2007年6月3日日曜日

お化けと幽霊 : 似て非なるもの

週末の朝のラジオ番組を何気なく聞き流していたら子供たちから電話で質問を受けてゲストチームがこれに回答すると言う番組をやっていました。
 以前”子供電話相談室"と言う番組があったと思いますが、あれと同じ番組だったのか別の番組だったのかは今一つわかりません。

ちょっと面白かったのは、子供の視点の鋭さと、番組自体が真剣勝負の生放送だったようである子供から 「お化けと幽霊の違いを教えてください」 という質問が出た時に、回答者達に動揺が走り、誰が回答するかをあからさまに譲り合うという瞬間があった事です。ラジオを通してですがはっきりと分かりました。

恐らく厳密に言えば、”お化け”とは狐や狸のようなものが何かに化けたもので、”幽霊”と言うのは既に生存していないものが出てきたものと言う事になるのでしょうが、二つの単語の実際の使われ方はかなり境界線が曖昧だと思うので子供が質問したくなるのも良く分かります。胆試しなどで夜の墓場を通るときにも「お化けが出たらどうしよう」等と言いますし、誰かを恨んで絶命する時に「化けて出てやる」等と言うセリフもよくあると思います。

以上が導入部 (長い・・・)

先日米国から来日した友人を囲む会があり、この友人以外にも久しぶりに会う多くの方々と色々な話をする機会がありました。
 実はこの友人は、一度些細な行き違いから刑事告発されて身柄を拘束され、裁判途中で告発元との和解成立によりケースそのものが消滅したと言う体験をしています。当時は皆が非常に心配したものですがそのお陰で(?)当人も我々も、jail  と Prison の違いを学ぶことが出来ました。それが役に立つかどうかは知りませんが・・・・

書店で幾つかの英和辞典を見る限り、この違いを明確に区別出来ている物は無いようですが、この友人によると実際にはこういう区別となるそうです。

Jail ・・・ 禁固刑で行くところ
Prison ・・・ 懲役刑で行くとところ

そして、逮捕されてこれから裁判というような容疑者が一時的に身柄を拘束されるのが前者のJailであり、この友人も5日ほどそこで過ごしたのですが、容疑者となった時点でアウトの日本と違いそこは人権社会の米国ですから扱いは極めて丁重と言ってよく、食事の時間が妙に早い(朝食が午前6時くらいで夕食が午後4時くらい)と言う問題はありますが、Pantryでコ-ヒ-などは飲み放題だったそうです。また、人種、宗教、過去の自殺未遂の有無等を質問されて、適切なグル-プや部屋などが決まり、懲役刑の人が行くPrisonと違って基本的には自由時間、自由行動(と言っても外には出られませんが)だったそうです。

彼が自由の身となって安堵していますが、随分と失った物もあります。前しか見ない男と言う表現がピッタリなこの友人の新たな挑戦に協力を惜しむつもりはありません。今後そんな話を書くこともあると思います。

話を戻すと、同義語くらいにしか認識していなかったJailとPrisonの違いに関して、お化けと幽霊の違いを質問してきた冒頭の子供のような疑問を持てなかった自分がちょっと寂しいです。

やっぱり子供の感性は素晴らしいですね。