2008年4月30日水曜日
Nation of Inflation and ration.
Lost decade ⇒ 失われた10年 と言う言葉がありますが、90年代半ばからの10年ほどの間の日本はDeflation(デフレ)状態にあったと思われ、30代~40代の世代でもInflationの怖さは実感していないと思われますが、これは非常に危険な事だと思っています。
私は丁度その間米国にいてInflationの怖さを身を持って実感していました。
Creeping Inflation( 忍び寄るインフレ)と言う言葉がありますが、これは本当に恐ろしい現象です。最近日本でもあちこちで物価が上昇して騒ぎになっていますが、買い物をするときに実感出来る部分はまだ可愛いものです。
本当に怖いのは、月末などに如実に資金繰りの苦しさを実感する時です。まさにCreeping なインフレが一番怖いのです。
そう・・・96年位までのNYでは、月初にサラリーの入金がChecking口座に入ると一定額をSavings口座に振り替えた上で、普通に生活する分には全く問題なくその月を過ごす事が出来ました。
97年あたりからは、月初にSavings口座に振り返る金額が半減し、やがてはそれも隔月となり、最後は滅多に振り替えをしなくなりました。
毎年相応の昇給があり口座に振り込まれる金額は確実に増えていましたし、生活もどんどん倹約型にシフトして行きましたが、何故か資金繰りは苦しくなる一方でした。
Creeping Inflationの所以であり、怖さでもあったのは中々原因が特定出来なかったことです。
ある時に口座の取引明細とクレジットカードの利用明細をよ~く見てみると・・・・・・・・・・以前と同じところで同じような買い物をし、外食を控え、贅沢品も買わない・・・・月初の入金額(給料)は増えている・・・にもかかわらず・・・・入金が出金に追いつかない。 まさにそういう状況でした。
日々の日用品、バター、ミルク、野菜、肉類、車のガソリン、電気、ガス代、水道代、電話代・・・そういうものの一つ一つが良く見ると半年前、1年前よりもかなり高騰していてその集積が予想外の出費増加に繫がっていた事が発覚した時には心底驚愕した事を覚えています。
2003年あたりから離米した2007年まではひたすら貯蓄を取り崩しながら家族を養うという期間だったと思います。私が経験したInflationは、本当にCreepingでした。
日本でも物価高騰が騒がれない日は無い位になってきました。景気の過熱というよりは原材料費やエネルギー価格の高騰による悪いインフレという側面を感じていますが、なんと品物によっては価格高騰だけではなくものの確保が出来ずに品切れ状態となってしまうと言う状況も報告され始めています。
会社の女性は、近所のスーパーでバターが品切れだったそうで、入荷予定を聞いたら配給制なので見込みが立たない状態だと言われてしまったそうです。
Inflation(物価上昇)からRation(配給)へ・・・・?
韻を踏んでいる場合ではないのですが、エネルギーや食料の自給率もかなり低いこの日本は大丈夫でしょうか?
アジアでも一部の国では米の輸出を禁止したり、食物不足で暴動が起きたり、購入出来る数量に上限を設けたりという措置が取られ始めています。
近代社会の根本を揺るがすような話ではないでしょうか・・・・・
このような状況下ですら大復活の予兆すらない日本の農業というのも良くわかりません・・・・
世の中不思議だ・・・
This is not the same "gOLD" story.
火曜日は日本は"昭和の日"という休日でしたが、海外市場では米ドルと日本円が上昇しています。FOMC前のポジション調整と言う意味合いもあり、さほど大きな動きでもないのですが潮流としては株式市場と商品市場が下落、米ドルと日本円が上昇と言う絵になっています。
・株式市場の下落⇒日本円上昇
・商品市場の下落⇒米ドル上昇
という従来からの図式が作用しているのですが、ここでは敢えて特に後者に注目したいところです。
金価格が前回ボトムの1オンス$880のサポートを割り込んでいます。これは最近最高値を更新し続ける原油価格に大きく遅れを取ってきた金価格が再反落の過程に入ったと言う可能性を強く示唆するものです。
インフレヘッジの代表的アセットなので、長期的な上昇トレンドまでは崩れないのでしょうが流石に最近は投機資金が原油に向かい始めており、意外にも中国を抑えて米国、インドに次ぐ世界第三位の金輸入国であるトルコのデータを見ても3月の輸入量が2月の実に27分の1にまで落ち込んでいた事が示すとおり、新たな資金の流入が細ってきている事が背景だと思います。
一方、原油価格にも大き目の調整が始まっている可能性があります。以下に注目している動きを2つほど・・・
1 OPECからのメッセージ
先週末にローマで行われた世界エネルギーフォーラムで原油価格高騰を背景に増産の議論が出るかと期待されたOPEC諸国代表からは寧ろ先進国経済圏での需要の頭打ち傾向への懸念が示される事態となり原油価格は一気に1バレル$120の最高値の壁に向かって直進しました。
直後にOPEC首脳がある意味でケツをまくる(素晴らしく品のある表現ですね・・・)発言をしたことに関係者はショックを受けました。
"人々が原油高と騒いでいる問題の本質はドル安である"
原油が高いのではなく、ドルが安いのだと言っているのです。多くの商品価格は原則ドルで建値され、取引もされるのでドルの価値が下がれば原油価格が上昇するのは当然ではあるわけです。
更に同首脳は、従って米国がドル安問題に有効な手を打てば原油価格も収まるのだと言う話をしており、彼らの試算では、ドルの価値(=ドルインデックスと思えばいいでしょう)が1%変化すると原油価格は$4変化すると言っています。
これは、昨年中国がフランスとの二国間協議の最中、人民元の切り上げの必要性を持ち出された時に中国サイドから、「その問題は米国に聞いてくれ」と切り返された事と基本的に同じ性質のものでしょう。
人民元も米ドルを中心とした通貨バスケットへの連動を基本とした変動バンド性である以上、ドル安ならば人民元も安いのだと言う開き直りであり、ここでも暗に米国に対してドル安放置をやめるようにシグナルが発せられたと言う訳です。
このように中国、そして今回は中東産油国からケツを捲くるという臭いシグナルを発せられた米ドルがどういう行動に出るのか、どういう回答を用意するのか。
その答えの一端が水曜日に始まるFOMCの金融政策と声明文の中に示される事になるはずです。
金融市場はこのイベントの重要性を正しく理解して商品市場でも投機資金が足早にリスク縮小の動きに出ていると言う事になります。
リスク分散で商品市場に資金が流れ込み続けた結果、リスク縮小時には商品市場から資金が流出するようになっていると言うわけです。
This is not the same old story....not the same gold story.
