2月の第一週となった先週の金融市場は全般的に週の前半と後半で流れが反転するような展開が目立ちました。注目された経済指標も多く特に欧州ではECB、米国では米雇用統計の注目度が高かったのですが、前者がDovishで後者がMixながらも失業率が予想外に大きく低下していた事などを好感する動きとなりました。
全体的に顕著なのが長期金利の上昇であり、前半は欧州金利、これが失速した後半は米金利の上昇が加速した事で、ドルは欧州通貨や円に対して反発し、世界最大の消費国である米国景気の回復期待の上昇を背景に洪水被害の深刻化などで売り込まれていた豪ドルなどがしっかり反発する展開となっています。その他では安全通貨として買われてきたスイスフランの一服感も目を引きますね。
では、いつもの通り先週の主要通貨ペアの変動率ランキングをチェックしましょう。
通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①AUDCHF ↑ 0.9714 0.9361 +353 +3.63%
②CADCHF ↑ 0.9691 0.9403 +288 +2.97%
③GBPCHF ↑ 1.5351 1.4934 +417 +2.72%
④AUDNZD ↑ 1.3192 1.2842 +350 +2.65%
⑤EURAUD ↓ 1.3349 1.3691 -342 -2.56%
⑥AUDUSD ↑ 1.0175 0.9940 +235 +2.31%
⑦NZDCAD ↓ 0.7594 0.7744 -150 -1.98%
⑧AUDJPY ↑ 83.16 81.61 +155 +1.86%
⑨CHFJPY ↓ 85.59 87.16 -157 -1.83%
⑩EURCAD ↓ 1.3381 1.3623 -242 -1.81%
内容的にはこの上位10ペアのうちでAUD上昇が5回、CAD上昇が3回、後はGBPとJPYの上昇が1回ずつとなっており、下落サイドではCHFの下落が4回、EURとNZDの下落が2回ずつで後はUSDとJPYが一度ずつと言う結果でした。
上述の通り、AUDの復活振りが顕著ですね。これは米国の消費活動の持ち直しによる世界経済安定への期待に加えて、著名なシンクタンクが豪州について洪水の影響は無視出来ないが物価上昇ペースが中央銀行の許容範囲を超えていると指摘するレポートを出した事の影響も大きいと思います。
CADは北米経済の延長(米国の隣人且つ資源国)ですのでこれも上伸しており、これら上昇サイドの対価としてはCHFのロングポジションが一旦調整された形になっていると思います。
金曜日のカナダ、米国の雇用統計は前者が強く、後者は注目された非農業部門の新規雇用数では期待を裏切りながらも失業率が9.4%から9.0%に予想外に改善されていた事が好感されて北米通貨の長期金利が大きく上昇しました。
金曜日のみの値動きで見た変動率では以下のようなランキングになります。
通貨ペア 終値 木曜終値 変動(pips) 変動(%)
①CADCHF ↑ 0.9691 0.9537 +154 +1.59%
②AUDCHF ↑ 0.9714 0.9598 +116 +1.19%
③USDCHF ↑ 0.9547 0.9454 +93 +0.97%
④GBPCAD ↓1.5837 1.5990 -153 -0.97%
⑤EURCAD ↓1.3381 1.3510 -129 -0.96%
⑥NZDCAD ↓0.7594 0.7663 -69 -0.91%
⑦CHFJPY ↓ 85.59 86.31 -72 -0.84%
⑧CADJPY ↑ 82.95 82.33 +62 +0.75%
⑨NZDCHF ↑0.7361 0.7310 +51 +0.69%
⑩GBPCHF ↑1.5351 1.5254 +97 +0.63%
金曜のみの動きで見ても上位10ペアのうちでCADの上昇が5回、CHFの下落が6回も出てきますのでやはり最終日となる金曜日の動きが週を通した動きを決定付けるインパクトを持っていたことがわかります。
2月も始まったばかりですが、今後の展開に注目していきましょう。