2011年12月25日日曜日

Season's Greetings

全ての皆様とご家族に方々に心から幸福なホリデーシーズンが訪れていますようにお祈りいたします。

2012年が素晴らしい年となる事を併せてお祈りいたします。

Season's Greetings and Happy Holidays from myself and my entire family.

May the coming year bring you health, happiness,prosperity and success in whatever you try.


Best Wishes.
Robert Henry.


Top FX Movers Last Week.

先週は週初に北朝鮮からキムジョンイル氏の死亡のニュースが飛び込んできました。かつてはこういう時には円が売られたものですが、この日は韓国ウォンが急落した割には円は売られませんでした。ただ、その後週を通して円が買われ難くなったということは言える様な気がします。

次は週央のECBによる大盤振る舞いのニュースに市場は驚愕させされたのですが、期間3年の資金供給を実施したところ実に523もの金融機関から申し込みが殺到し、総額はEuro489bioと言いますから$638bio程ということになり日本円にすれば実に50兆円規模と言う事になりました。

主に株価がしっかり持ち直して週末まで走る格好となりましたので為替市場でもリスク回避バイアスが後退した格好になっています。

以下先週の主要通貨ペアの変動ランキングです。

     通貨ペア   先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①CADJPY↑  76.43      74.88      +155     +2.03%

②AUDJPY↑  79.14      77.54      +160     +2.02%

③NZDJPY↑  60.38      59.23      +115     +1.90%

④USDCAD↓ 1.0198    1.0384    -186      -1.82%

⑤EURCAD↓ 1.3305    1.3540    -235      -1.77%

⑥EURAUD↓ 1.2851    1.3073    -222      -1.73%

⑦AUDUSD↑ 1.0143    0.9968    +175    +1.73%

⑧CADCHF↑ 0.9162    0.9006    +156    +1.70%

⑨AUDCHF↑ 0.9486    0.9325    +161    +1.70%

⑩NZDCHF↑ 0.7242    0.7124    +118    +1.63%

上昇サイドではCAD4回,AUD4回,NZD2回と資源国通貨の独壇場でした。下落サイドはJPY3回,CHF3回,USDとEURが2回ずつとなっています。

今週は2011年の最終週ですね。時間の流れの速さにびっくりしてしまいます。

市場の流動性は落ちる一方でしょう。突発的な事象やニュースが無い限りは狭い範囲のレンジ取引に終始すると思います。

2011年12月18日日曜日

A Thick Heavy Clouds Over 2012 Markets.


先週は欧州の材料として注目されていた水曜日と木曜日のスペイン、イタリアの国債入札は無難に消化されたのですが、欧州域内数カ国が格下げされた事で欧州不安は強まってしまう展開となりました。

・Moody's がベルギーの信用格付をAa1⇒Aa3へ2段階引き下げ,見通しもネガティブに。

・FitchがフランスのAAA格付の見通しをネガティブに。更にスペイン、イタリア、ベルギー、スロベニア、アイルランド、キプルスをレビュー。

・ S&P は特に発表はしていません。(EU summit前には警告を出していましたが)

前項通り主要通貨の中でも上昇が目立つUSD,JPYは新興国通貨に対しても大きく上昇しましたが、株式市場を見ても世界中で資金流出が目立っています。細かく見ると先進国以上に新興国の市場が資金を失っている状況は憂慮せざるを得ません。

株式市場よりも心配なのが商品市場です。
Goldは今月に入って$1761.1の高値から切り返していますが、先週は$1600割れで越週しています。Crude oilも一時$102.44まで上昇していましたが先週は$93.53でクローズ。
 CRB indexは再び300を割れて11月の安値である292.39が視野に入ってきました。

安全資産としての位置づけを回復した(?)米国長期債には先週もかなり買いが入りました。大量の資金流入の結果30年債の利回りは2.855%、10年債の利回りも1.854%まで低下して越週しています。

2012年に向けた投資家の不安心理は払拭されずと言ったところでしょうか。

Top FX Movers Last Week.

師走ですね・・・・・ 気候も大分冬らしくなってきました。今朝は都内でも氷点下を記録したところが有ったようで寒い週末となりました。

12月中旬に入って材料的にも先週が年内の最後の山場だった感もありますが、金融市場の動きとしてはイベントや経済指標というよりも流動性のあるうちにここまで引っ張ってきたポジションの整理が行われていた感じがします。

レバレッジとリスクの"落とし"が中心となる中で主要通貨の動向もUSDとJPYがその他通貨に対して満遍なく上昇する展開が中心になりました。

    通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(幅) 変動(%)
①EURUSD↓  1.3037     1.3383    -346      -2.65%

②AUDUSD↓  0.9968     1.0215    -247      -2.48%

③EURJPY↓   101.41      103.89   -248      -2.45%

④AUDJPY↓   77.54       79.29      -175      -2.26%

⑤USDCAD↑  1.0384     1.0171   +213     +2.05%

⑥CADJPY↓   74.88       76.30      -142     -1.90%

⑦EURGBP↓  0.8385     0.8540    -155     -1.85%

⑧NZDUSD↓  0.7613     0.7744    -131     -1.72%

⑨GBPAUD↑  1.5585     1.5332   +253    +1.62%

⑩NZDJPY↓   59.23        60.13      -90      -1.52%

上昇サイドの内訳はUSDとJPYが4回ずつでGBPが2回となっています。下落サイドはEURとAUDが3回ずつでCADとNZDが2回ずつでした。

今週以降年末までは完全にFlow-Orientedな展開が予想されます。

2011年12月12日月曜日

磁気効果?

先週は殆どオフィスにいませんでした。

最近思うのですが、やはり新幹線や飛行機等による高速移動は体への負担が大きいのでしょうか。

急速に冬らしくなってきた事とも重なってか、もう首や肩がガチガチに固まってしまった状態で非常に不快な状態で週末に入ったのですが、土曜日の朝にチェックした血圧が自分の過去の最高値を大きく更新していて驚愕しました。

これまでは健康診断を受けても過去の病歴以外に医師に突っ込まれるところは殆ど無かったのですが昨年から血圧が引っ掛かるようになりました。要治療と言う事ではなく経過観察ということで済んでいたのですが土曜日の血圧が続くようなら即治療と言う事で降圧剤を処方される事になりそうです。

実は体重も自身の最高値を更新しているのですが、血圧との関係も考えると真剣に減量をしないとやばいですね。

もしかすると首や肩がガチガチに固まっている事も血圧上昇の一因ではないかと考えて、この週末は"せんねん灸"と"ピップエレキバン"を買ってきました。
 お灸のほうは少し怖いので後回しにしてピップエレキバンを首の付け根と耳の後ろに左右2個ずつ合計4つ貼り付けてみました。

ピップエレキバンというのは子供の頃に販売会社の会長だか社長だった独特のお爺さんが出てきて商品名を連呼する不思議なCMを覚えており、当時からあんな小さい磁石を体に貼り付けて何が変わるというのかと馬鹿にしていたものです。
 ところが・・・何かの偶然なのでしょうか・・・いや・・・やはりこれが効いたとしか思えないのですが貼った直後から少し楽になったような感覚があり、数時間後には相当楽になっていました。

磁気の効果って本当にあったのだと感じているのですが、この商品以外にも磁気ネックレスとかがずっと売っているところを見ると磁気効果を信じていなかった自分の固定観念が間違っていたようです。

今は肩や首がかなり楽になっているのですが、血圧を測ると何と一応正常値(やや高めですが)の水準に戻っていました。

凄く不思議です・・・・・

2011年12月11日日曜日

Eyes are on FOMC and Italy/Spain Bond Auctions.

