欧州の国債市場がかなり危険な状況になっています。
従前はリスク回避では米国とドイツの国債が買われるのが常識だったのですが、最近は周縁国とドイツとの国債利回りスプレッドが拡大するだけではなく、ドイツの国債の入札にも十分な買い手が付かないと言う状況になっています。
逆に危機で変われるのは米債と日本国債という状況にもなっており、特に後者の動向は注視していく必要があるでしょう。
先週は、欧州で以下のような動きがありました。
1 イタリア国債の10年物利回りが危険水準の7%を再び上回ってしまった。
2 スペイン国債も入札が不調(十分な買い手が付かない)で、利回りが7%水準にまで上 昇。
3 スペイン、ベルギー、オーストリアに加えてフランスまでがドイツ国債とのスプレッドが過 去最大水準にまで拡大。
最早ECBがバランスシートの大幅拡大を決意して欧州中の財政をバックアップする体制を真剣に検討せざるを得ない状況のように思えますが、これにはドイツと肝心のECBが強く反対している状況です。12月9日のEUサミットで何か出てくるのではないかと言う期待が強まっていますが、逆に何も出ない場合の失望も大きくなりそうです。