2009年11月23日月曜日

So many men, so many points of view.

最近複数のコモディティトレーディング関係者の話を聞く機会があったのですが、私のようなある意味でアウトサイダーの人間の感じていることと彼らインサイダーの見方には結構な温度差がある事が実感できました。

私なんぞは金価格の上昇は急すぎると見ており、長期的なブルトレンドを維持するためにもヘルシーな調整は必要であり現状は価格軸でも時間軸でもかなり行き過ぎているので結構な調整が不可避なのではないかという意見なのですが、そんな私の意見はインサイダーの人達には素人臭い相場観にしか聞こえなかったようです。

私も驚くほど強気だった彼らの意見は以下のようなものでした。

1 金市場には調整される必要がある投機的なロングポジションは出来ていない。
2 金の買い手は中銀でありドルリザーブからの分散を通貨ではなく金で行っているだけ。
3 金はドル以外の通貨建てでは上昇し始めたところ。

確かに昨今の金相場の上昇は常識的なチャート分析などを受け付けないものがあり、その背景はここにあげたような従来にない規模の資金移動があるのかもしれません。またそれは時間軸的にも相当期間継続する可能性がある現象の初期段階という程度なのかもしれませんし、ドル安円高トレンドの中で円建てで見た金価格があまり上昇していなかったのも事実です。日本人が金を買うのはこれからと言われれば一理あると言うことになりますね。

ただ、IMFが放出する金をインドが引き受けた等というニュース報道で金が上昇すると言う動きはやはり投機の匂いを強く感じますし(インドは実際に市場で買い上げている訳ではないですから)、ドルベースの投資家を煽りながらかなりの短期投機資金も流入し続けているような気はします。

「金は恐らく世界で唯一、上昇しても誰も困らないアセットなのです」

最後はそう言われて帰ってきたのですが、そう言われて見ればそうなのかしら・・・という気もしています。

正しいとか間違っていると言う狭い視点ではなく、現場では実際にどういう考え方や解釈が支持されているのかと言うことを知ることは極めて重要だと再認識させられたような気がします。

視野と知己を広げる努力が重要ですね。