先週は、5カ国(ユーロも含む)の政策金利発表がありましたが、今週はFOMCですね。
先ずは先週の各国中銀の動きを総括しておきましょう。
 
・RBAキャッシュターゲット ・・・ 4.25%に利下げ

・加中銀政策金利発表 ・・・ 1.00%に据え置き

・RBNZオフィシャル・キャッシュレート ・・・ 2.50%に据え置き

・欧州中銀金融政策発表 ・・・ 1.00%に利下げ

・BOE政策金利発表 ・・・ 0.50%に据え置き

事前予想通り5カ国中、2カ国が利下げとなりました。
今週のFOMCもFFレートの据え置きは当然でしょうが、QE3の可能性についての言及の有無や内容に注目しておく必要がありそうです。

また、一旦は休戦モードとも思える欧州情勢において波乱があるとすればイタリアとスペインの国債入札でしょう。

イタリアは水曜日に2016年満期の国債入札を控えており、スペインは木曜日に2016年,2020年,2021年を満期とする国債入札を控えています。どの位の規模でECBが買取を行う事になるのかに注目と言ったところですね。

Top FX Movers Last Week.

先週も色々有りましたが週を通した動きとしては持続的なトレンドは発生しておらず、神経質なレンジ取引だったと言えそうです。注目された欧州のイベントもECBの政策決定会合は予想通りの利下げは良しとしてドラギ総裁による国債購入拡大期待の否定発言により市場センチを悪化させており、一方でEUサミットは及第点はクリアしたとの安堵感から市場センチの修復方向に働いた格好です。

主要通貨ペアの変動ランキングを見ても非常に値幅の狭い領域での戦いでした。

   通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDJPY↓   60.13      60.59      -46          -0.77%

②GBPCHF↑  1.4459    1.4349   +110       +0.76%

③CHFJPY↓   84.03      84.58      -55         -0.65%

④EURJPY↓  103.89     104.49    -60        -0.58%

⑤EURGBP↓ 0.8540     0.8587    -47        -0.55%

⑥NZDCAD↓ 0.7876     0.7917   -41        -0.52%

⑦GBPAUD↑ 1.5332     1.5261   +71      +0.46%

⑧GBPUSD↑  1.5666    1.5595    +71     +0.45%

⑨CADCHF↑ 0.9067     0.9028   +39     +0.43%

⑩USDJPY↓   77.63       77.95      -32     -0.41%

非常に狭い値幅ですので大したImplicationは無いのですが、上昇サイドの顔触れはJPYが4回,GBPも4回,CADが2回となっています。下落サイドはCHFが3回,USD,NZD,EURが2回ずつでAUDが1回でした。

ちょっと神経質な膠着といった感じになっていますね。

2011年12月5日月曜日

Some stability ahead.


DXY(ドルインデックス)⇒短期ダブルトップ??
ドルインデックスは短期ダブルトップを形成して切り返して来た様に見えるのですが、12月9日のEUサミットあたりで欧州の足並みの乱れが再浮上しなければ年内はEURも値持ちするのではないかと思われるので為替市場は安定推移となるような気がします。

前項の通りFED, ECB, BOE, BOJ, BOC, SNBが協調してUSDの流動性供給レートを50bp引き下げると言う動きに出ており、多くの欧米の銀行が USDが取れずに苦労していた状況は一時的かも知れませんが劇的に改善しています。

それまではフォワード市場が壊れたようになってしまって理論値から乖離し続けてしまい、クレジット不安から裁定取引機会も無いままに混乱に拍車が掛かっていましたので個人的にも上記6中央銀行の協調行動は非常に適時的であったと思います。

この流れを受けて今週は5つの主要国で中央銀行の金融政策決定会合が予定されています。
カナダ(BoC),ニュージーランド( RBNZ),英国( BoE)は政策金利を据え置くと言う予想ですが、欧州(ECB)と豪州( RBA)は25bpの利下げの可能性が高そうです。(欧州が1%、豪州が4.25%へ)

協調モードで据え置くと思われていた中銀が金融緩和に動いたりすると株式市場のクリスマスラリーが再開する可能性があると思います。各国の当局者たちにも異常事態という認識があるだけに注目しておきましょう。

2011年12月4日日曜日

Top FX Movers Last Week.

先週は月末・月初の需給要因や米雇用統計などの材料が注目されましたが、今回も市場を大きく動かしたのは突発的なイベントでした。

経済指標や中央銀行の政策決定会合のような予定されていたイベントに対しては事前予想比の良し悪しが材料になりますが、突発的な事象に対しては市場参加者に備えが無かった分イベントそのものに大きく反応するということになります。

今回のイベントは11月30日(水)に起きた次の2つの事象でした。

(1)欧州懸念により欧米の銀行を中心にドルの資金調達が困難になってきていた事を受けて、日本・米国・EU・英国・スイス・カナダの主要な6つの中央銀行が協力して資金繰りを 助けると発表しました。

(2)中国が金融引締めから金融緩和に転換し、預金準備率の引き下げを発表しました。


この動きを受けてそれまではリスク回避方向に動いてきた金融市場が一気に反転する流れになりました。更に金曜日の米雇用統計でも11月の雇用情勢に改善の兆しが読み取れる内容であったために週半ばからの流れを断ち切ることなく越週しています。

週末には改めて複数の格付け機関がスペイン格下げを準備しているとの噂やイスラエルとイランの緊張等が伝えられており、最後は少々楽観ムードにも調整的なバイアスが掛かりましたが、どうやら年内は大きな危機は回避された可能性が高まっていると思います。

主要通貨ペアの動向を整理しておきます。

    通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDJPY↑   60.59      57.42      +317      +5.23%

②AUDJPY↑   79.59      75.45      +414      +5.20%

③NZDUSD↑  0.7773    0.7390    +383      +4.93%

④AUDUSD↑  1.0210    0.9708    +502      +4.92%

⑤GBPNZD↓  2.0020    2.0864     -844       -4.22%

⑥GBPAUD↓  1.5261    1.5892     -631       -4.13%

⑦NZDCHF↑  0.7151    0.6866     +285      +3.99%

⑧EURNZD↓  1.7216    1.7891      -675      -3.92%

⑨AUDCHF↑  0.9395    0.9030     +365     +3.89%

⑩EURAUD↓  1.3122    1.3623      -501     -3.82%

上昇サイドでの登場はNZDとAUDのみで、回数も5回ずつでした。
下落サイドはJPY,USD,GBP,CHF,EURが2回ずつ。

要するに変動上位10ペアは全て南半球クロスの上昇であり、NZDとAUDが他の主要通貨に対してタンデムに上昇したと言う動きでした。

2011年11月27日日曜日

Is USD momentum felt on JPY now?

週末にはドル円が上昇する動きがありました。

欧州初で国債に売り圧力が掛かる傾向があり、週後半には円債にも影響が及ぶ動きがありました。財政赤字では欧米の事をとやかく言えない日本ですので、国債不安による円売り圧力が掛かり始めたのではないかと言う声も有りますが、私は寧ろ実需の外貨買いが下げ渋るドル円を押し上げた事でリスクテイカーの円ロングポジションに損切り圧力が掛かった事が主要因と見ています。

ドル円DAILY ⇒ ボトムアウトの兆し?















10月末に75円台で介入が入り79円台まで上昇した後に76円台まで下落。再び75円台へ入って全戻しをしてしまうのではないかと心配になる局面もありましたが、先週は底堅い動きが続き週末には77円台ミドルまで戻して越週しているのはテクニカル面でもボトムアウトの可能性が復活したと言えるでしょう。

以前不安定ですが今週も注目していきましょう。

Taking Europe to the Limit.