Stay tuned. We are almost 24 hours away from FOMC meeting now.
2008年4月28日月曜日
When fundamental and technical do not see eye to eye.
株式市場の予想外の大復活と同様に為替市場では米ドルが気を吐いています。
ユーロが対ドルで遂に1.60超えを達成したのが4月22日の火曜日でしたが、結局1.6020を高値に反落し、25日の金曜日には1.56台lowまで約400ポイント下落して週の取引を終えています。
米ドルは対円では週初に103円台を回復したことで短期ベクトルが完全に反転しており、終盤には105円に迫る勢いを示した後104円半ばでの越週となりました。週初の安値が102円67銭ですので、こちらは丁度2円ほどの上昇幅と言う事になります。
ここ2週間ほど、特に先週の北米市場のセンチメントの改善は著しいものがあり、株式市場も通貨市場でも米国復活とでも言いたくなるような動きが見られたわけですが、過度の悲観論が後退した事は間違いないものの、米国経済のファンダメンタルズを考えれば決して楽観は出来ない状況が続いています。
米国がどれほど落ち込んできたのかを最近の経済指標から見てみれば、全く材料に事欠かないと言う感じなのです。
・4月18日 Jobless claims 4年振り高水準
・4月24日 New Home Sales 17年振り低水準
・4月25日 Consumer Confidence 25年振り低水準
これだけ見れば株式市場や米ドルの復活は一時的な調整とも思えるのですが、ファンダメンタルズに対抗してテクニカル的には少し違う絵が見えてくるのが悩ましいところです。
以下は、ドルインデックスとユーロを同一チャート上に描いたものですが、注目するべきは最近のユーロ反落、ドル上昇の動きは共にチャートのペナント型ウェッジを綺麗に抜け出ており、ユーロはサポート割れ、ドルはレジスタンス超えを達成している事です。
これは普通に考えればテクニカル的には相場は一旦反転したと判断するのが普通ですね。
ただし、ごく短期間のうちに相場が呆気なく元のペナント型ウェッジの中に押し戻されれば今回のBreakoutが”騙しの髭”となり、偽物だったという判断となりますので今週は前半にFOMCがあるので油断は禁物です。
ファンダメンタルズとテクニカルの指し示す方向感の乖離は短期間で修正されるような気がしますので、大型連休中の金融市場からは目が離せませんね。
どうせ私も含めて多くの金融市場関係者はカレンダー通りの出勤でしょうから、大型連休という気もしないのですが・・・・
2008年4月27日日曜日
US market made a strong statement.
米系主要金融機関の決算が注目されたのが先々週だったとすれば、より広範な企業決算に注目が集まったのが先週ということになります。
実に157社にも及ぶ主要企業の決算が発表されたわけですから株式市場にとっては月末のFOMC前のちょっとした正念場であったと言う事が出来るでしょう。
そして、米株市場は多くの人々にとって予想以上というよりも、予想外と言った方がふさわしいような復活劇を遂げたと言う事になりそうです。
週の序盤で底堅さを確認した後は、中盤の攻勢も見事の一言で、特にこれまで嫌われ続けていたセクターや銘柄の復活が著しい事、そして予想を裏切る決算や経済指標への弱気な反応よりも予想を上回る決算や経済指標への強気の反応の方が圧倒的に目立っていた事は特筆に価するという印象でした。
4月23日の水曜日には金融保険保障会社のAMBACが実に$1.66billionもの損失を計上した事よりもBoeing社の38%の増益に大きく反応。
4月24日の木曜日には保険セクターのTravelersの収益予想の上方修正、Aflacの純利益14%アップ等にも後押しされて保険大手AIGの株価も7.1%上昇しました。同じく死に体と思われていたFordがサプライズ収益を計上した事でGMまで6%弱の上昇となり自動車セクターも大賑わいでした。
復活の狼煙宣言となるかどうかは、微妙なところですが正直ここまでの復活劇は私自身全く予想していませんでした。
今週は俄然注目度を増したFOMCがありますが、金融市場の利下げ期待(織り込み度合い)が、25bpの利下げを80%弱織り込むと言う水準にまで利下げ期待も萎んでおり、ここ2週間の米国市場の一大復活劇が短命に終わるのか、息の長いものになるのかはその内容と同時に発表となる声明文の内容次第ということになりそうです。
日本の黄金週間の連休中は、結構動くか全く動かないかに2分される傾向もありますが、今年は動く方かもしれないですね。
