2008年1月1日火曜日

In the beginning, there was the Word. 

In the beginning,there was the word.

最初に言葉があった。 という聖書の一説は有名ですが、"明けましておめでとうございます"とか"謹賀新年"という言葉で新しい年が始まることにも通じる部分があるかもしれませんね。

あらためまして。明けましておめでとうございます。今年が皆様にとって素晴らしい一年になることを心からお祈りいたします。

さて・・・・某所で、その新年の最初の言葉に関するディスカッションを興味深く拝見しました。

"A happy new year" or " Happy new year"
冒頭の不定冠詞"A"は付くのか付かないのか・・・・というものです。

学者でも教師でもないので割り引いて頂いた方がよいかもしれませんが、自分の考えとその議論の内容をまとめて見れば以下のようになるのではないかと思います。

①どちらでも間違えでは無い。

②ただし、ネイティブの人々がどちらを使用しているかと言えば圧倒的に"Happy new year"

特に②については今年は特に注意して各種ニューズレターやEメールなどを観察した結果です。自分ではもう少し"A happy new year"というのも見るかとも思ったのですが、"Happy new year"の意外なまでの圧勝と言う印象でした。ただ、"A happy new year"の方が間違えているとまでは言えないと思うのです。

yearというのは可算名詞ですので基本的に冠詞を取ります。更にhappyという形容詞がついているのでなおさら冠詞をとりやすくなります。

 また新年の挨拶を完全な文章で書いたときには" I wish you a happy new year"となり、この場合は不定冠詞の"a"を省略する事は出来ませんので、これの短縮形だと思えば寧ろ"A happy new year"の方が正しくて慣習上"Happy new year"が多用されていると考える事も出来るかもしれません。

"Happy birthday"とか"Good luck"なども全く同じだと思いますが、一方で冠詞をつけると概念が具体化されてしまうので冠詞を付けるのは間違いであると言う踏み込んだ意見もあって興味深く拝見しました。"Happy new year"なら「よいお年を」と言う感じが出るが、"A happy new year"とすると「とある幸福な新年度」のようなニュアンスになるというもので、傾聴に値するとも感じました。

会話では誤魔化しが利きますが、正式な報告書、提案書などの形で文字で残る英文を書くときに冠詞の扱いと言うのは本当に難しく、私は著名な文法書の冠詞の部分は大抵書店で立ち読みをしたし、冠詞のエッセンスに特化した参考書も数冊持っています。(白状しますが、読破はしていません!)

ちょっと意外なことを書くと、不定冠詞で言えば我々は最初に"a"の存在を知り、その特殊形として後続の名詞が母音で始まる場合に"an"となるというイメージを持ちますが(持ちますよね?)、実際は逆のようなのです。

 元々は不定冠詞は"one"という語だったようで、"one day"(ある日)、"at one time"(ある時)などの用法はその名残だと思われます。この"one"が、発音の関係からか"an"と表記されるようになり、それが更に単純化されたものが"a"であるというのが歴史上の事実のようです。母音で始まる名詞の前では"an"という元々の形が残っているわけで、決して"a"の変形ではないのです。

文脈の流れから特定される物の前に着く定冠詞"the"は、明らかに"that"の変形ですが、冠詞と言うものは実に奥が深く、この奥の深い冠詞というもの(定冠詞+不定冠詞)をくっつけて"The One"とすればそれは"神"を意味します。どうやらこの分野を極めるのは神業に等しいと言う事なのかもしれません。

World(世界)の原型が、Word(言葉)だったのではないかと思うのですが、最初に言葉があった → 最初に言葉ありき ・・・だとすればとてつもなく奥の深い話だと思うのです。

殆ど書きなぐりのようですが、以上Robert Henryの年末年始の瞑想でした。正月3連休は頭の体操に持って来いですね。

正月バンザイ。