欧州統合は、元々幾つかの概念的矛盾を内包しており準備段階では実現自体を疑問視する見方も根強かった事を覚えています。

しかし世界中が米ドルへの不安と不満を背景にその代替通貨を切望していたという背景もあり、やがて世界は欧州統合の概念的矛盾には目を瞑り、実際に欧州諸国も統合メリットを前面に押し出せるようよく心を砕いたのでしょう。導入直後は少し揺らいだユーロはやがて強い通貨となり欧州は不可能を可能にしたと言うような評価すら受ける事になりました。

この辺りは今の中国と似ているような気もします。世界中が中国の強引な資源外交や領土面での強硬な外交姿勢、そして何よりも怪しげな経済指標からコンプライアンス無き経済実態に批判的でありながら世界景気のエンジン役として中国経済の繁栄を必要としていると言うことです。

話を欧州に戻しますが、その欧州も遂に綻びが表面化してしまい、世界中が約10年前に抱いていた疑問を思い出したかのように欧州統合の維持に悲観的になってしまっています。

先週の動きです・・・・

イタリア

首相辞任などでやや収まっていた利回りが23日に再度危険水域の7%台に突入。
25日には2年債が8%を突破し、10年債も一時7.4%まで上昇。

・スペイン

ギリシャ、イタリアに続き財政赤字から政権交代。
 23日、スペインも6%台後半と危険水域7%に肉薄。

・フランス

周縁国で起きて来た現象がコア国であるフランスにも忍び寄ってきた印象。
既に3%台後半まで国債利回りが上昇。

・ドイツ

23日のドイツ国債の入札が「札割れ」に。(応募額が予定額に届かない状態)
ドイツ国債でさえ投資家が購入を躊躇する状態になってきました。

EURUSD DAILY⇒小反発しては下落の繰り返し


Top Movers Last Week.

先週の金融市場も完全なリスク回避モードでした。

今後10年間で$1.2trillionの財政支出削減への道筋を協議してきた超党派のSuper CommitteeがDeadlineであった11月23日(水)までに基本合意に達する事に失敗するなど米ドルが売られても説明の付く材料も複数あったのですが、金融市場の関心は依然欧州危機が中心でした。

先ずは主要通貨ペアの動向を確認しておきます。

    通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%) 
①AUDUSD↓   0.9710   1.0004     -294       -3.03%


②GBPUSD↓   1.5436    1.5800     -364      -2.36%

③NZDUSD↓   0.7390    0.7560     -170     -2.30%

④EURUSD↓   1.3234    1.3523     -289     -2.18%

⑤USDCAD↑   1.0482    1.0272    +210   +2.00%

⑥AUDJPY↓    75.46      76.96       -150    -1.99%

⑦USDCHF↑   0.9300    0.9156     +144   +1.55%

⑧AUDCHF↓   0.9030    0.9154     -124    -1.37%

⑨GBPJPY↓    119.95    121.56      -161   -1.34%

⑩NZDJPY↓    57.43      58.15        -72     -1.25%

上昇サイドでの登場回数はUSDが6回,JPYが3回でCHFが1回でした。
下落サイドではAUDが3回,GBPとNZDが2回ずつでEUR,CAD,CHFが1回ずつ登場しています。

USD,JPY,CHFに上昇圧力が掛かったのは明確なリスク回避圧力でしょう。下落サイドで南半球通貨が目立つのは中国減速リスクが背景と言う説明が目立ちます。確かに中国は対欧州での輸出依存度が大きいので欧州混乱によるダメージは不可避ではあります。

2011年11月20日日曜日

Biding Time for ???

10月31日に本邦当局の大規模円売り介入があったと報道されてから3週間ほど経過していますが、円は非常に不気味な動きを繰り返しています。


USDJPY DAILY⇒11月は陽線3本のみ。
















11月に入っての14営業日の全てで非常に狭いレンジ取引となっており、過度の変動を好ましくないとする当局の意向は市場に浸透しているかのようにも見えるのですが、そうは言ってもその14営業日のうちで曲がりなりにも陽線を出しているのは上記グラフの通り3日のみで、あとの11日は陰線で終了しています。これではとても反転の機運は盛り上がりません。

USDJPY WEEKLY
















週足チャートでも介入週後の陰線続きが目立っています。75円台から79円台まで上昇して77円近辺まで戻していると言う状況ですが、今の半値戻し程度の押し目を作ってから再上昇すると言うのはテクニカルでも十分ありなので、今はある意味で正念場と言えそうです。

前項の通り今週水曜日は米国で大きな材料がある日ですので、注意が必要でしょう。

戦略的な持久戦なのか、出口を探る膠着状態なのか・・・・欧州問題や商品市場の調整を受けたコモディティ通貨の下落などでドル自体には追い風が吹く中で、ドル円が下落しているのでクロス円はどれも大きく下落しています。

天王山は意外と近いかもしれないですね。

Potential Downgrade of US on Nov. 23rd.

欧州も重症に見えますが、米国の状況も非常に危険です。

メディアの報道は絶えず針小棒大で扇情的ですので私は寧ろAnecdotalな情報も重視しているのですが、Occupy Wall Streetの動きに関しては立ち居地によって随分見え方が違うようです。

ある知人は「抗議対象が不明確だし緊張感は無い。何かのStreet Festivalのようだ」と話していましたが、最近は大分先鋭化してきているようで気になります。

また11月23日(水)を期限に今後10年間における$1.2trillionの財政赤字削減計画の取り纏めに努力している12名からなるSuper-committeeの議論が全く噛み合っておらず、期限までに計画を取り纏める事は相当難しいようです。
 
そうなると23日の水曜日に突然何かが変わるという訳でもないのですが、計画の取り纏めに失敗するとMoody'sやFitchが米国のAAA格付を引き下げる可能性が無視出来ません。既に8月にS&Pは米国の格付をAAAから引き下げているので、これに追随する動きが出ても全くおかしくない訳です。

今週の水曜日については一応気にしておきましょう。

Ugly Picture of European Bonds Market.

欧州の国債市場がかなり危険な状況になっています。

従前はリスク回避では米国とドイツの国債が買われるのが常識だったのですが、最近は周縁国とドイツとの国債利回りスプレッドが拡大するだけではなく、ドイツの国債の入札にも十分な買い手が付かないと言う状況になっています。

逆に危機で変われるのは米債と日本国債という状況にもなっており、特に後者の動向は注視していく必要があるでしょう。

先週は、欧州で以下のような動きがありました。

1 イタリア国債の10年物利回りが危険水準の7%を再び上回ってしまった。

2 スペイン国債も入札が不調(十分な買い手が付かない)で、利回りが7%水準にまで上 昇。

3 スペイン、ベルギー、オーストリアに加えてフランスまでがドイツ国債とのスプレッドが過 去最大水準にまで拡大。

最早ECBがバランスシートの大幅拡大を決意して欧州中の財政をバックアップする体制を真剣に検討せざるを得ない状況のように思えますが、これにはドイツと肝心のECBが強く反対している状況です。12月9日のEUサミットで何か出てくるのではないかと言う期待が強まっていますが、逆に何も出ない場合の失望も大きくなりそうです。

Top FX Movers Last Week.


先週も金融市場はかなりの荒れ模様でしたが、為替取引に関しては比較的変動は落ち着いていたと思います。

為替市場のWild Swingは最近の傾向でもあるのですが、先週も欧州の国債市場や商品市場が大荒れになっているにも拘らず為替市場は一方向への持続的な動きはせずに乱高下する展開でした。

     通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDJPY↓  58.15     60.51      -236       -4.06%

②NZDUSD↓ 0.7560   0.7848    -288       -3.81%

③AUDJPY↓  76.96     79.17      -221       -2.87%

④AUDUSD↓ 1.0004   1.0266    -262       -2.62%

⑤EURNZD↑ 1.7874   1.7482   +392      +2.19%

⑥GBPNZD↑ 2.0888   2.0446    +442     +2.12%

⑦CHFJPY↓   83.90     85.63      -173      -2.06%

⑧NZDCAD↓ 0.7766   0.7925    -159      -2.05%

⑨NZDCHF↓  0.6919  0.7058     -139     -2.01%

⑩GBPJPY↓   121.56   123.97     -241    -1.98%

⑪EURJPY↓  104.05    106.01    -196     -1.88%

⑫CADJPY↓  74.86      76.24      -138     -1.84%

クロス円で進行中の円高を強調する為に今回は12位まで掲載してみました。

上位10通貨ペアにおける通貨ごとの登場回数は上昇サイドではJPYが4回,USDが2回,EUR,GBP,CAD,CHFが1回ずつでした。 下落サイドでは実にNZDが6回,AUDも2回で後はCHFとGBPが1回ずつとなっています。

両サイドに登場しているCHFとGBPはトレンドレスだったと言えます。JPYとUSDが強く、NZDとAUDが弱かったと言う事になりますが、これは底流としてはリスク縮小、レバレッジ縮小、投資戦線縮小が続いているのだと考えればよいでしょう。

2011年11月13日日曜日

Neck Poping.

