2007年6月10日日曜日

米国は世界の5番街か?

先週は、火曜日にFRB のBen Bernanke議長が現在進行中の住宅市場の低迷は当初予想したよりも長期間米国経済成長の足を引っ張ることになりそうだと言う発言をして債券が買われて金利が低下し、為替市場では米ドルが下落して注目を集めました。
 しかしその後結局長期金利が大きく反転上昇し、米ドルも反発して週を終えているので、Bernenkeさん・・・またやちゃったな・・・と言う感じです。金融市場では、この人の言動で相場が動いた時の相場の持続性が非常に短命である事が知られており、可哀想な事にこの人はトレーダーでもないのに最低のトラックレコードの男などと一部では呼ばれているようです。

他人のトラックレコードの話はさておき、全米で見た場合には実際に住宅市場の低迷はまだまだ継続しているのでしょう。
 今でも不思議に思うのですが・・・・今回も然りですが、これまでの住宅市場の低迷時にもNY地区(含むConnecticut州、NJ州)の住宅市場は売買市場も賃貸市場も殆ど影響を受けていないのです。実際にNY市内や郊外でも今年に入ってからも物件の値段は上昇しており、全米規模で見た場合の住宅スランプからは明確に一線を画しているようです。

消費全般についても全く同様で、どんなに景気が悪いと言われ、経済指標も悪化し、FRBが金利を下げたりしている時ですらNY市には観光客が溢れ、高級レストランやホテルも予約で一杯なのです。

週末の5番街などは歩くのも大変なのですが、実は通りの両サイドに陣取るビジネスの顔ぶれは少しずつですが変化しており、この新陳代謝にこそ衰えぬ活力の源があるのだと考えられます。

各ビジネスには好調不調の時期があり、好調時にはNY市にも出店して勝負をかけるものの、不調時には撤退してその時に勢いのあるビジネスがそれに取って代わるということが繰り返されて5番街全体の反映が維持されていると言うことです。

視野を広げて考えてみると面白いことがわかります。
世界中の国々は、入れ代わり立代わり好景気と不景気を繰り返しながら勢いのある国ほど米国に製品を輸出して来ました。そしてその過程で、米国の外側ではかつての日本や韓国から今では中国、インドというように景気の循環が起きていますが、この間米国だけは一定して繁盛していたと言うことに気が付きます。

実質的に製造業からサービス業への転換が完了したともいえる米国の経済モデルの奥深さは、米国内の住宅市場の中でNY地区はいつも好況であったり、全米では消費が落ちていてもマンハッタンの5番街だけはいつも例外のように消費が強いというように、世界的な景気の波や地域的な栄枯盛衰はあっても米国経済だけはいつも堅調だったと言う点にこそ見出すべきです。

そう・・・米国経済のビジネスモデルは、世界の5番街なのだと言っても良いのではないでしょうか?

米国は世界の中の5番街と言うコンセプトはそれなりに真理を付いていると思っているのですが、それだけに5番街の景気が如実に低迷するようなことがあれば米国経済も世界経済も本当に危ないと考えるべきなのだと思います。

世界の5番街なら・・・米国株が下がりにくいわけですね・・・