2008年2月17日日曜日

Another SMILE story.


通貨の世界のもう1つのSMILEの話です。


金融市場が悲観論と楽観論の間で揺れ動いていると言う事は、投資家の目線で換言すれば、Risk Taking と Risk Aversion の間で市場センチの振り子が振動している事になります。


ところで、市場の変動パターンは、単純化してしまえば以下のようになります。


Risk Taking モード ⇒ 高金利通貨買い(AUD,NZDなど)


Risk Aversionモード ⇒ 低金利通貨買い(買戻し→日本円、CHFなど)


そして、市場センチの振り子がこの2パターンの間を行ったり来たりを繰り返していく中で、結果的には二つの両極端なシナリオが交互に顔を出す形となり、各局面では高金利通貨か低金利通貨が好まれているのですが、一定期間経過後に中期的なパフォーマンスを分析すれば、円、CHF,AUD,NZDという両陣営が共に勝ち組となり、EURO,GBP,CADといった辺りの中金利(?)通貨群が負け組みとなっていると言う従来は無かったパターンとなっています。


これも、縦軸を「通貨の相対的な強さ」、横軸を「金利水準の高さ」としたグラフを描くと、両端が持ち上がるSMILE形状が出来上がります。



これは、従来は無かった現象であり、やはり現状の"はっきりしない状況"がここにも現れていると考えられるのではないでしょうか?


モナリザ以後、人類は謎の微笑みに悩まされる宿命のようです。