欧州の問題ですが、キプロスの経済や金融セクターの規模や欧州経済の中に占める比率が非常に小さいと言う楽観的な意見を言ったり書いたりしている専門家もいますが、こういう問題は定量的ではなく定性的な観点の方がより重要である場合もあります。
ギリシャ問題で全く同じ事が言われていた事は記憶に新しいのですが、その後の展開は堂評価するべきなのかと言う事を考えた時に、キプロス問題の重さも再認識できるのではないでしょうか?
一つの問題が解決されず、重層的な救済策で時間稼ぎをしている間に別の場所で同じような問題が表面化しているのだとすれば、やはり欧州の病巣は根治が極めて困難と言う事が言えるように思います。
そして非常に気なるのが、フランスの失速による欧州内バランスの劣化です。
2013年の第一四半期も何とかプラス成長となりそうなドイツ経済と減速ペースの加速が明白なフランス経済のコントラストが、1998年以来最悪の水準に達しているのです。
これが意味するところは、欧州問題の風景が、かつての周縁国の劣化や南北欧州の格差問題等ではなく、ドイツとその他と言う図式に変化していると言う事実です。換言すれば、フランスのポジションがドイツ寄りではなく、最早周縁国に近い立ち居地に移動していると言う事です。
以前の投稿にもあるシナリオが着実に実現し始めていると言う気がしています。
http://eternallighthouse.blogspot.jp/2010/02/blog-post.html
欧州問題はやはり根が深いですね。