2008年1月27日日曜日

What a fine kettle of fish !! SocGen

24日の木曜日にフランスの最大手金融機関であるSocGen(Societe Generale)が、かねてからの噂通りにサブプライム等の証券化商品への投資による20億5千万ユーロ(約3,200億円)の追加評価損の発表を行いましたが、市場が驚いたのは同時に発表された49億ユーロ(約7,600億円)にも及ぶ同行のディーラーによる不正取引による特別追加損失でした。

合計で70億ドルユーロというのは11兆円にも及ぶ規模なのですが、その7割以上が1ディーラーの隠しポジションから発生していたと言うのは前代未聞と言えるでしょう。1995年の英国Barings証券のシガポールで起きたNick Leesonと言う人物による不正取引による損失は1.4billion米ドルですが、今回の49億ユーロというのは米ドル換算で約7.2billion米ドルですので実に5倍以上の規模と言う事になります。

それでも黒字を確保するSocGenのビジネス基盤は大したものだとも言えるわけですが、更に同社が上手かったと思うのは、市場の先手を打つ格好で米系のMorgan Stanley及びJPMorganChaseの出資による55億ユーロ(約8,500億円)の増資を発表した事でした。

金融市場とは実に恐ろしい場所です。

木曜日の記者会見に向けてSocGenは先週から不正取引による隠しポジションであった巨大な株価先物のロングポジションを市場で売りまくっていた筈です。そして、血の匂いを嗅ぎつけた人々は同社に圧力を掛ける意味でもそれ以前から株価を売り下げて同社に不正告白の催促状を突きつけていた事は間違いありません。

SocGenのプレス発表後は株価が上昇に転じた事でも明らかに分かる事です。

英国のFT紙は、SocGenをShockGenと表記して規模と驚きの大きさを表していました。

SocGenの不正を働いた人物は自殺説も出ていましたが現在行方不明だそうです。

What a fine kettle of fish he's gotten us into !!

kettle of fish ⇒ 混乱、厄介な事 という表現に実際に最初にお目にかかったのが確か上述のBarings証券の事件の時でしたが、今回も海外向けのサマリーに使ってみました。Kettle(ヤカン)が魚のようにヌルヌルしていたら扱いにくいからでしょうか??・・・・。

ちょっと現状の市場センチも・・・ヌルヌルしてきているんですよね・・・・