2007年6月4日月曜日

やはりアジアの時代か?

週明けから中国株が大きく下落しています。

先週中国政府が突然株式取引に係る印紙税を3倍に引き上げたことの影響が続いていると言う解説が一般的ですが、3倍と言っても0.1%から0.3%に引き上げただけですし、0.5%から過去4回引き下げて0.1%になっていたものを0.3%に戻しただけですから既に今年50%以上のリターンを確保している中国株がこの程度のことで大きく揺らぐとも思えません。

実は、今日6月4日は有名な天安門事件のAnniversaryなのですが、米国市場で9月11日がなんとなく不安を誘う日付であるのと同じように印紙税の引き上げ直後に天安門事件のAnniversaryが来たことで調整幅が拡大していると言う要素もあるのではないでしょうか。ロジカルではないと思いますが、実際には金融市場には多分に感情的且つ不可解な要素もあるのです。

海外市場は結局これの影響を受けて株式市場が軟調で、いわゆるRisk Aversionの高まりから円売りポジションにも縮小バイアスがかかっているようで円が上昇しています。

中国、インドが取り上げられることが多いのですが、タイ、インドネシア、マレーシア、香港、さらにはカザフスタンなどアジア経済の勢いは完全に世界をリードしています。欧米のファンド勢もとにかくアジアへの投資に熱心ですし、一方で勢いのあるアジアからは米ドル偏重の外貨準備を分散するべく欧州やカナダ、オーストラリアなどの資源国にお金が流れるので現状は世界景気が好調で資産市場も総じて値上がりと言うちょっとしたWin-Win Situationが継続しています。

今日のこれまでの動きを見ている限り、経済だけではなく市場影響力と言う切り口でもアジアのStatusは本当に上昇したものだと痛感します。
 数年前には、世界中の株式市場が米株市場に”右ならえ”状態だったのですが、今は中国株の動向が欧米の株式市場に大きく影響を及ぼしていると言うわけです。

ところで、英語の有名な慣用表現に、不器用な様を表す表現で、
"a bull in a china shop"というのがあります。陶器のお店に雄牛が入れば大変なことになり扱いに困るのはイメージし易いので非常にわかりやすい表現なのですが、先週の新聞の見出しに思わず唸らされるものがありました。

A bull market in a china shop.

う~ん・・・寝てみたい。じゃなくってお見事!

グローバルな強気相場(ブルマーケット)が中国に牽引されており、どこと無く危なっかしい様子が見事に織り込まれていると思いませんか?

もう少し前の記事にはこういうのがありました。中国と両輪のようにアジアの勃興を担うインドの金融市場で遂に先物市場が立ち上がったという記事なのですが、その記事の見出しもお見事でした。

Thier "future" is now.

遂に、金融先物(Future)市場が整備されて取引が始まったという事が、Futureという単語のもう一つの意味である将来と”now”を見事に対比させた切れる英語だったと思います。

そもそも経済に勢いが無ければ、このような見出しも躍らないわけですが、やはり中国もインドも勢いがあると言うことなのでしょう。

アジアの時代は暫く継続するようですね。