最近自宅の最寄り駅付近に二つも整体院が出来ました。

米国にいた頃はよくカイロプラクティクスの施術を受けていたのですが、日本では保険対象外であることや医師としての国家資格を必要としない為に怪しげな整体師もいるようなのでこの手の治療を受ける事はありませんでした。

ただ最近は自分でもガチガチだと感じるくらい首や肩が固まっている状況でしたのでこの2ヶ月位の間に両方の整体院を試して見ました。

上記のような理由も有って日本では整体やカイロの区別も今ひとつ付いていない感じですが、専門学校などでしっかり教育を受けてから開院しているところが殆どであり、ちゃんと調べてから行けば特段危険な事は無いと思います。

ただ個人的にはやや期待はずれだったのはどちらの整体院でも体をボキボキ鳴らすような施術は行っていませんでした。米国のカイロは骨の歪みを直接正しに行きますが、両方の整体院ともに骨の歪みの原因となる周囲の筋肉を調整する事で結果的に骨の歪みも元に戻ると言うアプローチを採択していました。
 
少し質問もしてみたのですが、かつては日本でもボキボキやるところも多かったそうですが、幾つか事故もあったようで、今では特に首をボキボキやる治療については万が一の時に保険でもカバーしてくれなくなっているとの事でした。

米国ですらカイロプラクティクスの効果に懐疑的な専門かもいて、ボキボキやるのは危険だと言う説もあるそうなのですが、私などはあれをやると如実に効果が出るタイプで、首や肩が軽くなって翌日以降の朝の目覚めも変わってくるような感じなのですが実際にはどうなのでしょうね。

懐疑派や否定派でも短期的なスカッとする効果は認めていますが、それで治癒に向かうものでは無く、そもそも施術自体が危険であると言う話だったと思います。

個人的には熟練の整体師を探して月に一度位は骨格をAdjustして欲しいと思っていますが、それまでは”筋肉”整体で我慢しようかと思います。

あと、自分でボキボキやるのは絶対にいけないみたいですね。

Top FX Movers Last Week.

先週も欧州問題がメインドライバーとなりました。

色々有りましたが、特にギリシャからイタリアに火の粉が飛び火した結果、この両国において議会や有権者に痛みを伴う改革を受け入れてもらう事・・・具体的には生活水準の切り下げを受け入れてもらう代わりに国家元首が事実上首を差し出すと言う展開になった事は物凄い事だと思います。

ギリシャの首相は親子3代続けて首相と言う名家であり、イタリアの首相は同国のメディア王と呼ばれるほどの実力者ですので両国ともに非常に大きな出来事でした。イメージではギリシャの鳩山とイタリアの小沢が首を差し出して議会や国民の理解を求めたと言った感じでしょうか。

先週の為替市場における主要通貨ペアのパフォーマンスは以下の通りです。

      通貨ペア↑↓    先週終値      前週終値      値幅(pips)       値幅(%)
①NZDJPY↓     60.51          62.04           -153           -2.53%

②AUDJPY↓     79.17          81.11           -194          -2.45%

③CADCHF↑    0.8896       0.8690         +206         +2.32%

④GBPCHF ↑   1.4468       1.4185         +283        +1.96%

⑤NZDCAD↓    0.7925       0.8071         -146         -1.84%

⑥EURJPY↓      106.01      107.82          -181        -1.71%

⑦USDCHF↑     0.8999      0.8847         +152       +1.69%

⑧AUDCAD↓    1.0376      1.0550         -174        -1.68%

⑨USDJPY↓      77.11        78.22            -111       -1.44%

⑩EURCHF↑     1.2372     1.2198          +174      +1.41%

上昇サイドの登場回数はJPYが4回,CADが3回でGBP,USD,EURが1回ずつでした。
下落サイドの登場回数はCHFが4回,NZDが2回,AUDが2回でEURとUSDが1回ずつでした。

当局の姿勢が見えにくくなり介入警戒が弱まったJPYが上昇し、当局が姿勢を明確にしたCHFが下落しています。USDとEURは上昇と下落の両サイドに顔を出している状況ですので大きなトレンドが出ている状況では無いと言う感じですね。

金融市場は中長期的な警戒姿勢は維持しながらも短期的には欧州危機も年内の山場は越えたという雰囲気も出てきたようです。一旦水入りと言うシナリオもありうるのでしょうか。

2011年11月6日日曜日

Toss-up week for JPY?

10月31日に遂に執行された本邦当局による円売り介入の規模は7兆円を超える規模だと推測されていますが、月末要因で需給が激突する時間帯に突然円が急落する動きに金融市場は騒然としていました。

為替市場に直接触っているトレーダーの人達以外は保有していたポジション次第で大きな利益を得たか予想外のダメージを受けたかのどちらかだったのではないでしょうか。


USDJPY DAILY⇒月曜日に急騰。ヒゲも長いけど大陽線!!

75円台だったドル円はほぼ一気に79円台まで急騰すると言う数年来振りの上昇を記録した後、小反落して78円水準で揉み合っていましたが、78円台を維持した週末の水準としてはまずまずの値持ち感だったという気がします。




7兆円以上のドル供給を当局が飲み込んだと言うのは物凄い事であり、実需の売りが相当掃けた可能性もありますし、証拠金業界の円ショートも激減しているのでRetailの投資家の人達はドル円、クロス円のロングポジションを相当手仕舞ったものと思われます。

各方面でそこそこポジションが軽くなったと言う事で依然ギクシャクした欧州情勢を中心に金融市場が今週に入って日本円をどう扱うのかは大いに注目したいところです。

前述の通り週末もドル円は比較的よく値持ちしていましたが、リスク回避バイアスが強まっているのは円の上昇要因ですし、海外勢はこの介入の過程で円買いに動く勢力の方が目立っていたと言う報告もあります。

今週も週初から油断禁物と言う感じですね。

Top FX Movers Last week.

先週は日米欧に加えて豪州などでも金融政策決定会合がありましたが市場予想に反して利下げを断行した欧州の決断を好感してか各市場ともに終盤までは安定した推移が目立ちました。

終盤まではと書いたのは終盤は少し荒れ模様だったということなのですが、やはり発端はギリシャ問題でした。国民に負担を強いる政策を押し進める上で国民が状況を理解してそれを支持すると言う基盤が不可欠と見たパペンドロー政権が議会による政権の信任投票と緊縮財政政策に掛かる国民投票を実施すると発表した事で再びリスク回避バイアスも復活する展開となったのです。

流石にこれには仏独も大慌てとなりギリシャ政権に働きかけを行った結果、一旦は国民投票を見合わせる方向が打ち出されましたが、今週もこの問題は尾を引きそうな気配です。予定通り週末に行われた議会による政権の信任投票では無事に政権が信任されると言う無難か結果が出ていますが、国民投票の話が再燃すると相当ドタバタする事になりそうです。

以下の先週の主要通貨ペア動向でもリスク回避色が反映されています。

       通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)

①NZDUSD↓  0.7930    0.8199     -269       -3.39%

②AUDUSD↓  1.0367    1.0701     -334       -3.22%

③USDJPY↑    78.22      75.81      +241      +3.08%

④GBPNZD↑  2.0188    1.9629     +559      +2.77%

⑤EURUSD↓  1.3782    1.4154      -372      -2.70%

⑥USDCAD↑  1.0178    0.9915     +263     +2.58%

⑦GBPJPY↑   125.38     122.18     +320     +2.55%

⑧GBPAUD↑ 1.5448     1.5055     +393     +2.54%

⑨USDCHF↑ 0.8847     0.8625      +222     +2.51%

⑩EURGBP↓ 0.8595     0.8779      -184      -2.14%

上昇サイドでの登場回数はUSDが6回、GBPが4回となっています。
下落サイドでの登場回数はNZD,AUD,JPY,EURが2回ずつでCADとCHFが1度ずつでした。

JPYに関しても大規模な市場介入が行われた為にUSDJPYの上昇も第三位に入っています。USDは介入で持ち上げられた対JPY以上にAUDやNZDに対して上昇しているところが面白いですね。

2011年10月30日日曜日

Japan to announce TPP participation.

