2008年1月27日日曜日

What a fine kettle of fish !! FRB

殆ど続編と言う感じですが、視点をFRBに向けた時に背筋が凍るような感覚を覚えます。

金融市場は金曜日からきな臭い動きをしていましたが、月曜日は"キング牧師の日"で北米市場は休場だった事もあり、アジア時間はよくある"マッタリ"相場で、流石に海外市場も静かだろうと思われましたが欧州時間から株式市場がおかしくなって様相が一変してしまいました。

株式市場は火曜日のアジア市場でも下げ足を早めて遂に"最後の砦"というか、ここだけは別格と思われていた中国の上海市場やインドのムンバイ市場にも反落開始の兆候が強まり、為替市場では日本円、米ドルが上昇するというまさにRisk Aversionセンチメントが加速度的に上昇する流れとなりました。
 欧州市場は更に下げ足を早めて週明け市場開始前の米株も先物市場で売りが殺到するような状態で市場全体が浮き足立つような状態となりました。

その火曜日の晩(北米はまだ朝9時位だったのではないかと思います)、電話が鳴ってFRBが75bpの緊急利下げを行ったという連絡を貰いました。

色々な人が色々な事を言ったり書いたりしていますが(私もですが・・)、実はこれは凄い事です。所謂緊急処置つまりはInter-meetingでの75bpもの利下げと言うのは20数年ぶりという規模であり、更にFRBがFedFundレートを金融政策のベースに据えるようになってからは初めての事だそうですので、事実上史上初と言っても良い位のものなのです。

"追い込まれてやった"とか"効果は疑問"等としたり顔で語る愚かな人々が沢山いますが、そんな輩の顔面には躊躇せずに膝を入れましょう。ある意味で自らが種をまいたわけではない苦しい環境の中で今回に関しては現FRBは踏み込んだ対応を断行したと言えると思います。

しかし・・・・・ここからが問題なのです。

信頼出来るソースによれば、今回の緊急利下げの背景は、キング牧師の休日だった月曜日の晩にFRB本部から各理事に火曜日の朝に緊急電話会議を開く旨の通達が飛び、会議では一部慎重論も出たものの大勢は直ぐに決まったと言う事だったそうです。

ところで・・・・

FRBの背中を押したものは明らかに急落していた株式市場なのですが、あの時に欧州株先導で大きく売り込まれていた株式市場の背景が、前回書いたSocGenの不正取引発覚後の巨大な買い持ちロングポジションの処分売りだったとしたら・・・・・・・・

Oh...my god.

Nick Leesonという御仁は、1995年に派遣されていたシンガポールオフィスで不正取引を重ねて$1.4billionの巨額損失を出してBarings証券と言う英国大手金融機関を抹殺しました。

今回の悪役、Jerome Kervielという若者は弱冠31歳にして米国の中央銀行に前代未聞の行動を取らせると言う大技をかましてしまったと言う事なのでしょうか?

This is a fine kettle of fish he's gotten us into.

これで、29日~30日に行われるFOMC会合における議論と結末が更に予測しにくくなっており、株式市場動向にもその兆候が表れているようです。

Buckle up and stay tuned.