2008年2月24日日曜日

Poisoned Dumpling is real irony.

中国産の殺虫剤入り輸入餃子騒動は現在小康状態にあると思われますが、非常に恐ろしくも皮肉な現象だと思います。

再確認された事は沢山ありますが、そのうちの1つが中国の奇跡的なレベルの経済成長はやはりGlobalizationの賜物であり、独自の物ではないということです。

中国産の餃子に農薬や殺虫剤が入っていたと言っても、チャイナタウンで買ってきたパッケージから何から漢字表記の文字通り中国産の餃子に問題があった訳ではないのです。
 ニュース番組を見て度肝を抜かれた人も多いのではないかと思うのですが、生協などで販売されていたどこからどう見ても日本製としか思えない餃子に毒が入っていたのです。

中国では今、独自ブランドの育成が急務となっており国家的な取り組みも始まっています。これは換言すれば、中国は独自のブランド、技術、商品を開発、製造してそれを世界中に輸出して成長しているわけではなく、世界中の製造業が安価な労働力と原料を求めて生産拠点を中国に移すと言うことを行ってきた結果の経済発展という部分が実に大きいわけです。

米国の保守派議員等がこれを"雇用の輸出"と呼んで問題視してきた事、Globalizationの中での中国発展のコンセプトが"世界の工場"であった事などを考えれば、今更驚くのもおかしいのかもしれませんが、全く日本企業が日本国内での販売を目的として日本語のみのパッケージで販売している商品が、実は中国で生産しており、更に原材料の大部分も中国産でしたという要注意商品の莫大なリストを見ていて本当に驚いてしまいました。

我家も念のために生協から購入した冷凍シュウマイを破棄処分しましたが、どこからどう見ても国産だと思っていました。

ほぼ間違いなく、中国で生産した食品の大部分には何の問題もなく、何か特殊な事情(恐らくは悪意)で極少数の商品に問題があると言うのが実態なのでしょうが、こうなると多くの消費者は中国産全体を回避したり、生協から物を買わなくなったり、冷凍食品を敬遠したりと言う対応を取ります。

その大部分は勿論過剰反応なのですが、これも前回書いたHuman Factorと言う物だとも言えるでしょう。実は金融市場で起きていることも全く同じなのです。
 現在大部分の投資家は、証券化商品、デリバティブ商品、投資信託などと言った広範な投資対象を回避する傾向を継続しています。証券化商品などもその大部分は問題はないのですが、サブプライムモゲージなどが意外な商品にまで組み込まれていたりして、安全資産と危険資産の区別が中々つかないからです。丁度消費者が冷凍食品全般を回避するように投資家も仕組み商品全般を敬遠していると言うわけですね。

コモディティ市場が火を噴くように上昇していますが、これも上記の動きが所謂"Paper Asset"全般への不信感に拡大している事を背景に、"紙からモノへ"と言う動きが加速していると言う側面があるのです。

Globalizationや金融工学の脆さの一端を、まさに今回の毒入り餃子問題に見る事が出来るのですが、よく考えると餃子と言うものは、基本的に餃子のダンゴを包んだ食べ物な訳ですから、
餃子の存在自体がまさに"皮肉"なのだということに気が付きました。

Oh..my god. 餃子で、皮肉・・・・・ちょっと骨の無い話で失礼しました。