速報ベースで以下の情報が飛び込んできました。

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October 30, 2011




Japanese Prime Minister Yoshihiko Noda plans to announce at a meeting with his Singaporean counterpart, Lee Hsien Loong, on Nov. 12 that Japan will join the Trans-Pacific Partnership, Kyodo News reported Oct. 30, citing unnamed sources close to the matter.

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日本国内では相当な議論が繰り広げられていますが、正解の無い議論なので何を選択するのかと言う議論なのだと考えていました。勿論決断するのは首相なのでしょうから野田さんが決めたと言う事であれば一応の筋道は立つと言う事でしょうか。
 
ただこれは本当に根の深い問題ですので、まだ11月に入ってからどういう展開になるか不透明ですね。

Precious Metals made a strong statement.

貴金属の上昇も印象的でした。特に銀は先週10%を越えるパフォーマンスでした。
貴金属はボトムを付けたのでしょうか?

GOLD DAILY⇒金曜日に小幅調整も月~木まで強力に上昇!



SILVER DAILY⇒6連騰!!











米国が真剣にQE3に向かうのならば貴金属の上昇は爆騰モードに入ると思いますが、先週のもろもろの経済指標も強めに出ていた中でこのカードは切りにくいと考えられます。FRBとしてもQE3の可能性は2012年に取って置きたいのではないでしょうか。

QE3によって刷り捲ったドルで欧州を助けると言う怖いシナリオも一部で取り沙汰され始めていますがこれも米ドル暴落と貴金属爆騰を招くシナリオですね。

USD is on the edge.......

USDの下落が顕著なのですが、FRBの高官達が相次いでQE3という選択肢が依然としてテーブル上に残っている事を明確にした事で失速し、期待度が低かったEUサミットで曲がりなりにも諸施策が決定された事でドル売りが加速したような印象を持ちます。


EURUSD DAILY⇒1.40超えで走った!


USDCHF DAILY⇒先週後半に大幅下落












AUDUSD DAILY⇒先週後半にAUDも上伸

NZDUSD DAILY⇒NZDも上昇












今週はFOMC,ECB,RBAと金融政策決定会合もあるので注目していきましょう。特に米国ですね。
勿論週末には米国雇用統計もありますので週末の展開にも注目です。

The Price Tag Is Getting Bigger to Mend Europe.

The pace of increase has been reflected on her pictures.........

http://www.ritholtz.com/blog/wp-content/uploads/2011/10/Merkel.png

欧州の財政再建と金融機関の資本増強の必要規模はどんどん膨らむばかりです。
大きな負担を背負う事が不可避な状況で、この人物のジェスチャーも派手になってきていますね・・・・

Top FX Movers Last Week.

先週の金融市場はほぼ前週の流れを引き継いで値動き的にはリスク資産の買戻しに拍車が掛かる展開となりました。

特に米株市場が年初来でプラス圏に回復したり、銀価格が1週間で10%以上上昇している事などが目立っているように思います。

為替市場でも南半球の強さが目立っていました。

      通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①AUDUSD↑  1.0701    1.0372     +329      +3.07%

②AUDJPY ↑   81.12     79.03       +209      +2.58%

③USDCHF↓   0.8625   0.8821     -196       -2.27%

④NZDUSD↑   0.8199   0.8025     +174     +2.12%

⑤GBPAUD↓   1.5055   1.5373     -318      -2.11%

⑥EURUSD↑   1.4154   1.3892     +262     +1.85%

⑦CHFJPY↑    87.85     86.31       +154     +1.75%

⑧NZDJPY↑    62.19     61.16       +103     +1.66%

⑨AUDCAD↑  1.0610   1.0440     +170     +1.60%

⑩USDCAD↓   0.9915   1.0070     -155      -1.56%

各通貨の上昇サイドでの登場回数はAUDが4回,CHFとNZDが2回でEURとCADが1回ずつでした。
下落サイドはUSDが5回,JPYが3回でGBPとCADが1回ずつでした。

USDJPYが史上最安値を更新するのですが、実は全体の絵の中ではUSD以外の通貨に対しては軒並み円安になっていることがわかるのですが、これでは本邦当局も為替介入の理解が中々得難い状況だと思われます。

2011年10月24日月曜日

It is not what you say,but what they hear.

金曜日の北米時間にはドル円が急落し、前回安値の75.94をあっさり抜けて75.79まで円高が進みました。これは円の対ドルでの史上最高値の更新になります。

USDJPY DAILY⇒金曜日に大陰線


私はその時間に会社にいましたが、あちこちで電話が鳴って、中には直接為替に触っていない人間からもコメントを取ろうとする記者まで出てくる始末で、記事を書かなければならない立場の人達も大変だなーと思いました。

さて・・・・やはり金曜日の北米時間と言うところが味噌なのかなーと思うのですが、週末のポジション調整で円高に振れたと言う事は、やはり先週は前半からむしろ円売りで構えていた市場参加者がかなり多かったと思ってよいのではないでしょうか。

ドル円は相当期間膠着相場が続きましたが、徐々に76円台ミドルの固さが共通認識となり、チャート的にもsaucer bottomというお皿の形に底打ちしていくパターンを形成し始めていると言う見方も増えていました。週央には、戦機は熟したと見た勢力が円売りを仕掛けて77円台を攻め上る展開となりましたが77円ミドルの激しい攻防で失速し77.45を高値に76.60まで反落して揉み合う展開となっていました。金曜日にはこの攻防の名残で結構な円売りポジションが出来ていたのだと推測出来ます。

これが週末の円高の伏線でしょう。

では、引き金は・・・・と言う事になりますが、二つあるのではないでしょうか。

①QE3への期待と不安の再台頭。
②本邦当局の円高対策への評価と解釈。

①に関しては、先週FRBの追加緩和の可能性に言及した人々をざっと上げるだけでも、以下の面々がいました。
Fed Governor Daniel Tarullo、Fed Vice Chairman Yellen、Chicago Fed Evans、Boston Fed Rosengren、St. Louis Fed Bullard・・・

ドルが売られる流れ自体は何の不思議も無いですね。

もっと大きかったのはやはり本邦の円高対策の中身でしょう。解釈と評価は私の周囲でも色々有るのですが、特に日本の豊富なドルリザーブを利用して本邦企業の海外進出や海外企業の買収を支援しようと言う施策に対しては、ある記事に出ていた以下のような解釈が広がっています。

The measures are viewed as a sign that the Japanese government is increasingly resigned to adapting the economy to a strong yen, rather than fighting yen's appreciation.

日本政府は円高を反転させようとはしておらず、日本の産業界を円高と共存出来るような構造に改革する事を考えていると言う解釈です。

個人的には色々と思うところがありますが、もしもそうではないのならば、やはり説明が不足していると言う事でしょう。そう思われても仕方が無いと思いますし・・・個人的にはそうであってもそういう事を明言するべきではないと思いますが・・・・兎に角これまでの市場とのコミュニケーションの取り方には大いに改善の余地が有ると思います。

It is not what you say but what they hear, that really matters.

と言う事ではないでしょうか。

2011年10月23日日曜日

Top FX Movers Last Week.

