先週の動きで目を引くのは何と言っても絶好調の株式市場でしょう。アベノミクスに沸く日本株も4.5年振り高値ですが、米株も絶好調で、先週中に10年振りとなる10営業日連続上昇を達成したダウ工業平均は、連続上昇こそ途切れたものの史上最高値を更新中です。
こういう動きが継続していけるかどうかは、短期的には今週のFOMCの内容次第と思われ、先週の終盤に調整的な動きが強まった背景もFOMCへの警戒によるリスク量の調整だったと思います。比較的最近のコメントでもBernanke議長やYellen副議長から今後も経済指標の改善傾向が継続しても景気配慮型のスタンスには変化は無いと言うシグナルが発せられていると信じる市場参加者が多いのですが、その意味ではこの認識が変わった場合の値動きの方が大きくなりそうですのでリスク量を縮小しておくのは懸命だとも言えるでしょう。
①経済成長予測の上昇修正
②インフレ見通しの現状維持(著変なし)
③当面政策変更は不要とのシグナル
これが注目点と言ったところでしょうか。
欧州では格付機関Fitchによるイタリアのソブリン格付けの引下げ(A- ⇒ BBB+)等がユーロ売りに繋がりましたが、粘るユーロは今回も対ドルで1.3割れを徹底的に拒否する動きをしており週末には大逆襲にも転じています。対米ドル出の反発はGBPでも力強いものがあり、欧州通貨は暫く堅調な推移となる可能性が高まってきました。
久し振りに(?)気を吐く感じの豪州ですが、2月の新規雇用が実に10千人と言う予想の7倍にもなる71.5千人と言う堅調振りで市場を驚かせました。当分の間は利下げ余地がなくなったことで豪ドルも反発しています。ここで明暗を分ける形となったのがニュージーランドで、中銀から弱気なコメントが出され、通貨高懸念と必要あれば利下げとのスタンスを読み取った市場はNZDを叩き売る局面もありました。
このアベノミクス効果やそれを取り巻く順風的な環境には中(長)期的な継続を期待して良いと考えていますが、足元はリスク量も調整圧力下にあるので上述の通りFOMCの結果次第では荒れ模様の展開が予想されるでしょう。