り込み、対GBPで0.83,対AUDでも新安値を更新する勢いです。今週はポルトガル、スペイン、イタリアで国債入札がありますが特に水曜日に1.25bioEUROの発行を控えるポルトガル国債の10年物利回りは先週金曜日時点で7.25%まで急騰しました。これはギリシャやアイルランドがEUやIMFの救済を受け入れた際の水準を上回るものです。

米国の経済指標は予想以上に好調を維持しています。ISMインデックスは製造業も非製造業も強い内容(それぞれ57と57.1でした)でしたし、民間のデータですがADP雇用レポートが297千人の増加となり、これは市場予想の3倍という規模でしたので米国の雇用の回復は予想以上のピッチで進んでいると言う印象を強めました。
 メインイベントでもあった金曜日の雇用統計ですが、事前にADPで驚異的な数字が出ていた事もありNFP(非農業部門新規雇用増加数)の予想は150千人の増加から一部では450千人規模の増加になると言う期待まで膨らんでいました。実際の結果は103千人という事でこの部分は大幅に期待を裏切った格好でしたが前月分が上方修正されたことに加えて失業率が9.8%から9.4%まで一気に下がっていた事で米ドルが大きく反落する展開にはなりませんでした。

週末時点でEURは対ドルで1.29割れ寸前でしたのでテクニカル面でもベアマーケット入り再開と言うイメージが強く、今週は一つの重要な正念場を迎える事になりそうです。

2011年1月9日日曜日

Top FX Movers Last Week.

2011年最初の週ですが、主要通貨ペアの変動が大きかったのは以下のペアでした。

  通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動率(%)

①CADCHF 0.9731    0.9372    +359      +3.69%


②EURUSD 1.2906     1.3373    -467      -3.62%


③USDCHF 0.9670     0.9334    +336     +3.47%


④EURGBP  0.8300    0.8574    -274      -3.30%


⑤GBPCHF  1.5033    1.4554    +479     +3.19%


⑥AUDCAD 0.9889    1.0192   -303      -3.06%


⑦AUDUSD 0.9955    1.0237   -282      -2.83%


⑧NZDCAD 0.7543    0.7749   -206      -2.73%


⑨CADJPY   83.64     81.51     +213      +2.55%


⑩NZDUSD 0.7595    0.7782   -187       -2.46%


⑪GBPAUD 1.5606    1.5225   +381      +2.44%


⑫USDJPY   83.13     81.19     +194      +2.33%

上位12位までの通貨ペアの中で上昇サイドで登場した通貨はUSD5回、CAD4回、GBP3回でした。
 一方で下落サイドはもう少し分かれていてAUD3回、CHF3回、EUR2回、NZD2回、JPY2回でした。
 
昨年の12月後半には大きな流れとしてドル安、円高、CHF高、南半球(AUD,NZD)高という流れが出来ていましたが、年初の動きはこれらが巻き戻されている動きが中心でした。
 
USDとCADが強いのは北米が強いと言う事で、足元の米経済指標の目立った回復振りや特に雇用関係に改善傾向が顕著であると言う流れの影響が出ていると思います。
 
一方で、年末超えの資金の置き場として世界中の投資家に選好された株式、商品、南半球は年初は調整圧力に晒されているのですが、特にAUDは12月に対USDでのParity(等価=1.0)を回復していましたが同時に発生していた洪水被害の規模が予想外に大きそうだと言う懸念が強まったことで大きく反落しています。年末に豪州に押し寄せた洪水の如き投資資金は、皮肉にも本物の洪水に洗われて退却中であるといったところでしょうか。
 
足元はGOLDやSILVERにも調整局面が訪れており、投資家コミュニティは年初からやや梯子をはずされたような展開になっています。

Happy New Year.

Happy New Year !!

年末年始にばたばたしていましたので今更と言う感じですが、明けましておめでとうございます。
2011年が皆にとって素晴らしい年となりますように心からお祈りいたします。























この冬はちょっと寒いですが日本のお正月は良いですね。