先週の金融市場は一見Risk-on、よく見るとRisk-offというようなチグハグな展開が目立ち始めました。

・欧州については今週水曜日のEUサミットへの期待感が先行。

・米国についてはFRB首脳陣が入れ替わり立ち代り追加緩和の可能性に言及。

・日本については斬新さを欠く円高対策の焼き直しに対する厳しい評価が下されました。

そのような動きの中で、市場の動向としては次のような動きが目立ちます。

・株式市場は米株は堅調。その他は今ひとつで、上海株は軟調。

・為替市場ではユーロには買戻し圧力が継続。米ドルは軟調。

・商品市場も軟調推移。

・週末には日本円が対ドルで75円台に突入し、最高値を更新しました。

主要通貨ペアの週ベースの変動は以下の通りです。

    通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①NZDJPY↓   61.16     62.13       -97         -1.59%

②NZDCHF↓  0.7079   0.7172     -93        -1.31%

③USDJPY↓   76.19     77.18       -99        -1.30%

④EURJPY↓   105.87   107.13     -126      -1.19%

⑤GBPNZD↑  1.9856   1.9639    +217     +1.09%

⑥USDCHF↓  0.8821   0.8910     -89        -1.01%

⑦CADJPY↓   75.65     76.40       -75        -0.99%

⑧AUDJPY↓   79.03     79.78       -75        -0.95%

⑨EURCHF↓  1.2260   1.2372    -112       -0.91%

⑩GBPUSD↑  1.5950   1.5819    +131     +0.82%

上昇したサイドでの登場回数はJPY5回,CHF3回でGBPが2回でした。
下落したサイドでの登場回数はNZD3回,USD3回,EUR2回でCADとAUDが1回ずつでした。

金曜日の北米市場でいきなり円が上伸しましたが、円の5回に次いでCHFが3回登場していることを見ても実はRisk-off的なバイアスも効いているのだという事が言えると思います。

今週は水曜日のEUサミットの結果(?)と一人気を吐く米株に注目でしょう。商品市場の下落も気になるところです。

2011年10月17日月曜日

JPY is quite weak on crosses.

ドル円が75円割れを回避すると言う思惑が広がっていますが、ここのところクロス円主導での円安に拍車が掛かってきました。


USDJPY DAILY⇒じりじりとボトムアウト?
 円=リスク回避通貨というステータスが定着している事もあり足元のRisk資産の反発を受けた動きでもありますが、ドル円事態も異常な膠着を昇華しながらじりじりと77円台まで上ってきました。






基本的に対円以外では全体的にドル安なので、日本の個人投資家が好む外貨買い円売りのポジションのパフォーマンスがかなり上がってきました。



AUDJPY DAILY⇒急回復中


NZDJPY DAILY⇒このペアも人気が高いです。











急回復してきた各国の株式市場もこれらクロス円もテクニカル面では抵抗線に当たり始めており今週のパフォーマンスは大いに注目されるところです。

2011年10月16日日曜日

More Than Benefits of Doubts?

世の中の情勢は刻一刻と変化している状況ですが、先週の動きを切り出してみれば一旦市場が織り込んだ最悪のシナリオを回避するか、少なくとも時間軸をずらす方策は取られ始めたと言う思惑から過度の悲観論が後退したと言う事ではないかと思います。

先週も欧州では周縁国の格下げがありましたが、むしろ欧州が金融セクターの資本増強でコンセンサスを醸成し始めている事、G20が欧州のソブリン問題解決に団結する姿勢を見せIMFにも強い呼びかけを行った事などが前向きに評価される展開でした。また米国でもFOMC議事録を見る限りQE3へのドアが開かれていると言う印象を強めた事も一因でしょうか。

それにしてもよくスタミナが切れなかったと感心するような動きになっています。

EURUSD Daily⇒2週間連騰!










AUDUSD Daily⇒ほぼ2週間継続して反発











NZDUSD Daily⇒AUDにはLagしているが追随中











USDSGD Weekly⇒アジア通貨も反発へ











疑心暗鬼は消えませんが、過度の悲観は払拭されたと言うだけでもこれだけの値動きです。やはりRiskのOn/Off双方でActual Volatilityが上昇してきていますね。

Top FX Movers Last Week.

先週は金融市場全体で所謂リスクラリーが続伸する展開となっています。通貨市場ではユーロショートを中心とした危機対応ポジションが大きくCut Backされる予想外の展開となりました。結果として米ドルと日本円が地歩を失う展開となっています。

   通貨ペア     先週終値 今週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①AUDJPY↑ 79.78      74.92      +486      +6.09%


②AUDUSD↑1.0336    0.9764    +572      +5.53%

③NZDJPY↑  62.13      58.98     +315      +5.07%

④NZDUSD↑0.8050    0.7675    +375     +4.66%

⑤CHFJPY↑ 86.49      82.75      +374     +4.32%

⑥EURJPY↑107.13    102.67     +446     +4.16%

⑦GBPAUD↓1.5293   1.5918     -625      -4.09%

⑧USDCHF↓0.8910   0.9265     -355      -3.98%

⑨EURUSD↑1.3878   1.3379    +499    +3.60%

⑩CADJPY↑76.40      73.80     +260     +3.40%

5%や6%という変動幅も大きかった週ですが、変動率上位10ペアを分解すると上昇サイドで登場したのはAUD3回,NZD2回,CHF2回,EUR2回,CAD1回と言う内訳でした。南半球堅調、資源国堅調、欧州売りも一服という流れになっている事がわかります。当然ながら下落サイドはリスク回避時に買われていた通貨の反落が続きました。 登場回数はJPYが5回,USDが4回でGBPが1回となっています。

株式市場などでは危機は去ったと言う論調とセンチメントがますます強まっています。この状況では為替市場を含む金融市場全体を貫くRisk-on方向のバイアスが急速に萎える展開ではないでしょう。ただし、何か新たな悪材料が出てしまえば一気に潮流が変わる状況には変わりは無いので引き続き注意深く市場を追いかけていく必要がありそうです。

2011年10月11日火曜日

A Short-Squeezing Risk Rally Dominates.

リスク回避の継続を想定したポジションメイクを一掃するかのごとく先週までは反発も鈍かったリスク資産が週初から大幅上昇という展開になりました。

週末~週初に独仏首脳会談で金融セクターの資本増強の必要性に関する認識の共有を確認したと言うニュースなどを受けて主に欧州株が先導役を果たしています。

早速イタリア首脳から欧州全体の問題を独仏二国間協議で議論するのはどうしたものかと言う注文も付いていますが、今のところ市場はあまり気にしていないようです。

EURUSDは1.33台で越週してきましたが、今は300pipsほど上昇した水準で1.37台突入をも視野に入れた状況です。

EURUSD DAILY ⇒週明け300pips上昇











南半球の動きも同様です。

AUDUSD DAILY











NZDUSD DAILY











週明けは主要市場の休場などもあって市場流動性が低いので火曜日以降にもこの動きが継続出来るかどうかに注目しましょう。

2011年10月10日月曜日

One Downgrade After Another.

今の欧州に対する市場の目線は楽観と悲観、或いは期待と不安が交錯している状況なので金融市場のSWINGも双方向に大きなものとなります。

ギリシャが新たな緊縮財政策を纏めるとか、独仏が救済基金の規模拡大や柔軟運用で合意するとか言う話が出ればユーロは一旦大きく反発したりするものの、市民がデモを起こしているとか、欧州系の金融機関が市場で資金が取れない等と言う憶測が出回ればあっさり反落したりもします。

そしてその際たるものが欧州各国の格下げと言ってよいでしょう。先週の金曜日も最後は結局これでそれまで上昇していたユーロが反落して終了しています。
EURUSD⇒金曜日の上昇は上髭となって陰線引け。











金曜日に格付機関のFitchがイタリアとスペインの長期ソブリン格付を引き下げました。イタリアをAA-⇒A+,スペインをAA+⇒AA-とし、両国のOutlookもnegativeとしました。
 また、別の格付け機関 Moody'sもイタリアの格付を3ランクも引き下げて(Aa2⇒A2)、やはりoutlookもnegativeとした他ベルギーの格付も引き下げを視野に見直しに入ると発表しています。

当局や政治家が必死に表面を取り繕っている横で、サブプライム問題やリーマン破綻で厳しい批判に晒された格付機関が必死に仕事をしてしまっている・・・・そういう風にしか見えません。いずれにしても格下げの影響は甚大ですので、引き続き注意していきましょう。

Top FX Movers Last Week.

