2011年2月20日日曜日

Top FX Movers Last Week.

金融市場はファンダメンタルズ的な要素と中東の緊張等の世界情勢に交互に支配されるような展開になってきています。

先週の主要通貨ペアのパフォーマンスをReviewして見ましょう。

 通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)

①CADCHF↓ 0.9567 0.9851 -284 -2.97%


②NZDCHF ↓ 0.7189 0.7396 -207 -2.88%


③CHFJPY ↑ 88.00 85.70 +230 +2.61%


④EURCHF ↓ 1.2932 1.3190 -258 -2.00%


⑤AUDCHF↓ 0.9580 0.9745 -165 -1.72%


⑥GBPUSD↑ 1.6252 1.6004 +248 +1.53%


⑦GBPCAD↑ 1.6033 1.5801 +232 +1.45%


⑧GBPCHF↓ 1.5350 1.5572 -222 -1.45%


⑨GBPNZD↑ 2.1321 2.1030 +291 +1.36%


⑩GBPJPY↑ 135.17 133.51 +166 +1.23%


⑪AUDUSD↑ 1.0143 1.0019 +124 +1.22%


⑫AUDNZD↑ 1.3316 1.3164 +152 +1.14%


⑬AUDCAD↑ 1.0007 0.9893 +114 +1.14%


⑭EURUSD ↑ 1.3692 1.3556 +136 +0.99%

いつもより大目の14位まで掲載しておきました。

内容ですが、週の後半にイランが艦艇2隻のスエズ運河航行許可を得るため、エジプト当局と接触したとの発表を行ったために地政学的リスクの上昇を嫌気して安全通貨としてのCHFに資金が還流しています。皮肉なもので週の前半にはCHFロングポジションが狙い撃ちされる局面もあって随分とCHFが反落していたので結果的にはCHFは乱高下した格好です。
 スエズ運河当局はその後、イラン艦艇に航行許可を与えた事実はないと表明していますが、イランがスエズ運河を抜けてシリア方面に出るとそこはイスラエルにも近い海域であり、潜在的な軍事衝突リスクの燻るイランーイスラエル間の緊張は一気に高まる事になります。

このような状況を受けて先週は上位10ペアのうちでCHFの上昇が6回、GBPの上昇が4回という組合せになっています。景気は減速しているもののインフレ懸念が上昇しているというBOEのレポートを受けてGBPが上昇しているのですが、そのCHFの次に強かったGBPとのクロスでもCHFがしっかり上昇している(8位にGBPCHFの下落が入っていますね)ので、CHFの強さが圧倒的であったことが伺えます。

下落サイドでは特に目を引くものは無いのですが、CAD,NZD,JPYが2回ずつで後は、EUR,USD,AUD,GBPが一度ずつという顔触れになっています。中東の緊張と言う事態が”有事のドル買い”、”安全通貨としての円”というコンセプトを迂回してスイスフランに集中したという事になります。

イラン、イスラエルが緊迫すると米国の立場は極めて難しくなるのと、原油価格の高騰やそもそも調達にも苦労する事が確実な日本の立場を考えれば無理もないと言う気もしますが、イラン国内では反政府デモが拡大しており、イラン政府は反政府指導者達を自宅軟禁状態にしている状況などを考えれば国民の関心を外に向けるべく何をやらかすか判らない状況にあるとも考えられるので事態の推移を慎重に見守る必要があると思います。