先週はリスク回避バイアスが一服する展開でした。株式市場、商品市場が小反発をしており、通貨市場でも資源国通貨が気を吐いています。

ただし、株式市場、商品市場も然りですが相場の反発は小規模となっており、強気相場への回帰シナリオを考察する為には今週以降も反発を維持する必要があります。週末に発表された米国の9月雇用統計は過去月の修正も併せて市場予想を上振れる内容であったこともあり、今週以降の相場をどこまで支えてくれるかに注目したいところですね。

      通貨ペア↑↓ 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①AUDCHF↑  0.9035     0.8765    +270      +2.99%

②NZDCHF↑  0.7115     0.6905    +210      +2.95%

③CADCHF↑  0.8901     0.8641    +260      +2.92%

④CHFJPY↓    82.75       84.80      -205       -2.48%

⑤USDCHF↑   0.9265    0.9075     +190      +2.05%

⑥EURCHF↑   1.2400    1.2153     +247      +1.99%

⑦GBPCHF↑   1.4416    1.4142     +274      +1.90%

⑧GBPAUD↓   1.5918   1.6125      -207      -1.30%

⑨EURAUD↓   1.3688   1.3853      -165      -1.21%

⑩GBPNZD↓   2.0210   2.0451      -241      -1.19%

上記10ペアの上昇サイドを見るとAUDが3回,NZDが2回でCAD,JPY,USD,EUR,GBPが1回ずつ登場しています。下落サイドは実にCHFが7回,GBPが2回でEURが1回と全て欧州通貨でした。

大きな絵としては、資源国通貨(AUD,NZD,CAD)が反発して欧州通貨は弱かったと言う事です。下落サイドでCHFが7回登場しているのは暫く沈黙していたSNB(スイス中銀)が再び通貨高牽制を再開した事が大きな要因と言えそうです。

2011年10月2日日曜日

Despearate demand for USD liquidity2

アジアの優等生シンガポールからすらも急速にキャッシュアウトが進行中です。先週も言及しましたがアジア各国の当局がドル売り自国通貨買いの介入を繰り返してもこういうチャートになると言うのは凄い事です。

USDSGD DAILY ⇒ ドル急騰中!


個人的な意見ですが、アジア市場も暫くというか、多分相当な期間混乱が続くと見ています。

積極的なアジア投資は控えて暫くはアジアへのExposureも縮小しておく事が上策のような気がします。

最終的にはどこかで絶好の買い場が来ると思いますが、時間的にも価格的にもまだまだ先があると見ています。

Desperate demand for USD liquidity.

仕組債等を含む広義のデリバティブ取引によって悪い(というか悪化してしまった)ドル資産が世界中にばら撒かれた状態の中で世界中がドル調達に苦労している状況です。

金融市場は疑心暗鬼で欧州の銀行などが中々ドルが取れない状況になっており、流動性のある処分可能な資産を処分してドルキャッシュを手当てする動きも拡大しています。

最終的には長期的にドルもユーロも円も弱くなる可能性が無視出来ませんが、足元は真逆の潮流が加速しています。

通貨の中では資源国通貨である南半球のAUD,NZDの不調が目立ちます。

NZDUSD DAILY⇒下げ止まらず。


AUDUSD DAILY ⇒下げ止まらず。












Top FX Movers Last Week.

先週は序盤から中盤にかけては市場センチが幾分持ち直す展開でリスク資産の反発上昇も見られましたが、またまたと言う感じで終盤にセンチも相場も崩れてしまったと言う展開でした。

特に商品市場のCRBインデックスがほぼ1年振りに300を割り込んでの越週となっており、株式市場よりも商品市場の不調が目立つ展開でした。

主要通貨ペアでも商品関連通貨の不調が続いています。

       通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①GBPNZD↑ 2.0451    1.9882    +569      +2.78%

②GBPCAD↑1.6314     1.5863    +451     +2.76%

③GBPAUD↑1.6125     1.5779    +346     +2.15%

④USDCAD↑1.0495     1.0277    +218    +2.08%

⑤NZDUSD↓0.7597     0.7754     -157    -2.07%

⑥CADCHF↓0.8641     0.8794     -153    -1.77%

⑦EURGBP↓0.8589      0.8727     -138    -1.61%

⑧NZDCHF↓0.6905     0.7014     -109    -1.58%

⑨CADJPY↓ 73.33      74.43        -110    -1.50%

⑩GBPJPY↑  119.97   118.23      +174   +1.45%

上昇サイドではGBP5回,USD2回,CHF2回,JPY1回となっており、下落サイドの顔触れはCAD4回,NZD3回で,AUD,EUR,JPYが1回ずつでした。

コモディティ通貨であるCAD,NZDが叩かれたという結果です。

2011年9月25日日曜日

Ex-plosive Im-plosion of risk.

チャートは正直というか、群集心理の鏡と言う事なのでしょう。

足元のリスク回避の様相とボラティリティを少し確認してみましょう。

1 金価格 ⇒ 遂に調整へ

Gold Daily












2 銀価格 ⇒ 遂に調整へ
Silver Daily











3 USDSGD(米ドル/シンガポールドル)⇒アジア通貨の下落
                                                                           (USDの急反発)
USDSGD Weekly











最後のシンガポールドルのチャートだけは週次のチャートです。欧州通貨等が売られる動きにつられて3週間ほど前から新興国通貨が下落し始めて米ドルが反発上昇する展開になっていますが、先週はそれが大きく加速している様子がわかります。

最初の二つのGold、Silverの反落も激しいですね。これらは日次のチャートなのですが、先週の木曜日と金曜日の下落の激しさが確認出来ます。

FRBのOperation Twistの絡みでFRBのカウンターに立つ民間サイドの足元のドル需要が云々という仮説も立てられなくは無いのですが、これはポジションの縮小と考えるべきでしょう。その要因は9月末が第3四半期の締めになるのでヘッジファンドなどもPLを固めに来ているという要因もあれば、この段階で投資家の解約請求などを受けてファンドの清算を余儀なくされたファンド勢がポートフォリオの中身を現金化し始めたという要因もあると思います。

Top FX Movers Last Week.

先週も欧米の材料を中心にリスク回避バイアスが急上昇する流れとなっています。

欧州はギリシャの当事者意識の希薄さと救済方法や条件を巡る欧州共同体としての足並みの乱れが浮き彫りになっていますが、米国では注目されたFOMCにおいて・・・予想通りですが・・・QE3の発表は無く、Operation Twistと言う方法で長期金利を押し下げる方針が発表されました。

欧州に関しては週末にBBCで識者たちをパネリストとした討論会を放映していましたが、全く打つ手なしと言う印象で、兎に角未曾有の事態なので団結していく事が大事と言う程度の結論になっていました。ちょっと出口が見えない感じがします・・・
 米国のOperation Twistですが、残存期間が3年以下となった米国債を$400bio規模売却し、同規模の残存期間が6年~30年の長期債を購入すると言うものです。インフレ抑制をMandateの一つとするFRBとして長期金利の上昇を許容しないとするCommitmentを示したもので、効果の程は議論が分かれるのですがFRBとして方策は尽きていないというメッセージにはなっていると思います。

市場のリスク回避の程度は尋常ではありません。

・Dowは週ベースで2008年以来で最大の下落を記録。
・CRB商品指標は9ヶ月振り安値まで下落。
・Goldは単日の下落幅としては1983年来最大の下落を記録。
・Silverも単日で32年振りとなる大幅な陰線を記録。

必然的にこのようなリスク回避の動きは主要通貨のパフォーマンスにも強く反映されています。

    通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
① NZDJPY↓  59.37      63.58      -421        -7.09%

②NZDUSD↓  0.7754    0.8284    -530       -6.84%

③AUDJPY↓   74.90      79.50      -460       -6.14%

④AUDUSD↓ 0.9784     1.0356    -572       -5.85%

⑤CADJPY↓  74.43       78.44      -401       -5.39%

⑥USDCAD↑ 1.0277      0.9777   +500      +4.87%

⑦EURNZD↑ 1.7382      1.6621    +761     +4.38%

⑧GBPNZD↑ 1.9882      1.9045    +837     +4.21%

⑨CHFJPY↓  84.56        87.66      -310      -3.67%

⑩EURAUD↑ 1.3791     1.3310    +481     +3.49%

上昇サイドでの登場回数はJPY4回,USD3回,EUR2回,GBPが1回でした。
下落サイドがNZD4回,AUD3回,CAD2回,CHFが1回となっています。

この下落サイドは10通貨中9通貨が資源国通貨になっているのですが、同様にアジア通貨や新興国通貨の下落振りも尋常ではなく、アジア諸国も当局が必死にドル売り自国通貨買い方向での為替介入を連続して行っています。

9月末に向けた今週の動きにも最大限の注意が必要になりそうです。

2011年9月19日月曜日

Sad Fallacy of JAPANIZATION : CAN THEY TURN JAPANESE?



The Economist誌が掲載した"Debt and politics in America and Europe"と題した記事は、"Turning Japanese"という表現で欧米の"日本化”の問題を取り上げており、冒頭の風刺絵はかなり有名になりました。

この記事では主に膨張する国家の負債に加えて政治のリーダーシップが弱体化していく傾向を述べていますが、これ以前にも日本の"失われた10年(20年とも?)"と呼ばれる経済の長期低迷プロセスが欧米にも訪れるのではないかと言う危惧が主に"Japanization"という言葉で語れるようになっていました。

But Wait..........

Turning JapaneseでもJapanizationでも良いのですが、それを恐れるどころか欧米は果たして日本になれるのでしょうか? 日本がそうして来たようにひたすら我慢強く、苦難の連続にも決して折れずに何とか泳ぎ続けると言う芸当が欧米に出来るのでしょうか?

現状欧米が直面している問題を細かく見ながら、かつて確かに類似の状況に置かれた日本が90年代以降に繰り出してきた様々な政府の施策や民間の創意工夫を最低でも真似る事が彼らに出来るのだろうかという疑問を最近強く感じるようになってきました。

日銀の量的緩和は、それを促したと自負している本家本元のBen Bernanke議長が米国で実施した二度にわたる大規模オペ(QE,QE2)よりも遥かに効果的だったと思います。


・ジャパン プレミアムという言葉が注目されたように銀行間市場で邦銀がドル資金の資金繰りに苦労していた為にMOFはウルトラCとして預託金と言う預金の形で金融機関にダイレクトに外貨をデリバーしました。これはいくら流動性を増やしてもクレジット悪化により資金が取れない現状の欧州系金融機関とは全然違う話です。


・民間も欧米が忌み嫌うデフレを素直に受け入れて"価格破壊"という前向きのコンセプトに昇華させてデフレを一種のビジネスモデル化するという柔軟性を示しました。

以上はほんの一部ですが、国の借金であるJGBの殆どを国内の機関投資家が引き取っていると言う事もある意味日本人の国民性というか一種の特性である事は間違いないと思います。今の欧州を見ると自国政府の国債を我先に売り逃げしている自国民が多いし、国を支えると言うより国が破綻するのに備えて国債を売って金を買うと言う自国民が多い事は明らかです。

東日本大震災の被災地の人々が、何年かけても、放射性物質のリスクがあっても、自分はもといた場所に帰りたい、そこに住みたい・・・と言う意向を表明している事に大いに感銘を受けているのですが、これは欧州の人々がいざとなれば金を持って国を出て行こうというスタンスとも対照的です。

以上のような事を考えれば、経済危機に直面している今の欧米が"日本化"を危惧し、回避しようとしている事は少し違うのではないかと言う気になります。課題先進国としてウルトラC的な解決策は無くとも有効な対処策を豊富に蓄積してきた日本にこそ彼らが謙虚に学ぶべき布石が有るのではないかと思うのです。

2011年9月18日日曜日

Top FX Movers Last Week.

先週も色々な動きがありましたが、週を通した総括としてはリスク回避的な動きが強まったと言う事になるでしょう。

引き続き市場のVolatilityの根源は欧州問題なのですが、先週突如財務相が財政赤字削減ペースの鈍化を示唆して周囲を慌てさせたギリシャでは首相が中心となって必死の意見集約を図ることで当初の予定通りの財政健全化計画の堅持が確認されました。同時に独仏首脳会談でもギリシャが将来にわたり統合欧州に留まるとの共通認識が確認された事で目先の危機は脱した格好となりました。

しかし金融市場では徐々にギリシャの債務不履行を時間の問題と捉える風潮が強まり、私が確認しただけでもギリシャの1年ー2年物国債の利回りは120%を超える異常な状況となり週半ばにかけてEURも相当売り込まれていました。

これを受けて取られた措置が相場を再び反転させる結果となりました。9月15日の木曜日に発表された日・米・欧・英・スイスの協調ドル供給オペです。
 ECBが、日・米・欧・英・スイスの中央銀行が協調して3回のドル資金供給オペを3ヶ月実施するとの声明を出し、これで株式市場、商品市場、為替市場などで進行していたリスク回避方向の値動きがかなり戻される格好で週末を迎える事になりました。
主要通貨ペアの値動きでおさらいすると以下のようになります。
  通貨ペア      先週終値 前週終値 値幅(pips) 変動(%)
AUDCAD1.0126   1.0425  -299     -2.95%
GBPCAD1.5414   1.5804  -390     -2.53%
AUDJPY 79.50    81.18    -168     -2.11%
EURAUD1.3310   1.3031  +279   +2.10%
AUDCHF0.9057   0.9239   -182    -2.01%
AUDNZD↓1.2481   1.2715   -234    -1.87%
USDCAD0.9777   0.9960   -183    -1.87%
GBPJPY↓ 121.15   123.10   -195    -1.61%
EURGBP0.8735    0.8596  +139   +1.59%
GBPCHF1.3808    1.4015   -207    -1.50%
上昇サイドでの登場回数はCAD,JPY,EUR,CHFが各2回ずつでNZD,CADが1回ずつでした。
下落サイドはAUDが5回,GBPが4回でUSDが1回となっています。
先週は、上昇サイドよりも下落サイドに特徴のある週で、AUDやGBPの下落が以外にも欧州通貨のそれを上回る規模であった事がわかります。これは改めて欧州通貨を売る動きよりも安全資産として持っていたAUDなどの持高までも圧縮するという流れであり、株価などが少々戻しているものの市場センチメントが大きく改善していると言う状況ではないでしょう。

2011年9月12日月曜日

AIs got hammered: Another story on SNB event.

SNBが突然EURとCHFの交換レートの片方PEG(EURCHFの下限を1.20に設定)を発表した際に、それまで安全資産として大量に購入されてきたCHFが一気に下落する展開となりましたが、この騒動の中で多くの通貨が乱高下する展開となっています。

代表例としてAUDUSDのチャートを出しておきますが、これはSNBの発表を受けて一度は上昇してから週末にかけては反落しています。

AUDUSD DAILY














個人的にも市場が動揺していると言う印象を持っていましたが、あるレポートで多くのAI(人工知能)搭載の所謂ロボットトレードが大きなドローダウンを出していると言う事が書いてあったので驚くと同時に納得も出来ました。

従前から市場参加者がリスク回避傾向を強めると安全資産が買われ、リスクテイク意欲を強めるとリスク資産が買われて安全資産が売られるという図式が定着していた訳ですが、先週のSNBの動きを受けてCHFが急落する値動きをFEEDされた多くのAIが市場がリスク回避からリスクテイクに急速にシフトしていると解釈して一旦は積極的にリスク資産を買いに行った様なのです。

その後は各方面でのリスク回避バイアスが再FEEDされて一気にポジションの清算を余儀なくされたと言う事ですね。

実は通貨オプション市場などでもSNBの動きを受けてVolatilityが急落していたのですが、あれもAIが絡んだ勘違い(リスク回避の後退⇒Volatility売り)が関与している可能性が否定出来ないように感じます。

元々世の中単純ではないのですが、色々と複雑化しすぎていますね。

Let The Charts Tell The Story.....

前項の相場説明のチャートによる確認です。

1 EURUSD⇒ひどい下落です。

EURUSD DAILY 













2 USDCHF⇒上昇へ。(USD買いCHF売り)

USDCHF DAILY











3 EURCHF⇒1.20に下限設定でJUMP。
EURCHF DAILY














いずれも滅多に見ないチャートです。為替市場に異変ありです。